どうもウハルです
今回は化物語の第11話『つばさキャット 其ノ壹』の感想と解説を語っていきます!
ついに委員長の中の委員長であり、阿良々木くんの大恩人でもある羽川翼がメインの『つばさキャット』篇に突入!
羽川の身に起きていた頭痛の正体、そしてゴールデンウィークの出来事が語られる今回の話は、『化物語』に於いて最長話数のエピソードとなります
その話数に恥じない深く重いストーリーもさることながら、これまでのエピソードがあったからこそ成長し、変化していった阿良々木くんの姿や各ヒロインたちとの繋がりがこのエピソードに集約していく内容は、まさに『化物語』の集大成!
「つばさキャット 其ノ壹」はそのプロローグとなっていますが、羽川の家庭環境や《ブラック羽川》の登場など、この段階からかなりの情報量が詰め込まれているので見所満載の1話となっていました
そんな化物語の第11話『つばさキャット 其ノ壹』の感想と解説をしていきたいと思います
ちなみに、感想に関しては2023年4月からの再放送をベースにして書かせていただいており、私自身はすでに《物語シリーズ》全編視聴済みの状態で書かせていただいております
そして、『化物語』の感想&解説に関しては「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」も書いていますので、興味がある方は是非!
最後に、《物語シリーズ》に関しては、アニメ&原作のまとめ記事も書いています
なので、「続きを知りたい!」や「原作に触れてみたい!」という方は是非参考にしてみて下さいね
化物語 第11話 あらすじ
第11話『つばさキャット 其ノ壹』
校門前で、この間のお礼に来たという千石撫子とマニアックな会話を繰り広げる阿良々木暦。そこに、羽川翼が通りかかるが、彼女は急に頭痛を訴える。
『化物語』西尾維新アニメプロジェクト公式サイトより
オープニングテーマ「sugar sweet nightmare」
歌手 | 羽川翼(堀江由衣) |
作詞 | meg rock |
作曲・編曲 | 神前暁 |
数多の楽曲で癒しを与えてくれた堀江由衣さんが演じる羽川翼が歌うこちらの楽曲
今回の「sugar sweet nightmare」に関しては映像や曲調的に癒しの雰囲気はありませんが、決して誰にも見せない羽川の”心の闇”がよく表現されているように感じて、映像も含めて好きな一曲ですね
そして、やっぱり堀江由衣さんは歌が上手い!
グッと引き込まれるような歌声は、この曲でも存分に発揮されていました
堀江さんはこの曲を収録する際、ご自身でセルフディレクションをしてしまうほどだったらしく、作詞担当のmeg rockさんは「ディレクターいらずな感じでした(笑)」とアニメコンプリートガイドブックのインタビューでも話されていましたね
そして、この「sugar sweet nightmare」ですが、meg rockさんも作曲の神前暁さんも『化物語』の前のエピソード『傷物語』から大きくインスピレーションを受けています
印象としては、『傷物語』を読んでいなければこの曲は出来てなかったんじゃないかなとインタビューを読みながら思ったほどです
まずはmeg rockさんのインタビューをご紹介
『傷物語』を読むべきか悩んだんですよ。今回は『化物語』の曲なので、知らない方がいいのかなって、あえて読んでいなかったんです。でも別の方から「『傷物語』を読むと、翼の印象が変わりますよ」と言われ、好奇心に負けて(笑)、あと時系列的に『化物語』以前の話だからいっか、なんて読んでしまいました。今となっては読んでよかったですね。自分の中の翼像が180度変わりました。暦像も変わりましたけど(笑)。『傷物語』を読んでいなかったら、翼もある意味とらえどころがないままだったと思うんです。
『化物語』アニメコンプリートガイドブック「なでこスネイク」meg rockインタビューより一部引用
次に神前さんのインタビュー
翼は普通に考えると正統派なポップスになるので、ひたぎと同じになってしまう、というところで悩んでしまって。最終的には『化物語』だけでなく、『傷物語』の翼も踏まえて、彼女が抱えている暗い部分にフォーカスしたんですが、そこに辿り着くまでが大変でした。
『化物語』アニメコンプリートガイドブック「なでこスネイク」神前暁インタビューより一部引用
過去があるから現在があるように、『傷物語』があったからこそ『化物語』がある
主人公という立ち位置の阿良々木くんもそうですが、羽川翼というキャラクターも彼女がいなければ成立しないほどこの作品に於いてキーとなっているキャラでもあるので、『化物語』という作品内での少ない登場シーンでは、meg rockさんが仰っていたように、掴み切れない部分が多かったんでしょうね
また、作詞の部分でmeg rockさんが語られていますが、他の4曲には”笑顔”という言葉が出てくるんですが、この曲には”笑顔”という言葉が出てこないと語られていました
これは意図的に入れていたわけではなく、無意識的に入れていたみたいなんですが、「sugar sweet nightmare」で”笑顔”を入れなかった理由をインタビューで語られています
どの曲も、普段の暦とのやりとりなどではあまり表に出ていない、それぞれの本音みたいな部分を歌詞にできたらいいなぁとは思ってたんですが、そういう意味でも、普段は笑顔というポーカーフェイスな印象もある翼のこの歌詞にやっぱり”笑顔”は出てこないのかもしれませんね。
『化物語』アニメコンプリートガイドブック「なでこスネイク」meg rockインタビューより一部引用
受け手の印象というのは人それぞれではありますが、meg rockさんが感じた”羽川翼”というキャラクターは、他のキャラとは違う受け取り方なんだなと個人的に感じたインタビューでした
そして、この楽曲の他とは違う点ですが、アニメ版と実写版の2種類のOP映像があるという点
『なでこスネイク』で登場した「恋愛サーキュレーション」も帽子の有無で2パターン映像がありましたが、この「sugar sweet nightmare」に関しては完全に別物と言って良いほど違う映像となっていました
映像は実写版とアニメ版の2種類ありますが、これにはそれぞれテーマみたいなものがあったようですね
まずは実写版
実写の方は60年代のアングラな感じをやりたいなと思って、シネスコのモノクロっぽい映像というイメージです。裸の上に路線図があるのは、つげ義春の『やなぎ屋主人』という短編の冒頭で、裸の女が自分の体を指差しながら「ここが東京タワー、ここが汐留芝離宮」と説明するくだりから発想しています。
『化物語』アニメコンプリートガイドブック「つばさキャット」尾石達也インタビューより一部引用
つぎにアニメ版です
猫だからということで、『キャッツ・アイ』のOPが頭にあったんです。第2期の「デリンジャー」という曲のOPがすごくエロイんですよ。ヒロインがハイレグの薄いレオタードを着て、四つんばいでお尻を突き出していたり、後ろを振りかえって親指を口に当てたり。サビに行く前の短いブリッジの「チャッチャッチャッチャッ♪」というところで、股間に手を這わせてもだえている画もあるんです。小学生か中学生くらいのころに見て衝撃だったので、そのオマージュがアニメバージョンの「つばさキャット」のOPに入っています。ただ出だしの、羽川の髪が両側に流れているカットは、2期ではなく1期『キャッツ・アイ』からのイメージです。
『化物語』アニメコンプリートガイドブック「つばさキャット」尾石達也インタビューより一部引用
私自身、『キャッツ・アイ』に詳しいわけではないですが、1期のOP映像ではタイトルバックで一瞬だけキャラクターの髪が消えて坊主になるという有名なミスがあるそうなんですが、そのパロディーとして羽川も一瞬だけ坊主にするつもりだったらしく、画も用意していたらしいです(笑)
ただ、尾石さん自身が作っている内に羽川に思い入れが強くなってしまって、結局やめたらしいですけどね
ちなみにですが、その有名なシーンを知らなかったので、配信されているアニメのOPを見てみたら、「これか!」って分かるくらい一瞬でしたが禿げてましたw
自分はU-NEXTで見たんですが、1期『キャッツ・アイ』の1話のOPでそれが確認できたので、気になった人は見てみても良いかもしれませんね(Amazonプライムで見てみたら確認できませんでした)
余談ですが、「これ修正されたのか?」と気になって2話、20話、36話とOPのタイトルバック部分だけ見てみましたが、全部禿げてたので1期は全話これで行ったんですかね(笑)
- U-NEXT:配信中
そして、最後に裏話
この映像ですが、実は放送当時はまだ完成していませんでしたw
11話&12話放送時点で完成していないというのもそうなんですが、なんならDVD&ブルーレイ第4巻特典のキャラクターコメンタリー収録時点ですら完成していなかったという驚愕の事実(笑)
これについては12話を除いて、『化物語』のブルーレイ&DVDの第五巻収録分の「つばさキャット 其ノ壹」のキャラコメ担当である羽川&千石、「つばさキャット 其ノ參」の担当の羽川&八九寺が戸惑いながらコメンタリーをしてましたね
千「羽川さんのエピソードだから、オープニングは羽川さんが歌ってるんだよね……って、あれ?」
「つばさキャット 其ノ壹」キャラクターコメンタリーより
羽「…………」
千「あれ?あれ?おかしいな?」
羽「えーっと。みなさまには、一体今、千石ちゃんが何に対してどういう理由で戸惑っているのかちんぷんかんぷんだろうと思いますので、ここは説明させてください。今、みなさまがご覧になっている画面では、恐らく私の歌うオープニングテーマ『シュガースイートナイトメア』が、素晴らしい映像と共に流れているはずです。が、しかし、私と千石ちゃんの手前に設置されたモニターには、その映像は流れておりません」
千「タイムキャラクターの回転が空しいよ。どうしてこんなことになっちゃったの?」
羽「どうしてもこうしても。この副音声収録が行われている今日現在、『つばさキャット』のオープニング映像って、まだ放映どころか制作もされてないんだよ」
千「あ、そもそもモノがないんだね」
羽「私はこの現象を、八九寺Pの圧力って呼んでるんだあ。今見てくださっているみなさまにはかかわりのない話じゃあるんですけど、そんなわけで、残念なことにオープニングについてはオーディオコメントできません。ご了承ください」
八「おや?おやおや?」
「つばさキャット 其ノ參」キャラクターコメンタリーより
羽「はーあ」
八「どういうことですか?羽川さんのオープニング映像が、流れませんよ?」
羽「とぼけないで、八九寺P。これはあなたが圧力をかけた結果でしょ?」
八「いやいやいや!何のことですか!」
羽「二巻で私が、真宵ちゃんに厳しいことを言ったことを根に持って、ついつい圧力をかけちゃったんだよね?」
八「冤罪もいいところですよ!冤罪って言うか、それはもう因縁ですよ!」
羽「大丈夫大丈夫、怒らないから。パッケージングされて店頭に並ぶ頃には、私のオープニング映像もちゃんと収録されているわけだし。かけちゃった圧力は、もう仕方のないことだしね。でも嘘はやめようよ」
八「わたしを『圧力をかけるキャラ』にするのはやめてください。わたしがこれまで築き上げてきたイメージ戦略が台無しです」
羽「真宵ちゃんのこと、これから圧力鍋って呼んでいい?」
八「いいわけないでしょう!?何気にブラック羽川が降臨してますよ、羽川さん」
これ別にネタとかじゃなくてガチなのが衝撃的な裏話(笑)
この『つばさキャット』の”あとがたり”でも堀江由衣さんがOPについて語られている部分がありまして、作詞を担当されたmeg rockさんとメールで「今日も流れなかったね」というやり取りをしていたり、「歌を初めて聞いたのはCMだった」という話をされています
実際にその裏話を聞いてみたいと思った方は、公式サイトにある『つばさキャット』の”あとがたり”から聞くことが出来ますので是非聞いてみてくださいね(大体11:40くらいから始まります)
なお、”あとがたり”なので、若干ネタバレの内容も話しているので、未視聴の方はお気を付けください
原作だとどの範囲?
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化物語 第11話『つばさキャット 其ノ壹』感想&解説
千石の頼み事
「あ……暦お兄ちゃん。待ってたよ」
六月十三日、火曜日の放課後
この後の戦場ヶ原との予定の為に、足早に帰路へと着こうとする阿良々木くんは、校門前で制服姿の千石撫子に呼び止められました
特に千石と会う予定は入れておらず、不意に声を掛けられたので驚いた阿良々木くんが、千石にここにいる理由を聞いたところ、「昨日のお礼を改めてしようと思って待っていた」とのことらしい
それを聞いた阿良々木くんは「神原にこそ礼を言ってあげろよ」と言ったところ、神原にもお礼を言おうと思ったが、ものすごい速さで走り去ってしまった為、言うタイミングを逃してしまったとのこと
そして、千石は神原には他の用事もあったから困っているということを阿良々木くんに話します
阿良々木くんはそれを聞いて、その用事を請け負うことを提案し、千石は少し戸惑ったものの、阿良々木くんに綺麗に折りたたまれた”ブルマ”と”スクール水着”を手渡しました
千石の用事というのは、昨日使ったこの衣類を神原に返すことで、「洗濯もしたから大丈夫」と阿良々木くんに手渡しますが、当の阿良々木くんは予想外の頼み事に一瞬戸惑います
ただ、請け負ってしまった都合上、断ることも出来ず、その衣類を受け取り、勝どきを上げますが、その虚しさから落ち込みます
落ち込んだまま阿良々木くんは、「ちょっと聞きたいことがある」と話しを切り出し、昨夜、学習塾跡に泊まった時に忍が千石になにか喋っていなかったかどうかを質問しました
長いこと忍の声を聞いていなかった阿良々木くんは、もしかした千石になにか話しかけていたかもしれないと思っての質問でしたが、千石曰く、何も話しかけてはこなかったとのこと
寧ろ、睨みつけるような視線の方が印象に残っているとのことでした
視線に敏感な千石だからこそ気付いたことではありますが、阿良々木くんと忍野を見ている時の目と神原と千石を見ている時の目は明らかに違う
それを聞いた阿良々木くんは「男を見る目と女を見る目が違うって話か?」と少し疑問に感じていると、下校しようとしていた羽川翼が校門前にやってきて、阿良々木くんに声を掛けてきました
それに気付いた阿良々木くんは、羽川に千石のことを紹介しようとしたところ、全て話しきる前に「失礼しますっ!」と千石は脱兎の如く、その場から逃げ去っていきました
極度の人見知りというのもありますが、あまりに過剰なその反応に、温厚な羽川ですら「少し傷ついたかも……」とショックを受けてしまうのでした
感想&解説
前のエピソードのヒロインが最初に登場するという恒例のパターンなので、今回は千石の登場シーンからのスタート
なんだかんだで千石の制服姿はここで初披露になります
さらに言えば、千石が通う七百一中学校は阿良々木くんが通っていた中学校でもあるので、阿良々木くんにとっては慣れ親しんだ制服でもあるんですよね
作中内の話になりますが、このワンピース姿の制服というのは阿良々木くんたちが住んでいる街では珍しいタイプの制服になり、そして阿良々木くんは公立の制服が可愛いという理由で、私立中学の受験をしなかったということがドラマCD『佰物語』で語られていたりします(笑)
小学生のころの阿良々木くんはそれなりの学力を誇っていたのでその道があったわけですが、当時から”我が道”をひた走っている阿良々木くんは流石だなと思っていたりもしますw
千石から預かったブルマとスクール水着を手にして勝どきを上げている辺り、今もそう変わらないかもしれませんけどねww
そしてここでは解説を一つ
今回の「つばさキャット」に関しては前回の「なでこスネイク」で儀式を行った翌日のエピソードになっています
その為、原作では千石はこの日、学習塾跡から家に帰った後、疲れが抜けずに二度寝してしまい、学校を休んだというやり取りがあるんですよね
そして、どうしても阿良々木くんにお礼を言いたいという理由から、二時くらいから待ち続けて、四時間以上も校門前にいたということが語られています
まさかそんなに待っていたとは思わなかった阿良々木くんは「馬鹿じゃねえのかお前!」と全力で怒鳴ってしまうくらい、本気でツッコミを入れてましたね(笑)
戦場ヶ原の悪い噂
逃げるように立ち去った千石にショックを受けた羽川に、改めて千石の話をしつつ、それにまつわる”蛇”の問題も解決したことを伝える阿良々木くん
それを聞いた羽川はスピード解決に感心しつつ、用事があるからと先に出ていったはずの阿良々木くんがまだ校門前にいたことに疑問を感じます
阿良々木くんの用事とは戦場ヶ原絡みのことで、「照れくさいから言わなかっただけだ」と羽川に話します
戦場ヶ原の名前を聞いた羽川は、「面白い噂教えてあげようか」と阿良々木くんと関わり始めたことで立ち始めた戦場ヶ原の悪い噂を話し始めました
阿良々木くんと仲良くなってから態度がおかしくなったとか、阿良々木くんから悪影響を受けているとか……
担任の保科(ほしな)先生から「何か知らないか?」と聞かれていた羽川は、それらの噂を否定してはおいたものの、こういった噂は今後立ってくると思うから、それを否定できるように証明していかなければならないことを伝えます
それに納得しながら、否定してくれたことにお礼を言いつつ、それでも否定できるほどの確信が持てなかった阿良々木くんは羽川に「本当にそんなことないと思うか?」と質問すると、羽川は「もちろん」と答え、もう一言付け加えました
私、嘘なんかついたことがないもの
嘘つき以外でその言葉を聞いたことがなかった阿良々木くんでしたが、その言葉に安心しつつ、ふと羽川が想いを寄せるような特定の一人というのがいるのかどうかが気になり、質問しようと羽川の名前を呼びます
すると「何?」と純朴な目でこちらを向かれ、その姿に聞くことを躊躇ってしまった阿良々木くんは話題をそらそうと全く関係ない話をしようとしますが、突然襲った羽川の頭痛によってその話題もすることはありませんでした
羽川の頭痛
それは否が応でも阿良々木くんに『ゴールデンウィークの出来事』を思い出させる不安事項なのでした
感想&解説
あまり学校での生活態度自体は良いとは言えない行動を今までしてきた阿良々木くんなので、周囲の目がそういう悪い方向へと向かってしまうのは致し方ないところ
仮にですが、自分の周囲で優等生と劣等生が付き合い始めた場合、こういった視点でその二人を見ないかと言われると、そこは否定できませんね
実際は戦場ヶ原自身は良い方向へと変化しています
ただ、ほぼ無表情に近かった”深窓の令嬢”と言われていた立場というのはある意味では、一般人にも届かないような”高嶺の花”というイメージがあったんだと思います
そこから、少しずつ表情が生まれていく事でこちら側(一般人側)に近づき、届かなかったはずの”高嶺の花”が身近なものとして変化して言ったら、それは悪影響を受けたと考えてしまうのも無理はない気がしますね
そして、ここで羽川が言った「噓なんかついたことないもの」というセリフですが、これがまた盛大な伏線となっていました
この言葉は『つばさキャット』内にて大きな役割を果たしているセリフになっているので、よく覚えておいてくださいね
ここでは解説を一つとストーリーには関係ないんですが阿良々木くんの面白裏話を一つ
まずは解説
基本的に登場人物が少ないこの作品ですが、この校門前で登場人物が少なかったのは文化祭を目前に控えているため、阿良々木くんも羽川も文化祭の準備で遅くまで残っていて、他の生徒たちは既に帰っていたからです
ちなみに、戦場ヶ原は「体調が悪い」と言って準備を手伝わずに早々に帰っていますが、それは嘘で、この後の12話の準備をする為に帰っています
次に阿良々木くんの面白裏話
これはキャラコメで語られた阿良々木くんの《羽川愛》の強さが分かる内容になっているんですが、それが結構衝撃だったので紹介しておきます(笑)
それは、ここのパートで羽川の名言である「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」が登場した時に千石が話していた内容になります
千「あ、羽川さん。少しお静かに」
「つばさキャット 其ノ壹」キャラクターコメンタリーより
『何でもは知らないわよ。知ってることだけ』
羽「……え。何で今私、お静かにされたの?」
千「えっとね。今の羽川さんのセリフは、居住まいを正して聞くことと、暦お兄ちゃんから強く言いつけられてたんだ。『オーディオコメンタリーだからって、セリフかぶせるなよ』と」
羽「阿良々木くん、千石ちゃんを洗脳しないで」
千「暦お兄ちゃんは、アレだよ。今までのブルーレイ・オア・DVDの、羽川さんのシーンを繰り返し見ては、感涙してるよ」
羽「繰り返し見てはって、それ、どうせ第一巻冒頭のパンツのシーンとかでしょ?名台詞のシーンとかじゃなくってさ」
千「羽川さんのシーンを繰り返し見過ぎて、ディスクが映らなくなったって、嘆いてたよ」
羽「劣化しないメディアを劣化させるほど見たの!?」
あり得ないことではありながらも、あり得てしまうくらいのことをしてしまいそうな阿良々木くんだからこそ、この裏話は笑ってしまいましたw
ゴールデンウィークの出来事
羽川の突然の頭痛に心配する阿良々木くんですが、その反応に羽川は「心配し過ぎだよ」と顔色を悪くしながら答えます
その姿を見た阿良々木くんは、ゴールデンウィークでの出来事を思い出していました
――以下、回想
四月二十九日。ゴールデンウィーク初日
春休みの件ですでに羽川が恩人となっていた阿良々木くんは、偶然羽川とこの日に出会いました
そんな羽川の姿は、休日なのにも関わらずいつもと変わらない制服姿ではありましたが、ある一点だけはいつもと違いました
左顔面に貼ってあるガーゼ
その理由が分からないまま、羽川は自身の家庭環境を話し始めます
- 今の両親は共に本当の両親ではなく、小さい頃からその話を聞かされていたので物心つく頃には知っていた
- 今の両親は羽川翼のことが邪魔だと思っている
- 施設に預けようともしたらしいが、エゴで手放したという批難に耐えられる自信もない両親らしい
- 両親に嫌われながらも、”いい子”で”普通の子”になろうとしてきたが、上手くはいかなかった
- 「休日は散歩の日」と決めており、両親と一緒に一日同じ家にいるというのがゾッとする
- 仲が悪いというより、もはや仲は冷めており、それは両親同士も同じで、家では家族の会話というものが全くない
羽川のこれらの家庭環境を知った阿良々木くんは驚きますが、ただ、その内容から羽川がガーゼをしている理由には繋がらない
すると羽川は誰にも言わないと阿良々木くんに約束してもらい、ガーゼの理由を話すことにしました
その理由というのは、父親に殴られたから
まさかの理由に驚きと戸惑いを見せる阿良々木くんに羽川はこんなことを言ってきました
ほら、だって、考えても見てよ阿良々木くん。もしも、阿良々木くんが、見も知らぬ十七歳の子供から、知ったような口をきかれたとして?ちょっと腹が立っちゃっても、かちーんときちゃっても、それは仕方ないと、思わない?
父親が子供を殴るという事実も、自分のことを”見も知らぬ十七歳の子供”と言うことにも憤りを感じた阿良々木くんですが、羽川に「いいじゃない。一回くらい」という羽川の言葉に黙ってしまいます
そして、「誰にも言わないと約束してくれるなら何でもする」とまで言い、頭を下げてお願いする羽川の姿を見て、阿良々木くんに了承以外の選択肢は無い
阿良々木くんが了承した後、頭を上げた羽川は道路で轢かれて死んでいる一匹の白い猫の死体を見つけます
その猫に駆け寄り、躊躇もなく抱き上げた羽川は阿良々木くんに埋めるのを一緒に手伝ってもらうようお願いしました
そんな出来事のあった翌日、四月三十日に異変は起きました
「障り猫」
学習塾跡にて忍野から聞いたその怪異の名前は、羽川が取り憑かれた怪異の名前でした
白い髪に白い猫耳ではあるものの、《ブラック羽川》と忍野に名付けられたその怪異は、羽川の内面を表した怪異
長年のストレスによって生み出された障り猫は、夜な夜な暴虐のかぎりを尽くし、自身の特性である”エナジードレイン”を使って無差別に人を襲い、羽川の抱えるストレスを発散し続けました
これによって二名の入院患者を出すほどの被害が出ましたが、その二名というのは羽川の両親
ストレスの原因でもあった二人を襲っても収まることを知らなかった障り猫は、ゴールデンウィークの最終日である五月七日に捕らえることに成功し、忍の協力もあって一応の解決はしました
しかし、トランス状態にも近い状態になっていたことで、羽川はゴールデンウィークの時の記憶を無くしており、自身が怪異に取り憑かれていたことも、両親を襲ったことも全く憶えてはいないのでした
――回想、終ワリ
感想&解説
ついに明かされた”ゴールデンウィークの出来事”!
このエピソード自体は《物語シリーズ》の一つ『猫物語(黒)』にて描かれているんですが、この『化物語』が放送されたときはまだ原作が発売されていない時期というのもあり、アニメオリジナルの内容で描かれているのが凄いところです
実際は、原作小説でも語られている内容ではあるんですが、終盤のブラック羽川のストレスを解消させたシーンに関しては原作に無いアニメオリジナルになっています
だからというのもあって、『猫物語(黒)』とはオチの描き方が違ってるんですよね
厳密に言えば、羽川が阿良々木くんにお願いをした後も、シリアスから一転したコミカルな感じにもなっていたりなど、描かれ方が違うところは多々あるんですが、そこは実際にご視聴くださいということで(笑)
ただ、羽川の抱える事情というのは『化物語』で描かれている通り、かなり狂っている家庭環境なのは事実です
その狂いっぷりは『猫物語(黒)』にて、実際に羽川の家庭環境を目の当たりにした阿良々木くんが、その恐怖のあまり「修正不可能だ」と震えてしまうほどです
それほどのストレスを抱え続けた羽川翼が引き起こした”ゴールデンウィークの出来事”は、かなり強烈なエピソードとして記憶に残っていますね
また、ここの回想に関してもある意味では大幅な原作改変の一つです
というのも、TVアニメではこの過去回想はアバンで描かれた後にBパートで描かれるという形が取られていますが、原作では一つの章で語られている部分になっています
そして、アニメ放送に関しても、ここで一気に章が飛んで描かれたというのが特徴的ですね
意図としては明確にはなっていませんが、TV放送が全12話で組まれている都合上、ここで”ゴールデンウィークの出来事”を描かないとかなり内容がフワッとした状態でのネット配信スタートになるからだと思います
元々TV版の最終話をどの話にするかは決まっていたらしいので、それを考えると納得の描き方だと感じましたね
ここでは少し解説を交えながらの感想を語ったので、ここからは裏話を二つ紹介します
まず一つ目は、記憶を無くした羽川はどういう状態だったのかということをキャラクターコメンタリーで話しているのでそこを紹介します
千「忘れているときっていうのは、逆にどういう感じだったの?ゴールデンウィークの記憶が、別の記憶に置き換わっていた感じなの?」
「つばさキャット 其ノ壹」キャラクターコメンタリーより
羽「違う違う。本編でも言ったかもしれないけれど、そうじゃなくて、忘れてることさえ忘れているって状態。だから厳密には、私は第三話で、忘れていることがあるということを思い出したんだよね」
意識しなければ記憶なんて思い出そうとは思いませんから、”忘れていることを忘れている”のであれば、ある意味では”無い”のと同じようなものかもしれませんね
ただ、何かのキッカケで断片でも思い出してしまえば、意識的に思い出そうとしてしまうので、綱渡りの状態ではあったんでしょうね
次に二つ目が、羽川が阿良々木くんに家庭環境を話した後に「何でもする」と言ったシーンを羽川と千石が見ていた時の一コマです
ここはストーリー自体には関係ないんですが、阿良々木くんのちょっとした裏工作というか洗脳的な小賢しさが分かる部分となっていて面白いと感じていたので、紹介させて頂きます
羽「あー。いきなりだけど、この私のセリフは危険だなあ」
「つばさキャット 其ノ壹」キャラクターコメンタリーより
千「なにがですか?」
羽「阿良々木くんに対して『黙ってくれたら、私、なんでもするから』とか、絶対行っちゃ駄目なセリフだよ。我ながらどうかしていたとしか思えないや。こんなの、一体何を要求されるかわからないや」
千「なんで?暦お兄ちゃんは女の子に変な要求なんてしないよ?」
羽「ピュアだなー、千石ちゃん」
千「あー、羽川さん、ひょっとして暦お兄ちゃんからいやらしいお願いをされると思ったんだー。それはね、邪推って言って、そういうことを考える人の方がいやらしいんだよ?」
羽「……そうなの?」
千「うん。暦お兄ちゃんがそう言ってたもん」
羽「呼び出そっか、あの男」
いやホント、どの口が言うw
『化物語』の時の千石は、かなりピュアというか世間知らずというか、阿良々木くんの言うことなら大体信じてしまうような子ではあったので致し方ないとは思いますが、羽川からしたらイラっとはしますよね(笑)
こういう隠れて行っていた事や言ったことが人づてにバレてしまう様子が見れるのも、キャラクターコメンタリーの面白いところです
TV版のオチ
ゴールデンウィークでの出来事が頭をよぎる阿良々木くんは、羽川の心配をしますが、当の羽川は「心配し過ぎだよ」と気丈に振舞います
心配する阿良々木くんを余所に、羽川は「そんなことより」と話題を戻し、「戦場ヶ原の悪い噂について理解しただけじゃなく、実践しなきゃダメだよ」と改めて念押しします
”そんなことより”と自分よりも他人のことに気を遣う羽川に複雑な想いを抱きつつ、「わかったよ」と返事をする阿良々木くん
羽川はその言葉を聞いた後、「私の言ったことが分かったっていうのなら…」と咳ばらいをしつつ、さしあたって悪い噂が立たないためのアドバイスをしてあげることにしました
宝物みたいに抱えているそのブルマーとスクール水着を、鞄にしまうくらいのことはしたらどうかな?
感想&解説
羽川の過去回想や頭痛が訪れた事での緊張感で、ブルマとスクール水着の存在を忘れていましたw
こういうイマイチ締まらない感じが阿良々木くんらしくて好きだったりもするんですけどね(笑)
そして、羽川のいい笑顔!
見ようによっては悪い笑顔にも見えてきますが、TV版での羽川の登場シーンはこれが最後になるので、このセリフがTV版のオチになります
「つばさキャット」篇自体はまだまだ続くので、本当のオチ自体はまだ先ですが、羽川のTV版最後のセリフがこれっていうのもどうなんだろうか(笑)
兎にも角にも、『つばさキャット 其ノ壹』はここまでになります
ここに関しては特に解説する点が無いので、裏話を一つだけ
今回の『つばさキャット 其ノ壹』のキャラコメ担当は羽川&千石ペアでお届けされていましたが、実は、羽川は千石とは少しやりにくいと感じている部分があったんですよね
それは、阿良々木くんに対する二人の認識が違い過ぎること
これまでのエピソードで、阿良々木くんは数々の所業を行ってきていますが、基本的に千石は何をやっても「暦お兄ちゃん、かっこいい」と思ってしまうので、微妙に会話がズレてしまう
なんだかんだで30分二人でやり切ったんですが、最後のブルマとスク水のラストを見た後に、羽川は究極の選択をしています
千「はい!いいセリフといい笑顔!いただきました、ありがとうございます」
「つばさキャット 其ノ壹」キャラクターコメンタリーより
羽「本当にあれがオチでいいのかな」
千「大丈夫です。ちゃんと落ちました」
羽「落ちるところまで落ちたという感じだけど。阿良々木くんが」
千「暦お兄ちゃんは落ちてないよ」
羽「うーん、どっちかなー。千石ちゃんの洗脳を解くのと、阿良々木くんを千石ちゃんの理想通りの男に矯正するのと、どっちのほうが楽かなー」
千「あ。羽川さんの中で、今、究極の選択が行われようとしている」
羽「よし、決めた」
千「どっちに決まったんだろう……」
結局どっちに決めたのかは明かされませんでしたが、どちらの道も険しすぎるw
ただ、羽川が本気を出したら、どちらも出来てしまいそうだから怖いですね(笑)
まとめ
化物語の第11話『つばさキャット 其ノ壹』の感想と解説でした!
ここまで隠され続けてきた”ゴールデンウィークの出来事”が明かされ、羽川の抱えているものも見えてきた今回のお話
「障り猫」こと《ブラック羽川》が出てくる条件というのがストレスなのであれば、一体彼女にどんなストレスが襲い掛かったのか?
その辺りに注目しながら、「つばさキャット」篇を楽しんで頂ければと思います!
そして次回はいよいよ……
最高の神回!!
TVオンエアとしては最終話になる『つばさキャット 其ノ貮』ですが、次のエピソードは阿良々木くんと戦場ヶ原の”デート回”になります
阿良々木暦は昼休みに、戦場ヶ原ひたぎから初デートを宣言される。念願かなった阿良々木は、待ち合わせ場所にやって来るが、そこで待っていたのは彼女だけではなかった。
『化物語』西尾維新アニメプロジェクト公式サイトより
怪異も登場しないし、バトルもないにもかかわらず、シリーズ屈指のベストエピソードとなっております!
軽快な掛け合いはそのままに、ラストの感動と興奮は今でも記憶に残っているほど衝撃を受けた回でもありました
その感動と興奮を是非とも味わって頂きたいですね!
それでは今回はこの辺で!
また会いましょう