どうもウハルです
今回は化物語の第14話『つばさキャット 其ノ肆』の感想と解説を語っていきます!
ここまでの話で、過去に起きた”ゴールデンウィークの出来事”が明かされ、羽川が訴えてきた”頭痛”の原因が明かされてきましたが…
今回はいよいよ”ストレス”の原因が明かされます!
わずか1ヶ月の間に抱えた今回のストレスは、17年抱え込んだストレスに匹敵するほどのもの!!
そのストレスによってブラック羽川が再び登場するまでに至ったわけですが、その事実を知った時の切なさと言ったらなかったですね…
さらに今回は、『化物語』唯一とも言っていい全ヒロイン登場回でもあります!
前話でのギャグを回収しつつ、わずかながらも再登場するヒロインたちの姿を見ていると和む反面、終わりが近づいてきたなと物悲しさを感じてしまいました
そう感じてしまうのは1話辺りの登場人数が極端に少ない『化物語』だからという気もしますけどね(笑)(普通はもっとヒロインが登場するのでw)
そんな怒涛の終盤戦!
化物語の第14話『つばさキャット 其ノ肆』の感想と解説を語っていきたいと思います!
ちなみに、感想に関しては2023年4月からの再放送が始まってから書かせて頂いております
その為、私自身はすでに《物語シリーズ》全編視聴済みの状態で書いていますので、あらかじめご了承ください
また、『化物語』の感想&解説に関しては「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」も書いていますので、興味がある方は是非!
最後に、《物語シリーズ》に関しては、アニメ&原作のまとめ記事も書いています
なので、「続きを知りたい!」や「原作に触れてみたい!」という方は是非参考にしてみて下さいね
化物語 第14話 あらすじ
第14話『つばさキャット 其ノ肆』
阿良々木暦は、羽川翼を救う方法を見出すため、二人で忍野メメの元を訪れる。しかし何故か煮え切らない態度を取るメメ。阿良々木は、そんな彼からある事実を打ち明けられる。
『化物語』西尾維新アニメプロジェクト公式サイトより
原作だとどの範囲?
月額1500円で12万冊以上の対象作品が聴き放題のAudible
ダウンロードすればオフラインで聴き放題だったり、《物語シリーズ》作品に関しては出演キャストが朗読してくれたりと、好きな時に好きな場所で好きな声を聞きながら作品を楽しむことが出来ます
30日間の無料トライアルもあるので興味がある方にはオススメです!
化物語 第14話 『つばさキャット 其ノ肆』感想&解説
忍の家出
ゴールデンウィーク以来、再び阿良々木くんの前に姿を現した《ブラック羽川》
とりあえず、そのまま放置しておくわけにもいかないので、彼女を縛り上げて身動きを取れなくした後、阿良々木くんと忍野は今回の件について話をし始めます
そもそも、ブラック羽川は前回のゴールデンウィークの時に封じて、二度と出てこないはずではなかったのか?
忍野はそれに対して「否」と答え、あくまで封じただけであり、ストレスが溜まれば再び姿を現す、いわば”多重人格障害”のようなものだと話します
ただ、忍野自身もそれに対してなんの手も講じてなかった訳ではなく、鈴の役割として”頭痛”という目印を仕掛けてはいました
しかし、そのことについては阿良々木くんに話してはいなかった為、発見が遅れたという訳です
そんな中、ここで今考えるべき問題点としては一つ
今回羽川が抱えたストレスというのは一体何なのか?
17年間抱え続けたストレスが1ヶ月前に解消されたにもかかわらず、それに匹敵するほどのストレスをこの1ヶ月で抱えた
いくらなんでも早すぎる期間に疑問を感じる忍野でしたが、そもそもその原因が分かったところで、忍野や阿良々木くんにはその場しのぎのことしか出来ない
そのことが分かっていた阿良々木くんは、忍野にそのまま伝えますが、それは忍野も重々承知
ただ、忍野はその解決法について誤魔化すように言葉を濁します
その明らかな誤魔化しにイラつく阿良々木くんは、不意に解決に必要な忍を見掛けていないことに気付きました
そして阿良々木くんは、忍野に忍がどこにいるのかを質問すると、忍野からは驚きの返答が返ってきます
忍ちゃん、自分探しの旅に出ちゃった
感想&解説
ブラック羽川の再臨という厄介事のみならず、まさかの忍の家出という大問題まで発生しているという事態から始まった今回のエピソード
ここのシーンで忍野も言っていますが、悪いことというのはやたら続くもんです
まあ、そもそも八九寺から忍を見掛けたという情報を貰ってはいたのですが、まさかそれが家出の最中だとはさすがに阿良々木くんも思いませんよね
そんな解決しなければならない重要事項が二つも重なった中、やはり気になるのは”羽川が抱えたストレス”
17年という長い年月にも匹敵するほどのストレスをわずか1ヶ月で抱えてしまう程のことというのは一体何なのか?
その辺りは今回の14話のオチにもあたる部分にもなりますが、その真実は残酷でもあり切なくもなる内容でしたね
そしてここでは解説を一つとアニメではカットされた忍野の誤魔化しを一つ紹介します
まずは解説ですが、ここのシーンで『きんぎょ注意報!』のネタが登場し、その画風に合わせるように阿良々木くんのキャラデザが変わっているだけじゃなく、ぎょぴちゃんも登場する演出となっていますが、これはちゃんと権利元に許可を得た上で使用しているみたいです
画風が変わるのはもはやこの作品に於いては恒例にも近いものがありますが、ぎょぴちゃんの頭にアホ毛が生えているのは個人的に地味に好きなイラストだったりもします(笑)
そして次に、アニメではカットされた忍野の誤魔化し方ですが、原作では『きんぎょ注意報!』だけじゃなく、『Dr.スランプアラレちゃん』のネタを振りつつ、忍野がガッちゃんのモノマネを披露するという面白いやり取りが繰り広げられています
やり取りとしては、阿良々木くんが忍野に対して「何か誤魔化そうとしてないか?」と言った後になります
メ「何を言っているんだい、僕が誤魔化すなんて不実な行為をするわけがないだろう。猫耳と言えば、そう言えば、則巻アラレちゃんもよく装着していたよね。いやあ、振り返ってみるに、あの漫画は時代を先取りしていたなあ。猫耳でロリでロボで眼鏡で妹で髪の色は紫で変な口癖てんこ盛りだぜ?」
化物語(下)「つばさキャット」より
阿「言われなきゃ気付かないことだが、まあ、その通りだな……よく気付いたと褒めてやりたいところだが、忍野、しかしそれが羽川のケースと何か関係があるのか?」
メ「ん、ん、んー」
誤魔化そうとしている……。
絶対に誤魔化そうとしている……。
阿「おい忍野、いい加減に――」
メ「くぴぽ」
阿「それが世の中酸いも甘いも嚙み分けた大人の誤魔化し方なのか!?」
メ「んー。まあ、大人って大体こんなもんだよ」
阿「大人になんかなりたくねえ!」
30過ぎたおっさんが「くぴぽ」って言う姿は残念を通り越してただただ痛いw
まあ、これで誤魔化せるとは思ってはいないでしょうが、忍野メメが「くぴぽ」って言ったのは結構衝撃的でした(笑)
そして、これを忍野メメ役の櫻井孝宏さんが言っている姿をちょっと見てみたいと思ってもしまっただけに、カットされたのは残念でもありましたねw
阿良々木くんが助けを呼んだ相手
忍の家出を知り、町中を探し回る阿良々木くん
しかし、一人では限界がある為、阿良々木くんは伝手を頼って助けを呼ぶことにします
まず一人目は八九寺真宵
探している最中に出会った彼女に事情を説明し、八九寺は忍探しを手伝ってくれることを了承してくれました
次に二人目は千石撫子
携帯に登録されていた千石の家に電話をし、事情を説明しようとしたものの何から話していいものかと悩んでいた阿良々木くんに、千石は落ち着かせるために面白い話を披露します
千「えっとね、漫画やアニメなんかでは気楽そうにもてはやされてるけれど、メイドっていうのは、意外と大変な仕事なんだよ」
阿「『大熊猫大好き』さんはお前かよ!」
予想外の事実を聞かされたことで、逆に冷静になった阿良々木くんは改めて忍探しを手伝ってもらえないかとお願いします
それを聞いた千石も了承し、忍探しを手伝ってくれることになりました
そして三人目が神原駿河
近所のスーパーで『オシャレ魔女ラブandベリー』を長時間興じている最中であることを聞かされた阿良々木くんが、「遊んでばっかいんじゃねえよ」とツッコんだところ、神原は「遊び心を忘れてはいけない」と、遊びについての話をし始めました
神「そうそう、遊びと言えば、この間、友達三人とトランプで大富豪をしていたときの話なのだが」
阿「『すぶりをするそぶり』さんはお前かよ!」
いつも通りの馬鹿話をしつつ、神原にも忍探しのために力を貸してほしいとお願いします
神原もこれに了承し、助けを借りることが出来ました
そして最後の一人が戦場ヶ原ひたぎ
学校で文化祭の準備をしていた彼女に助けを求めたものの、戦場ヶ原の返事はNO
説得のために話をしようとする阿良々木くんですが、戦場ヶ原は話を聞こうとせず、寧ろ自分の話を聞きなさいと別の話を振ってきます
阿「戦場ヶ原――話、聞いてくれよ」
戦「嫌よ。それよりも私の話を聞きなさい。先日、友達と二人でレンタルビデオ店に行ったのだけれど」
阿「『林檎をむいて歩こう』さんはお前かよ!」
そんなツッコミを入れつつも、改めて話をする阿良々木くんでしたが、戦場ヶ原の返答は変わりません
事情も理解したし、阿良々木くんがどちらも助けようとしていることも分かってはいますが、戦場ヶ原は「文化祭の準備を投げ出すわけにはいかない」と拒否します
阿良々木くんが自分のやり方を貫いているように、戦場ヶ原にも自分のやり方を貫かなければならない理由がそこにはありました
その理由というのは、この文化祭の準備を羽川に頼まれたから
羽川が窮地に立たされているのであれば、尚のことこの役目を果たさなければならないと話す戦場ヶ原の言葉に、阿良々木くんは納得
「学校は任せた」と電話を切ろうとした阿良々木くんに、最後に戦場ヶ原は「ツンデレサービス」と激励の言葉を贈ります
勘違いしないでよね、別に阿良々木くんのことが心配なわけじゃないんだから――でも、帰ってこなかったら、許さないんだからね
そのままブチッと切れた電話を眺めながら、絶対に帰ることを誓う阿良々木くん
これで呼べる限りの助けを呼んだ阿良々木くんは再び忍を探す為に、町中を自転車で走り回っていると、学習塾跡の近くで阿良々木くんを呼ぶ声が聞こえてきました
その声の主は忍野メメ
一旦立ち止まり、屋上にいた忍野の方を見てみると、忍野は阿良々木くんに向かって手を振っていました
その行動の意味が分からなかった阿良々木くんは、そのまま自転車を走らせました
感想&解説
前話で描かれたラジオネタの伏線がここで回収!
まさかのリスナーが全員知り合いという世間の狭さに驚きながらも、神原以外の二人は明らかに事実無根の作り話というのがこれまた面白いんですよね
特に、これは原作で阿良々木くんがツッコんでいることでもあるんですが、戦場ヶ原のラジオネタに関しては、面白い反面、悲しさも湧いてくるのがまた面白かったりしますw
「『林檎をむいて歩こう』さんはお前かよ!そしてここ数年友達が一人もいなかったお前がそんな風な『友達と仲良し』的エピソードをでっち上げてふつおたのコーナーに送ったんだと思うと面白かったはずの葉書が悲しく思えてくるよ!」
化物語(下)「つばさキャット」より
戦場ヶ原の中のイマジナリーフレンドとレンタルビデオ店にでも行ったんですかね(笑)
そして、ここで描かれた忍野の不審な行動
この行動の意味するところというのは、最終話で明かされることになります
ちなみにですが、この忍野が阿良々木くんに手を振る描写ですが、原作には無いアニメオリジナルシーンになります
そして、ここのシーンでは解説を一つと本編にまつわる原作カットの内容を二つ、そして裏話を一つ紹介します
まず解説ですが、ここで登場した『オシャレ魔女ラブandベリー』に関しても、権利元に許可を得た上で使用している内容になります
ただ、ここのシーンに関してはスタッフの中で後悔があるらしく、その後悔というのはレアカードを登場させられなかったこと
神原が持っていたカードは実際に存在するカードらしいんですが、本当はレアカードを持たせたかったらしく、その実物が手に入らなかったので本編中では登場させられなかったそうです
次に、アニメではカットされてしまった部分ですが、それは各ヒロインたちとのやり取りの部分になります
シリアスな場面でもちょこちょこギャグ的な会話が繰り広げられることが多い本作ですが、実は阿良々木くんが各ヒロインに忍探しを手伝ってもらうクダリに関してはカットされている会話が多いんですよね
特に神原とのやり取りに関しては、6ページ近くカットされていて、その内容がまた面白いw
さすがにそれを全部紹介していたらもの凄い文量になりそうなので、本編にまつわるネタだけを二つ紹介します
まず本編ネタの一つ目ですが、神原は昨日のデートで戦場ヶ原から阿良々木くんとキスをしたことを直接聞いていて、この時点で既に知っていました
しかも、それは学校で聞いたとかではなく、デート直後に電話で話を聞かされたと話しています
阿「今日、学校で聞いたのか?」
化物語(下)「つばさキャット」より
神「いや、聞いたのは昨夜だ。聞いたというか……、真夜中にいきなり電話が掛かってきて、五時間ほど自慢話を聞かされた」
阿「迷惑な先輩だー!」
いやホント、これは迷惑w
夜中に電話が掛かって来たかと思ったら、ただただ自慢話を聞かされるというのはキツイ(笑)
いくら尊敬する先輩からの電話と言えど、神原も少し戸惑い気味なのも分かる気がします
ちなみにですが、『偽物語(中)』に収録されている副音声は戦場ヶ原&神原でお届けされているんですが、実はその時にこの自慢話についてのやり取りがあります
神「思い出した。思い出したぞ、私は。戦場ヶ原先輩と阿良々木先輩が初めてデートをしたその夜、私に電話をかけてきた戦場ヶ原先輩は、朝まで私に自慢話をし続けたのだった」
『偽物語(中)』キャラクターコメンタリーより
戦「何よ。迷惑だったとでも言うの」
神「迷惑じゃなかったとでも言うのか」
戦「もし迷惑だったとしても、そこは迷惑をかけていただいてありがとうございますでしょう?」
神「私でも正気を疑う発言だな……」
ガハラさんの発言は、一つ一つが怖いのよねw
まあ、実際は冗談ではあるんでしょうが、自慢話をしたというのは事実ですからね
それほど嬉しかったんでしょうね、きっと
次に本編ネタの二つ目ですが、11話で阿良々木くんは千石からブルマとスクール水着を預かっており、その件について神原に伝えたところ、すでに洗ってあることに絶叫するほどガッカリしている描写があります
いや、洗って返すのが普通なんですが、神原の変態性はそれを許さなかったみたいです(笑)
そのやり取り自体も面白かったんですが、ここで紹介するのはその洗濯してしまったことに対しての償いを要求した神原と阿良々木くんとのやり取りです
阿「とにかく、償う償う。償わせてもらいますとも。僕は何をすればいいんだ?」
化物語(下)「つばさキャット」より
神「そうだな。そのスクール水着とブルマーを阿良々木先輩が着用して、一晩眠って、たっぷり寝汗をしみこませてから、洗濯せずに私に返してくれればそれで許す」
阿「その行為を実行したら僕もお前も比類なき変態になっちまうぞ!?いや、多分僕よりもお前の方が危険だ……!」
神「阿良々木先輩と共に歩むなら、その道もまた面白いさ」
阿「ごめん神原!僕はお前とそこまで心中してやるつもりにはなれない!」
神「心中が無理なら無理心中という手がある」
阿「それは殺人事件だ!」
神「まあ、その件については改めて考えよう」
阿「いや、お前は考えを改めろ!」
なんか神原ってその場のノリで話をしてますよねw
それがまた面白いやり取りを生み出してもいるんですが、そのノリに的確にツッコミを返す阿良々木くんもさすがです
「改めて考えよう」からの「考えを改めろ!」のツッコミは結構好きですw
そして最後に裏話ですが、ここのシーンで神原がおへそを見せるシーンがありますが、実は『化物語』という作品の中で、ここが神原の数少ないセクシーショットとなっています
その他のキャラのセクシーショットに比べて、かなりインパクトの弱いショットではありますが、そのことについて今回の副音声を担当している羽川は、同じく副音声を担当していた神原にそれを話して、神原は自身の変態性を主張するという面白いやり取りがあります
なお、ここは副音声でも収録されている部分ではあるんですが、カットされた部分も含めて面白いのでここでは『副音声副読本』の内容をご紹介します
神「おお。私のセクシーショットだ」
アニメ『化物語』副音声副読本(下)より
羽「実はレアなんだよね」
神「え?」
羽「いや、アニメ『化物語』、一巻から六巻まで通算してさ。私はなんとスカートがめくれるところからスタートだし、戦場ヶ原さんは普通にオールヌードが出てくるし、真宵ちゃんは抱きつかれたりおっぱい触られたり、千石ちゃんは言うまでもなく。神原さんだけ、画的にエッチなサービスがほぼ皆無なんだよね。口ばっかりで」
神「口ばっかり!?」
羽「ここだって、脱ぐって言って、結局、おへそ見せただけだし。うーん、口ほどにもないとは、正にこのこと」
神「違う!私は誰よりも変態だ!」
羽「主張が強い……ていうか、みんなで変態を競ってるみたいな言い方をしないで」
神「いやいや、今だって私は、裸で副音声を収録しているぞ!?」
羽「嘘をつかないで。私を裸で副音声を収録している人の対面にいる人にしないで。むしろすごい厚着じゃない。なにその、指先まで包む長袖。何そのマキシ丈のスカート」
神「ばらさないでくれ!音声のみだから油断してしまっただけだ!私のボーイッシュなイメージが崩れてしまう!」
羽「そういうところが口だけだっていうんじゃない」
神原って「口だけ」って言われるの本当に嫌がるんですよねw
にしても、油断していたとは言え、肌の露出ほぼゼロの服装で収録に来ているとは思ってもいませんでした(笑)
確かに神原にはボーイッシュなイメージがありますが、普通に女の子っぽい服装が似合うスタイルの良さや可愛さがあるので、そういった意味ではかなり幅広く服を着こなすことが出来るヒロインだとも言えますね
ブラック羽川が話す主人のストレスの原因
自転車を走らせ探し回っているものの、一向に忍を見つけることが出来ない阿良々木くん
さすがに探しっぱなしだったので少し休憩を取り、再び探しに行こうと自転車を走らせようとすると不意に後ろに重みを感じました
ふとそのまま後ろを見てみると、そこには縛られていたはずのブラック羽川の姿がありました
何故か縄が勝手に緩んだと話すブラック羽川でしたが、阿良々木くんはその話を聞いて、今までの忍野では考えられないミスの連発に違和感が拭えませんでした
ただ、取り敢えずその違和感は横に置き、阿良々木くんはブラック羽川が何をしにここに来たのかを聞くことにします
するとブラック羽川は、忍探しを手伝いに来たと話し始めました
ご主人である羽川のストレスが無くなることは、ブラック羽川にとっても願ったり叶ったり
そもそも”怪異”とは合理主義なので、主人である羽川のストレスが原因で生み出されているのであれば、そのストレスを解消させてあげるのがブラック羽川の役目でもあります
であれば、それを解消してくれる忍を探すというのは至極当たり前の行動
阿良々木くんとしても、ブラック羽川の聴覚と嗅覚は頼りになるので、一緒に忍を探すことにしました
早速二人で忍を探し始めますが、その道中、ブラック羽川は”怪異という存在”について話し始めます
ここ最近、”怪異”と遭遇することが多かった阿良々木くんでしたが、ブラック羽川はそれによって”怪異”が日常化し、「いるのが当たり前」つまり「慣れあわれてはたまったものではない」と話します
俺らは、信じられ、怖れられ、怖がられ、疎まれ、奉られ、敬われ、嫌われ、忌まれ、願われにゃくてはにゃらにゃい――だからこそ存在しうるにゃん。慣れられるだにゃんて――とんでもにゃい。友達感覚で接しられたら、いい迷惑にゃ
そう話すブラック羽川の言葉に、阿良々木くんは「もしかして忍がいなくなった理由もそれなのか?」と質問しますが、ブラック羽川は「そんな深いことまではわからにゃい」と言います
そんな話をしながらも、忍を探していたブラック羽川でしたが、これだけ探しても全く匂いがしないことに疑問を感じていました
そこでブラック羽川は、阿良々木くんに現在の忍の吸血鬼性を確認します
もしも、現在の忍が消えたり、現れたり、影に隠れられたりしたら、さすがに見つけることが出来ない
そう話すブラック羽川に、阿良々木くんは「吸血鬼としての能力はほぼ発揮できない」と話し、「発揮できるとしたら僕が側にいる時だけだ」とも話します
それをブラック羽川は聞きつつも、忍を探すのは一筋縄ではいかないということを話し、そして、このまま忍が見つからない方が阿良々木くんにとって都合がいいのではないかとも話し始めました
羽川のストレスを解消させるために忍を探していますが、その件がなければ、忍がいなくなることで阿良々木くんは人間に戻ることが出来る
しかし、阿良々木くんはブラック羽川のその言葉に反発し、どれほど阿良々木くんにとって忍という存在が大きいものかを話しました
あいつが明日死ぬのなら、僕の命は明日まででいい
その言葉を聞いたブラック羽川は何かに納得しつつ、そして、忍に頼らずとも自分を奥に引っ込める方法があるということを話し始めます
ストレスの権化であるブラック羽川は、当然、そのストレスの原因を知っている
ストレスの原因が分かり、それを解消することが出来れば、忍に頼らずとも羽川を助けることが出来る
さらに、ブラック羽川は「お前なら簡単にこのストレスを解決できるにゃ」と話します
その意味が分からなかった阿良々木くんにブラック羽川は、羽川が抱えていたストレスを伝えます
いやにゃあ、人間。俺のご主人……
お前のことが、好きにゃんだにゃん
その言葉に驚く阿良々木くんに、ブラック羽川は続けて、ストレスの解決策を伝えます
だから、お前がご主人と恋仲ににゃってくれりゃあ、俺は引っ込むことが出来ると思うんだが――
ブラック羽川が語ったストレスの原因と解決策は、阿良々木くんに歩みだけじゃなく、思考をも停止させるほど、あまりに予想外の内容となりました
感想&解説
ついに明かされた羽川のストレスの原因!!
阿良々木くんへの恋心が、過剰なまでに羽川の心に負荷をかけていたというわけだったんですが、これがまた切ない……
阿良々木くんが戦場ヶ原と付き合う前ならまだしも、すでに彼氏彼女の関係性を築いていて”叶わぬ恋”だからというのもありますが、何が一番切ないってこの大切な想いを自分の口だけど自分が言っていないという複雑な部分ですよね
気持ちも羽川のものだし、声を出しているのも羽川ではあるんですが、その想いを告げたのはブラック羽川
他人のようでいて他人じゃない”裏面”の部分だからこそ、自分のことだけど他人事のように話し、それが”好き”という告白というのが中々に重い
しかもこれ、軽い気持ちとかだったならまだしも、わずか1ヶ月で17年間溜め込んでいたストレスに匹敵するほどのストレスになるほどの本気の想い
羽川だからこそ、その想いを伝えられなかった理由というのもあったんですが、それにしてもこの結末は悲しくなりましたね
そしてここでは解説を一つと裏話を一つ
まず解説ですが、ブラック羽川が”怪異”という存在を話す時に「怖」「奉」「願」などの文字が出てくるシーンについて
この演出方法に関しては、恒例ともなっているような文字演出ですが、実はそれらはコンテの段階からすでに入れられる箇所が決められています
しかし、ここのシーンに関しては、編集の段階で入れられた文字演出となっており、その段階で入れられたのは全話通してここだけらしいです
この解説はアニメコンプリートガイドブックに載っているんですが、少し意外な部分でした
あくまで完成品しか分からないので、元々はどんな映像にするつもりだったのかは分かりませんが、そもそも文字演出自体、最初から入れる場所が決められていたというのに驚き
この作品をアニメ化するにあたって、文字表現の重要性は知っていましたが、どの文字をどこに入れるかまで決めていたという事実は、その徹底性をも裏付けるくらい感心してしまう解説でしたね
次に裏話ですが、ここではブラック羽川の「にゃ」というセリフについての裏話になります
ブラック羽川の喋り方は、語尾に「にゃ」や「にゃん」が付くだけじゃなく、「な」が「にゃ」になるという変わった喋り方
実はこの喋り方になった経緯ですが、もはやブラック羽川名物と言っても過言ではない「にゃにゃめ~」の早口言葉がキッカケだったとアニメコンプリートガイドブックのインタビューで西尾先生は語られています
「にゃ」問題について裏話をすると、最初は語尾に「にゃ」とか「にゃん」とか付けるだけで十分猫っぽくなるから、それだけでいいかなと思ったんです。ところがアニメやドラマCDでもしゃべっていただいた「にゃにゃめ~」というフレーズを思いついてしまったので、そこから「な」を全部「にゃ」にせざるを得なくなったんです。
『化物語』アニメコンプリートガイドブック「つばさキャット」 西尾維新×堀江由衣インタビューより
結末は決めず、書きながら物語を作っていく西尾先生らしい理由w
確かに、多くの作品に登場する猫キャラもそうですが、基本的には語尾に「にゃ」などを付けるだけで特に違和感なく”猫”としての属性が認識できているので、問題無いといえば問題ないんだと思います
ただ、この一風変わった喋り方を取り入れたことで、他の猫キャラにはない印象的な猫キャラクターとして強烈に記憶に残るようにもなったと思います
そういった意味では、西尾先生のこの思いつきは、かなりファインプレーだったのではないかなと個人的には感じています
まあ、声優殺しのセリフではありますがね(笑)
そんなブラック羽川の声を担当された声優・堀江由衣さんですが、このブラック羽川の声をやられていた当時は、しばらくの間、考え事をする時に頭の中で「な」が全部「にゃ」になるという現象に見舞われていたらしいですw
そして、実は堀江さんにもこの「にゃ」のセリフで裏話があります
これは「つばさキャット」の”あとがたり”で語られている内容なんですが、このブラック羽川を演じたのはアニメが最初ではなく、ドラマCD『佰物語』が最初になります
学校にまつわる物語を阿良々木くんを中心に各キャラと話をしていく内容になるんですが、その最後の物語の時にブラック羽川が登場します
その登場の際に、最後の締めとして阿良々木くんがブラック羽川に「にゃにゃめ~」の早口言葉を言わせるんですが、実はその早口言葉を収録する時に堀江さんはどういう風に演じるかを聞き忘れてしまい、そのままの流れで収録したらしいです
もちろん、原作の内容を踏まえて、「猫がしゃべったらこんな感じかな?」と言うので猫の口を意識したり、”猫並みの知能”という小説内で語られるニュアンスから”強い”というイメージを出さないように演技したなどといったことはあったそうですが、基本的には感じたままで演技した結果、それがOKだったらしいですね
聞いてても全く違和感の無いどころか、「これで正解では?」と思える名演技!
元々、羽川翼という役にピッタリ過ぎるくらいピッタリな堀江由衣さんですが、自身のイメージが原作のイメージと一致してしまう辺りもまた、ベストキャスティングだったんだなと思いましたね(堀江さんの実力の高さもあると思いますが)
ちなみに、堀江さんが「にゃ」のセリフについて語っている”あとがたり”に関しては、公式サイトにアップされている編集版でも聞くことが出来ます
だいたい『12:52』くらいから語られますので、興味がある方は是非!
まとめ
化物語の第14話『つばさキャット 其ノ肆』の感想と解説でした!
忍の家出のみならず、ブラック羽川が語る羽川翼の恋心など、阿良々木くんにとって衝撃的な内容が立て続けに起きていった今回の話
様々な事象が起きながらも、これをどう収拾を付けていくのか?
次回が見物の1話ともなっていましたね
そんな見物の次回は遂に最終回!!
波乱と混乱から始まるエピソード『つばさキャット 其ノ伍』になります
忍野メメの不自然な態度の原因は、忍野忍の家出だった。八九寺、神原、千石らとともに忍を探す阿良々木だが、どうしても見つけることができない。途方にくれる阿良々木の前に現れたのは……
『化物語』西尾維新アニメプロジェクト公式サイトより
公式サイトの次回予告の内容は今回の14話の内容になっていますので、私なりにまとめた次回の内容を紹介しておきます
羽川翼の想いを知った阿良々木暦。その告白に衝撃を受けながらも、阿良々木暦は自身の想いをブラック羽川に告げる。それを聞いたブラック羽川は、付き合う以外で自身を引っ込める『第二の提案』を持ちかけるのだが……
彼ら彼女らの”怪異”にまつわる「青春怪異譚」、堂々完結!
ブラック羽川が持ちかけた『第二の提案』
これがまた”怪異”らしい提案であり、慣れあうことを嫌ったブラック羽川らしい強硬策でした
この行動が、世界の未来を変えるかもしれない行動だったとも知らずに……
その辺りの詳しい解説などは次回していきますが、兎にも角にも次回が『化物語』の最終回!
彼ら彼女らの「青春怪異譚」を最後まで是非見届けてくださいね!
それでは今回はこの辺で!
また会いましょう