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化物語 3話『まよいマイマイ 其ノ壹』感想&解説!「見せる」会話劇の本領発揮!!

どうもウハルです!

今回は化物語の第3話『まよいマイマイ 其ノ壹』の感想と解説を語っていきます!

ついに阿良々木くんのベストパートナー(だと個人的に思っている)八九寺真宵の登場回!

初回から見せてくる軽快なやり取りや問題シーン連発のやり取りなど、やはりこの二人は見ていて飽きないですねw

そして、この『まよいマイマイ』は至る所に伏線が張られた見所満載のエピソード!

ネタバレ回避のために今回の感想&解説記事では詳しくは語りませんが、この「まよいマイマイ 其ノ壹」でも数々の伏線が張られています

なので、今後の阿良々木くんと八九寺の掛け合いもそうですが、エピソード内で貼られた伏線がどこでどのように生きてくるのかも注目しながら楽しんで頂きたいですね!

ということで、今回は『化物語』の第3話「まよいマイマイ 其ノ壹」の感想と解説を語っていきたいと思います

なお、感想に関しては2023年4月からの再放送をベースにして書かせていただいており、私自身はすでに《物語シリーズ》全編視聴済みの状態で書かせていただいております

基本的には今話以降のネタバレは無しで書かせて頂いているんですが、今回は少し伏線の解説をしているので微ネタバレしていますので、お気をつけ下さい

また、解説に関しては原作や関連書籍などから「より『化物語』を楽しめそうだ」と感じたものをチョイスして解説していきます

そして、『化物語』の最初のエピソード「ひたぎクラブ」に関しても同様な形で感想と解説を語っていますので興味がある方は是非!

最後に、《物語シリーズ》に関しては、アニメ&原作のまとめ記事も書いていますので「続きを知りたい!」「原作に触れてみたい!」という方は是非参考にしてみて下さいね

化物語 第3話 あらすじ

第3話『まよいマイマイ 其ノ壹』

母の日に妹と諍いを起こした阿良々木暦は、家に居づらくなり、一人見知らぬ公園でたたずむ。偶然その場を通りかかった戦場ヶ原ひたぎは、暴言とともに、阿良々木にとある申し出をする。

『化物語』西尾維新アニメプロジェクト公式サイトより

オープニング「帰り道」

歌い手八九寺真宵(加藤英美里)
作詞meg rock
作曲・編曲神前暁

軽快で明るい曲調が印象的な「帰り道」

円盤や動画配信では「まよいマイマイ」全話でOP映像が流れますが、放送版は尺の都合で1話しか流れないこの映像

全体的にテンポが速い曲なんですが、これに関しては作詞のmeg rockさんも作曲の神前さんも速いとは感じてはいたそうですね(笑)

ただ、神前さんは過去に加藤英美里さんが出演していた『らき☆すた』で曲を作っていて、その時に歌えていたから今回も大丈夫だろうと思ったみたいです

――全体的に早口ですよね。
無茶なくらい早口です(笑)。真宵役の加藤英美里さんには以前『らき☆すた』でも曲を作ったことがあるので「できるだろう」と(笑)。実際に、本人が「無茶ですよ」と言っていたわりには、収録はつるっといけましたよ。

『化物語』アニメコンプリートガイドブック「なでこスネイク」神前暁インタビューより一部引用

歌詞の部分に関しては、サビが真宵らしいと思いながら聞いていたんですが、これは真宵の年齢を考えて作詞されていたみたいです

サビは真宵の年齢的なところも考えて、例えば童謡だとか小学校の音楽の授業で歌いそうな、シンプルな言葉を選びました。

『化物語』アニメコンプリートガイドブック「なでこスネイク」meg rockインタビューより一部引用

そして、この曲でかなりインパクトが強いのがそのOP映像

登場人数はかなり多いものの、それが全て真宵という映像は面白い演出でしたね

これに関しては、シリーズディレクターの尾石達也さんのこだわりだったようで、コンテの段階ではクラスメイトもバスの乗客もモブキャラクターがいたそうなんですが、モブがほぼ登場しない『化物語』という作品の世界観を徹底するために全て真宵という方向性にしたそうです

その提案に対して、オープニングディレクターの板垣伸さんは「それいいですね!」とノリノリだった様子(笑)

この映像制作の全てのベクトルは「真宵を可愛く!」だけだったみたいで、全て真宵と決まってからはアドリブなどもどんどん入れていったらしいです

そのアドリブ箇所もインタビューで少し語られているんですが、冒頭の腰を振って3体に分身したり、顔を上げるアクションを3回にしたところだったり、迷子の真宵を空から別の真宵が見下ろすカットなどはそのアドリブだった様子

言われると「あそこか!」って分かるくらい印象に残っているカットがアドリブで入れた所だったみたいなので、これを知った時はかなり驚きましたね

そして、戦場ヶ原に引き続き、自分で自分をベタ褒めするキャラクター八九寺真宵

八九寺は結構その場のノリみたいなテンションで自分の歌を褒めることが多いので、結構聞いていて楽しかったりするんですが、その分、相手役の人は手綱を握るのはかなり難しいみたいですね(笑)

今回の相手の羽川も真宵の暴走に振り回されっ放しだった印象がありますw

八「あーもう!このオープニングだけで既に見る価値が生じますよね、この映像作品!誰なんですかこのお尻振ってるかわいい女の子は……ってわたしでしたーっ!」
羽「そのテンションで一時間半、本当に持つの?」
八「え?わたしはいつもこうですよ?」
羽「そうなんだ……」
八「基本、このオープニングと同じノリで、日々を生きています」
羽「心配な人生だね」

「まよいマイマイ 其ノ壹」キャラクターコメンタリーより

実際、このノリで約一時間半オーディオコメンタリーが続いたというミラクル(笑)

本編でもですが、キャラコメでも八九寺がいる時は結構明るい雰囲気が展開されていくので、物語シリーズにおいて欠かせないキャラだと改めて実感します

原作だとどの範囲?

化物語(上) まよいマイマイ001~003

原作小説だと「まよいマイマイ」は全9章で構成されています

アニメの方では全3話の構成になりますので、大体『3章分=1話』の構成ですね

ただ、元々この「まよいマイマイ」も2話構成の予定だったそうです

このエピソードの場合、阿良々木くんと八九寺の掛け合いが原作でもかなりの割合を占めている且つ、掛け合いが『化物語』の特徴でもあるため、3話構成へと変更したみたいですね

  • 朗読:神谷浩史
  • 再生時間
    • 001:8分19秒
    • 002:53分37秒
    • 003:27分4秒

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ダウンロードすればオフラインで聴き放題だったり、《物語シリーズ》作品に関しては出演キャストが朗読してくれたりと、好きな時に好きな場所で好きな声を聞きながら作品を楽しむことが出来ます

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化物語 第3話『まよいマイマイ 其ノ壹』感想&解説

母の日

5月14日、日曜日、母の日

気の向くままにマウンテンバイクを走らせていたら、見たことも聞いたこともなかった公園に辿り着いた阿良々木くん

浪白公園

「ろうはく」と読むのか「なみしろ」と読むのかさえ分からないその公園のベンチで、彼はただ空を見上げていました

結構広い公園ながらも、阿良々木くん以外誰一人としていないその公園の光景は、まるで自分一人しか世界にいないような感覚にさせられていましたが、ふと公園の端のところにある案内板を見てみると一人の小学生くらいの女子が立っていました

しかし、その女の子は案内図をしばらく見た後、その場を去ってしまい、また阿良々木くんは一人になります

――兄ちゃんは、そんなことだから

再び一人になった瞬間に思い出される妹の言葉

家を飛び出した時に言われたその言葉は、空から地面へと目を向けさせるには十分なくらい、暗い気持ちになるのでした

感想&解説

阿良々木くんの語りから始まるアバンパート

ここで”浪白公園”が登場しますが、ここの描写は原作とアニメでかなり差がある部分になります

というのも、原作だと阿良々木くんは「結構広い公園」とは語っているものの、そう感じる理由は「遊具が少ないからだ」とも語っているんですよね

結構広い公園だった。といっても、それは単純に、遊具が少ないせいでそう感じるだけなのだろう。広く見えているだけなのだ。端っこの方にブランコと、猫の額ほどの砂場があるだけで、他には、シーソーもなければジャングルジムもない、滑り台すらない。

『化物語』(上) まよいマイマイより

アニメだと、阿良々木くんが語っていた遊具は全てありますし、どころかそれがピンポイントで描かれているくらいです

それ以外にも多種多様な遊具が登場するこの公園ですが、これは会話劇を「見せる」ための舞台としてフル活用出来る公園にするため

この公園の設定は、絵コンテ担当の武内宣之さんがコンテを切りながら考えた設定です

蕩れ

「あらあら、これはこれは。犬の死体が捨てられていると思ったら、なんだ、阿良々木くんじゃないの」

奇妙な挨拶が聞こえてきたので顔を上げると、そこにいたのは戦場ヶ原ひたぎ

犬の死体呼ばわりに文句を言おうかと思ったものの、戦場ヶ原の私服姿や髪をポニーテイルにしている姿を見て思わず言葉が引っ込んでしまいました

私服自体はこの前の一件で一度見ているものの、その時とは違って胸が強調された上半身のコーディネート、キュロットの丈、黒いストッキングなど以前とは大分印象が変わっていました

固まっている姿の阿良々木くんを見た戦場ヶ原は、「私の私服姿に見蕩れちゃって至福の瞬間ということ?」というダジャレを言いつつ、さらに”蕩れ”の凄さについて語り始めます

それにしても、見蕩れるの蕩れるって、すごい言葉よね。知ってる?草冠に湯って書くのよ。私の中では、草冠に明るいの、萌えの更に一段階上を行く、次世代を担うセンシティヴな言葉として、期待が集まっているわ。メイド蕩れー、とか、猫耳蕩れー、とか、そんなこと言っちゃったりして

さらに、今着ている服は昨日買ったばかりのもので、出来れば阿良々木くんに一番最初に見て欲しかったとも話します

と、服の話をしながらも、そもそも阿良々木くんがなぜここにいるのかや戦場ヶ原がここにいるのかの話になります

阿良々木くんはとりあえず「ツーリング」と答え、戦場ヶ原は「服の慣らし」と答えます

さらに、戦場ヶ原は元々この辺りは自身の縄張りであったことも話ました

そして、当時とは大分変わってしまったことも

そんな話をしつつ一旦切り上げ、「もっとあなたとお話がしたいわ」と阿良々木くんの隣に座る戦場ヶ原

肩が触れ合うほどの距離で座られた阿良々木くんは、その近さにドキドキしてしまうのでした

感想&解説

この『化物語』のお約束ではありますが、前のエピソードのヒロインが次のエピソードの最初に登場してきます

なので、今回の「まよいマイマイ」では、「ひたぎクラブ」のヒロインである戦場ヶ原が登場しているという訳ですね

にしても、彼女の”ツン”は蟹との一件が解決しても健在(笑)

出だしから阿良々木くんを犬の死体呼ばわりしている時点で、かなり面白かったですねw

そして、彼女の名言の一つ”蕩れ”

正直、よくもまあこんなこと思いつくよなと思っていましたが、この言葉がまた今後に関係してくるとは夢にも思ってませんでしたよね

ちなみにですが、私服姿を見た阿良々木くんの視線が戦場ヶ原の胸元に行ったり、視点がお尻に行ったりしているのは、ついつい目が行ってしまう阿良々木くんの心境を表しているものです

分かりやすい表情をしているシーンもありますが、会話の流れや阿良々木くんのツッコミの感じ的に分かりにくい部分もあったりするんですよね

これに関しては、「見せる」演出としての一環なんだと感じました

願いごとを一つ叶えてあげる

阿良々木くんの隣に座った戦場ヶ原は、改めてこの前のお礼が言いたいと話し始めます

そんな戦場ヶ原に対して、阿良々木くんは特に恩を感じる必要はないと話しますが、それでも戦場ヶ原はやめず、どころかどんどん近づいてくる

戦場ヶ原との距離の近さやシチュエーション的に、これから告白されるのではないかと考えてしまいましたが、その後に戦場ヶ原から飛び出した「友達」というワードで少し落ち込んでしまう自分がいました

そんな阿良々木くんはさておいて、戦場ヶ原はそのお礼の為に、阿良々木くんの願い事をなんでも一つだけ叶えてあげると言い始めます

ちなみに、戦場ヶ原が阿良々木くんに提示した願いごとの例としてはこんな感じです

  • 世界征服
  • 永遠の命
  • これから地球にやってくるサイヤ人を倒す
  • 一週間語尾に「にゅ」とつけて会話する
  • 一週間下着を着用せずに授業を受ける
  • 一週間毎朝裸エプロンで起こしに行く
  • 一週間浣腸ダイエットに付き合う

この願いごとの数々に、突拍子もない願いごとは冗談だとしても、エロ方面の願いごとに関しては、仮に成立してしまったら今後の友情関係が成り立たなくなると阿良々木くんは戦場ヶ原に話します

それに対して戦場ヶ原は素直に聞き入れつつ、そもそも阿良々木くんがエロ方面の願いごとはしないと思っていた上で、これらの願いごとを提示していました

その信用振りに嬉しくなる阿良々木くんですが、続く戦場ヶ原の「童貞はがっついてないから」という言葉にガッカリします

ただ、経験の有無に関しては自分だけじゃなく、戦場ヶ原も同じだと思っていた阿良々木くんはそのことを聞いてみると、彼女は経験済みだとのこと

しかも、経験豊富だと豪語しますが、そんなことを言われたところで戸惑ってしまうのが正直なところ

素直にそれを伝えたところ、少し恥ずかしくなった戦場ヶ原は素直に経験はないことを話しました

そして、そのまま彼女は毅然としたまま阿良々木くんに人差し指を向けてこう言い放ちます

つまり!阿良々木くんみたいないかさない童貞野郎と話してくれる女の子なんて、精々私のような行き遅れのメンヘル処女しかいないということよ!

その言葉に、返す言葉も見当たらない阿良々木くんなのでした

感想&解説

会話劇の魅力が存分に発揮されているAパート!

繰り広げられている光景はただの会話のみなのにもかかわらず、公園の遊具だったり二人の表情だったり首傾げ過ぎな戦場ヶ原だったりと見て楽しめる演出も存分に散りばめられていたからこそ成立しているパートでしたね

そして、まさかのメンヘル処女のセリフでCMに行くというインパクト(笑)

これ別に原作でここで章が切れているとかではないので、製作スタッフ側のタイミングではあるんですが、もの凄いところでぶった切りましたよねw

まあ、この後の尺や展開を考えると妥当な気もしますけどね(笑)

ちなみ、このシーンで登場した『ドラゴンボール』ネタですが、脚本の第一稿の段階ではカットされていたんですが、「逃げたと思われたくない」という理由から加えられたそうです

今後もシリーズを通してパロディネタは多く登場してきますが、アニメ化にあたって、原作に登場するネタの禁止や自粛は特になく、尺に入るか入らないかなどで決まっていたみたいです

また、メンヘル処女の言葉に対して言葉が無かった阿良々木くんですが、戦場ヶ原の貞操観念という意味では前回のエピソードで十分知っていたので、取り立てて追及しなかったというのもあります

まあ、戦場ヶ原の貞操観念の高さや身持ちの堅さみたいなものについては、実際のところ、先週、トラウマになるほどに痛感させてもらっているから、この件については、とりたてて深く追求しなくてもいいんだけれど。

『化物語』(上) まよいマイマイより

実際、かなりの過去を持っており、それが原因の一つとなって重みを無くしたと言うのもあるので阿良々木くんのこの見立ても間違ってはいないんでしょうね

阿良々木くんの事情と戦場ヶ原の願いごと

「話が逸れたけれど…」と仕切り直す戦場ヶ原

ここまで色々言っては来たものの、阿良々木くんの力になりたいと思っているのは本当のことだと話します

その言葉が嘘ではないと分かっている阿良々木くんは、今悩んでいることの一つとして、そもそもこの公園にいた根本的な理由を話し始めます

その理由と言うのは、妹と喧嘩したから

母の日である今日、出来の悪い長男としては母親を祝い難く、こっそり家を抜け出そうとしたら妹に捕まって口論となり、そのまま家を飛び出してきた結果、今に至っていることを話しました

――兄ちゃんは、そんなことだから、いつまでたっても

そして、今悩んでいることと言うのはそれらが問題なのではなく、母の日一つ祝えない自分や妹に対して本気で腹を立ててしまっている自分に対しての矮小さだということも話します

さらに、そんな自分に腹立たしさを感じながらも、家に帰ったら妹に謝らなきゃならないことを考えると、家に帰りたくないとも思っている

その悩みの小ささに卑屈になる阿良々木くんの話を聞き終えた戦場ヶ原は、別段何かできるとは思わず、寧ろその器の小ささこそが阿良々木くんの魅力だと毒を吐きつつ、どんなに小さな人間でも見捨てたりしないし、付き合ってあげるとも話します

なので、人間の小ささ以外で他に悩みはないのかと質問する戦場ヶ原ですが、阿良々木くんとしては別に思いつかない

そこでまた、戦場ヶ原は欲しいものについての提案をしていきます

勉強を教えて欲しいとか、卒業したいとか、普通にしたいとか…

彼女が欲しいとか

最後の提案に思わず無言になり、聞き返してしまう阿良々木くんですが、その質問の意図が汲み取れず、「そういうのは別にないな」と返答します

そして、「まあ今度、ジュースでもおごってくれよ」と阿良々木くんは答え、戦場ヶ原は「無欲なのね」と答えながらも、小さな声で「本当に器が大きいわ」とまとめるように言いました

ちょっとした気まずさから正面を向いた阿良々木くんは、公園にあった案内図の方へと視線を向けます

するとそこには、大きなリュックサックを背負った一人の少女が立っていました

感想&解説

なんかもう、「阿良々木くん気づけよ!」と言いたくなるような展開ではありますが、戦場ヶ原の言い方や性格なども考えると致し方ないのかなとも思ってしまう(笑)

そもそも、阿良々木くん自身は「告白される?」と一瞬でも考えてはいますしね

そこから自意識過剰と判断し、結論付けてしまったことが気付かなかった要因でもあるんでしょうね(まあ、元々の鈍さも要因としてはありますが)

そして、このシーンで初めて火憐&月火”栂の木二中のファイヤーシスターズ”という通り名があることが明かされました

「予告では出てたかな?」と思いましたが、『化物語』の予告では基本的に名前しか言っていなかったので、本編での初登場はこのシーンからになりますね

このシーンでの解説に関しては演出面の解説を二つ

まず一つ目ですが、阿良々木くんが自宅を出る際に火憐に捕まって口論になった話をした時の回想シーン

ここでは実写の空が使われていますが、この空はシャフトの屋上で撮られたものです

3分おきにシャッターを切る作業をまる一日続けて素材を作ったそうなんですが、リテイクが入って、再びまる一日かけて撮り直したそうです

次に二つ目ですが、戦場ヶ原が阿良々木くんに欲しいものの提案をしているシーン

これに関しては気付いている方も多そうですが、このシーンでの心臓音は戦場ヶ原が映った時にしか鳴ってません

顔は普通ながらも、実際のところ戦場ヶ原の方が心臓はドキドキしていたと思わせるこの演出は、言葉に出来ない戦場ヶ原の気持ちを十二分に演出しているよう

しかも、どんどん音も大きくなっていくというのが最後の「彼女が欲しいとか」を言うまでの緊張感を表しているようでかなり好きな演出の一つです

蝸牛の迷子

案内板の前に立っているツインテールの小学生の女の子

この公園に来たときにも見たその女の子は、手に持っているメモと地図を見比べている様子から迷子だと思った阿良々木くんは、遠くから目を凝らしてリュックにかかれた名前を確認します

5の3 八九寺真宵

そう書いてあるのは見えたものの、漢字が読めなかった阿良々木くんは隣にいる戦場ヶ原に、看板の前にいる小学生が背負っているリュックに書かれている漢字の読み方を尋ねました

ただ、今いる場所から距離もかなり離れているためか戦場ヶ原からは「見えないわよ、そんなの」と言った答えが返ってきます

その返答に阿良々木くんは「あぁ、そうか」と納得します

昨日、吸血鬼の忍に血を飲ませてきたばかりの阿良々木くんは、現在、一時的に身体能力が向上していて、それは視力も例外ではない

普通の人には見えない距離でも見えてしまう今の阿良々木くんは、改めて名札に書かれている漢字を分かる範囲で説明します

その結果、戦場ヶ原から「はちくじ」と読むことを教えてもらい、フルネームは「はちくじ まよい」だと分かりました

名前が分かった阿良々木くんは、明らかに子供が好きってタイプではない戦場ヶ原にその場で待っててもらうように伝え、自身は八九寺の元へと近づいていき、なるべく気さくになるように声をかけました

その声に振り向いた八九寺は、まっすぐじっと阿良々木くんを見てこう言いました

話しかけないでください。あなたのことが嫌いです

その言葉に思いのほか傷ついた阿良々木くんは、戦場ヶ原のいるベンチに戻りますが、回復を待って再チャレンジ

再び声をかけますが、次は振り向きもせず、無視されます

またもや心にダメージを受け、ベンチに戻りますが、戦場ヶ原はそんな阿良々木くんが何をしていて、何がしたいのかよく分からない様子

「ほっとけ!」と半ばやけくそ気味に、再び八九寺の元へと近づいた阿良々木くんは、そのまま八九寺の頭を引っ叩きます

先ほどとは違い、やっと振り向いてくれた八九寺にまず謝罪をし、自分の名前を名乗った後に、困っているから助けてあげようとしていることを伝えます

その申し出に対して、ひたすら拒む八九寺でしたが、阿良々木くんも引き下がらない

話が平行線を辿っていた中、唐突に八九寺からのハイキックが阿良々木くんの脇腹に炸裂

それを喰らった阿良々木くんは八九寺の足を掴んでそのままの勢いで背負おうとしますが、その隙に八九寺は阿良々木くんの髪を掴んでそのまま頭に肘鉄を入れます

そして、そこから始まった大乱闘の末、阿良々木くんは八九寺に一本背負いを決め、地面で気絶している八九寺を見下ろしながらこう言い放ちます

「全く、馬鹿な奴め――小学生が高校生に勝てるとでも思ったか!ふははははははははは!」
小学生女子に本気で喧嘩をして、本気の一本背負いを決めた末に、本気で勝ち誇っている男子高校生の姿が、そこにはあった。
ていうか僕だった。

自分で自分にドン引きしている中、見ていられなくなって近寄って来たのか、戦場ヶ原が側に立っていました

怪訝そうに立っている戦場ヶ原に言い訳をしようと考えた阿良々木くんですが、当然出てくるわけもなく、仕切り直すように八九寺が迷子であることを説明し、地元である戦場ヶ原に八九寺の目的地まで案内してもらうことを思いつきます

そのまま気絶している八九寺を起こした阿良々木くんは、住所が書かれたメモを受け取り、戦場ヶ原に渡そうとしますが、戦場ヶ原は受け取らない

阿「なんだよ。受け取れよ」
戦「……なんだかあなたには触りたくないわね」
阿「メモを受け取るだけだろうが」
戦「あなたが触ったものにも触りたくないわ」

どうやら戦場ヶ原に嫌われてしまった様子でしたが、阿良々木くんはそのままメモに書かれた住所を読み上げました

すると、戦場ヶ原はその住所の大体の位置が分かるらしく、その場所へ案内するために歩き始めました

それについていく為に、八九寺に声をかけ、一緒に連れて行こうとしますが、八九寺の様子が少しおかしい

その様子を見た阿良々木くんは「お前迷子なんじゃないのか?」と聞くと、八九寺はそれを肯定した上で、続けてこうも言っていきました

”いえ、迷子です。蝸牛の、迷子です”

唐突に《蝸牛》(かたつむり)というワードが出てきたことに疑問を感じましたが、八九寺は「なんでもありません」とそのまま顔を背けるのでした

そして、話は「まよいマイマイ 其ノ貮」へと続きます

感想&解説

八九寺真宵の初登場!

なんか問題になりそうなシーンの連発でしたが、やはり阿良々木くんと八九寺の掛け合いは軽快で面白いですね(笑)

そして、出会った当初から阿良々木くんは八九寺を前にするとキャラが崩壊していて、それもまた面白いですw

ノリという意味合いでは二人の息は本当にピッタリなベストパートナーだなと感じますね

そして、このシーンに関しては、解説を二つと原作にはあるもののアニメでカットされていた面白い阿良々木くんと八九寺のやり取りを一つ紹介したいなと思います

まずは解説

一つ目は、阿良々木くんと八九寺が喧嘩をしているシーン

ここに関してはアニメ化するにあたって気を使った場面みたいで、暴力的に見えないように、あえてコミカルな表現にして痛々しくしないように描いた場面になります

また、阿良々木くんを嫌われないキャラにするためにコミカルに描いていたという意図もあったみたいです

二つ目は、最後に阿良々木くんの瞳に映っていた八九寺の影がぐるぐると回っているシーン

このぐるぐると回っている演出に関しては、蝸牛を意識してのことです

そして、この演出は今回に限らず、今後も「まよいマイマイ」で使われていく演出になるので、少し注目しながら見ていくと面白いかもしれませんね

次に、アニメでカットされていた面白い阿良々木くんと八九寺のやり取りですが、厳密にいえば、アニメで描かれてはいるものの、それには続きがあったというのが正解かもしれません

その箇所と言うのは、阿良々木くんのことを何と呼べばいいのかのクダリの後

八九寺が「阿良々木さんのことが嫌いです」と言った後のやり取りが、言葉遊び満載であり、軽快であり、上手いなと感じた部分だったので、この機会に紹介させていただきますね

八「わたし、阿良々木さんのことが嫌いです」
阿「…………」
  何一つ改善されていなかった。
八「臭いですっ!近寄らないでくださいっ!」
阿「女臭いより酷くなった!?」
八「む……確かに、いくらなんでもただ臭いとは、酷い形容だったかもしれません。訂正しましょう」
阿「ああ、してくれるもんなら」
八「水臭いですっ!近寄らないでくださいっ!」
阿「意味が前後で支離滅裂だ!」
八「なんでも構いませんっ!迅速にどっか行っちゃってくださいっ!」
阿「いや……だから、お前、迷子なんだろ?」
八「この程度の事態、わたしは全く平気ですっ!この程度の困りごとには、慣れっこなんですっ!わたしにとってはとっても普通のことですっ!わたし、トラベルメイカーですからっ!」
阿「旅行代理店勤務だと!?その歳でか!?」

『化物語』(上) まよいマイマイより

「まよいマイマイ 其ノ壹」を見た方は分かると思いますが、このやり取りはまだ二人が出会って間もない頃のやり取りなんですよね(笑)

八九寺の間違え方も絶妙ですが、それに的確にツッコミを入れていく阿良々木くんの技術ももの凄いw

私はアニメから原作に手を出したタイプになるんですが、阿良々木くんと八九寺のやり取りに関しては、結構カットされている部分が多かったので、二人の掛け合いは原作小説を読んでてかなり楽しめた点の一つですね

まとめ

出演・声の出演:斎藤千和, 出演・声の出演:神谷浩史, 出演・声の出演:加藤英美里, 出演・声の出演:花澤香菜, 出演・声の出演:堀江由衣, 監督:新房昭之

化物語 第3話『まよいマイマイ 其ノ壱』の感想と解説でした!

ほとんど話が進まないAパートから小学生の女の子に一本背負いを決めて勝ち誇る男子高校生が描かれたBパートなど他の作品では中々見ることが出来ない内容は、何度見ても新鮮で面白いですねw

会話劇としての面白さもありますが、各キャラの個性ををうまく活かしている”阿良々木暦”という主人公がいるからこそ、どのキャラも愛されやすいキャラとして成り立っている気がします

まあ、逆に言うと、彼がいるからこそ話が進まないというのもあるんですけどね(笑)(彼、楽しいおしゃべり好きなのでw)

また、公園の遊具やちょっとした阿良々木くんの視点などの演出で、アニメ化不可能と言われた『化物語』という作品をいかに「見せる」かという点にこだわった演出の数々も光っていて良かったです

今後も、様々な演出で「見せて」くれるので、引き続き楽しんでいきましょう!

そして次回は『化物語』第4話「まよいマイマイ 其ノ貮」

阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎが公園で出会った少女、八九寺真宵。
迷子になり目的地にたどり着けないという彼女を、戦場ヶ原ひたぎと共に送り届けようとする阿良々木だが――。

『化物語』西尾維新アニメプロジェクト公式サイトより

阿良々木くんは無事に迷子の女の子・八九寺真宵を送り届けることが出来るのか?

そして、八九寺が言う《蝸牛》とはどういうことなのか?

その辺りも含めて、4話をお楽しみください!

それでは今回はこの辺で!

また会いましょう

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