〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン

『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ肆」感想&解説!眠れるスーサイドマスターがついに復活!

どうもウハルです!

今回は〈物語〉シリーズのオフ&モンスターシーズン『忍物語』の「しのぶマスタード 其ノ肆」の感想&解説を語っていきたいと思います!

「しのぶマスタード」もついに折り返しに入り始めたものの、”謎”と思われている部分が未だに”謎”のままになっている感じがしますが、この結論に至るまで長いのも〈物語〉シリーズです(笑)

特に阿良々木くんが語りの時は雑談や横道が多かったりするのでなおのことですねw

ただ、そんな阿良々木くんが語り部の時の特徴ですが、彼の場合はその雑談や会話、ふとした気付きの中に今回の事件のヒントが隠されていることも多く、思わず見逃してしまったり聞き逃してしまうような文言が実は大事だったりします

そして、今回も見事にそのヒントが散りばめられていました!

そう言った部分を考えると、”謎”の部分に関しては着実に真相に近づきつつあると感じさせるエピソードとなっていましたね

また、その”謎”において重要な鍵を握るスーサイドマスターがいよいよ今回復活!

六百年ぶりに出会うスーサイドマスターと忍の対面のシーンに関しては、シャフトが見せる描写表現もさることながら、それぞれの役を演じられている深見梨加さんと坂本真綾さんの演技も相まって、非常に素晴らしい再会シーンとなっていました

ということで今回は、そんな『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ肆」の感想と解説を語っていきたいと思います!

なお今回は、先程少し触れた雑談や会話の中にあるヒントに関して少し分かりやすいようにヒントの部分は太字にしてあります

見やすさという観点から他の部分も太字にしているものもありますが、「ここが太字?」と感じたら、そこは事件のヒントになっている可能性もありますので、その辺りも考慮しながら読んでいくと今後が楽しめるかもしれませんよ
(※注:そのヒントが分かったからと言って犯人や事件の真相が分かるというわけではありませんが、完全にネタバレ回避して自力で事件を解きたいという方はブラウザーバックしてもOKです)

また、前回のお話である『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ參」の感想と解説も語っていますので興味がある方は是非!

また、〈物語〉シリーズのアニメや原作小説についてまとめた記事もありますので、他の〈物語〉シリーズ作品に触れてみたいと感じた方はそちらも参考にしてみて下さいね

『忍物語』原作情報&アニメ化章数

著:西尾維新, イラスト:VOFAN

”たまには縁(えん)も縁(ゆかり)もない女子を助けてみるのも乙だろう”
直江津高校の女子生徒が、相次いで失踪する事件が発生した。ミイラ化した状態で発見された少女達の首筋には、特徴的な傷跡があって・・・?大学一年生になった阿良々木暦は、犯人を突き止めるべく走り出す!
青春は、眩しいだけ・・だと思ってた?

原作『忍物語』巻末より引用

『忍物語』はシリーズ通巻23冊目の原作小説で全50章の作品となり、今回アニメ化された「しのぶマスタード 其ノ肆」は27章から35章まで描かれた形になります

「しのぶマスタード 其ノ肆」あらすじ

第四の木乃伊が残した暗号の答えとともに、再び病院へ戻った暦。成果を報告し、次は伊豆湖の番だったが、彼女は浮かない表情をしていて――。

〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより

『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ肆」感想&解説

忍のお願い&命日子の暗号解読

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイト

第四の被害者が持っていた暗号を解読するために曲直瀬大学へと車を走らせていた阿良々木くん

その道中、助手席にあるチャイルドシートに忍が現れ、そのタイミングで阿良々木くんは忍に聞きたかったことを聞く事にしました

それは忍がスーサイドマスターに食べられようとしているのではないかということ

忍以外の食材は食べることが出来ないと知ったからこその考えではありましたが、忍自身にその気は全く無かったようで、阿良々木くんに「考えもしなかったわ」と返します

それを聞いた阿良々木くんは次に、今回の連続吸血魔の犯人でなくとも退治の対象となっているスーサイドマスターを無害認定してもらうよう働きかけようかという提案をしますが、「やめておけ」と忍に言われてしまいます

なりきりの吸血鬼である忍と違って、生まれついての吸血鬼であるスーサイドマスターにとっては”無害認定”を受けるというのは侮辱以外の何ものでもない

その事を話した忍は、その後、わざわざチャイルドシートに出てきた理由である一つのお願いを阿良々木くんに話し始めます

そのお願いというのは、スーサイドマスターが復活する今夜だけは阿良々木くんが忍の従僕という形にしてほしいということ

六百年ぶりにあうスーサイドマスターに見栄を張りたいが故のお願いではありましたが、阿良々木くん自身はそれを受け入れることにしました

そのお願いを聞き入れてもらった後、再び影に戻った忍

阿良々木くんはその後、新たに神原駿河という奴隷を確保し、そもそもの目的であった暗号解読の為、曲直瀬大学にいる食飼命日子(はむかいめにこ)に会いに来ました

予想通りというか予定通り、命日子が受ける予定だった講義の教室に彼女はおり、軽く挨拶を交わした後、携帯に残された『820/280/610/160』の暗号を見せた阿良々木くん

命日子は今回は紙ではなく携帯に残されていたことに対して、「携帯は脳の一部みたいなものだもんね」といいながら、今回もとてつもない速さで暗号を解読してくれました

その解読内容を聞いた阿良々木くんはそのまま直江津総合病院にいる臥煙伊豆湖の元へと訪れ、今回の暗号も前回の暗号同様にアルファベットになるようなものとなっており、暗号が表していたアルファベットは『F/C』だということを話します

前回の『D/V/S』が「デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター」のようなイニシャルの可能性を考えると、今回の『F/C』もイニシャルを表記している可能性が浮上してきたので、臥煙伊豆湖は女子バスケットボール部員の中に『F/C』のイニシャルがいないか考える可能性があることも話し始めます

携帯電話にそのメッセージが残されており、これまでの被害者である本能あぶり、口元教実、官宮鶚にもそれぞれイニシャルのストラップが付いていたのはそのほのめかしの可能性もある

ただ、あくまで可能性として考えられるだけであり、可能性は総当たりしていくしかない状況なので、臥煙伊豆湖は手元にあった女子バスケットボール部員の名簿を開きつつ、『F/C』のイニシャルの子を探す間、阿良々木くんに暗号解読の手順を聞く事にします

『820/280/610/160』の解読法
  1. 全ての数字の末尾「0」を度を表す「°」だと判断する
  2. すると『82°/28°/61°/16°』ということになり、これは前日の最高気温と最低気温をそれぞれ「摂氏(°C)」と「華氏(°F)」の両方で示した数字となっているため、今回はアルファベットの『F/C』を表した暗号となっている

※補足
摂氏と華氏の公式は「°F=°C×1.8+32」になります。なので前日の最高気温が28°C、最低気温が16°Cだったのでそれを当てはめると…
82(華氏)=28(摂氏)×1.8+32
61(華氏)=16(摂氏)×1.8+32

阿良々木くんがそこまで解説し、今回の暗号もまたすぐに思い浮かぶような暗号ではないと話した後、どうやら臥煙伊豆湖は名簿を見終わったらしいので、阿良々木くんはイニシャル『F/C』の女子バスケットボール部員が何人いるか尋ねますが、臥煙伊豆湖から返ってきた答えは意外な答えとなっていました

ゼロ人。いなかった。

感想&解説

見栄を張りたいがために、それこそ見え見えであろう嘘をつこうとするのは忍らしい気もします

たしかにかつての友人と会うのであれば、ある意味、腑抜けてしまった今の姿で会いたいとは思いませんよね

その辺りは人間だけでなく、吸血鬼もまた一緒なのかもしれませんね

そして、今回もまた見事に暗号を解いた命日子の頭の回転の速さがもの凄い(笑)

そもそも私自身が摂氏と華氏をよく分かっていないという不勉強さもありますが、それにしたってパッと見で分かるような暗号ではないと思うんですけどね

ただ、逆を言ってしまえば、今回の暗号もやはり残した側(被害者)としてもパッと思い浮かぶようなものではないという阿良々木くんの意見もよく分かる部分ではあります

被害者が日常的に摂氏と華氏を常に考えながら生きているような人ならまだしも、そこまで特徴的な生き方をしているとは思えないので、やはりこの暗号は犯人(または犯鬼)が残したものと考えるのが妥当な気もしますね

ここでの解説は原作から1つです

その1つというのは、阿良々木くんが神原から一晩家を借りた理由です

これに関してはスーサイドマスターを復活させる場所を確保するためというのもありますが、そもそもの発端としては忍がお願いした見栄が要因となっています

かつてスーサイドマスターは「死体城」という立派な城塞に居を構えていましたが、それと同等の風格と威厳を感じさせるような由緒ある建物を用意する必要がありました

そうなってくると阿良々木くんは神原の家しか知らず、さらに言えば、海外から来たスーサイドマスターにとっては日本のお城も日本の屋敷も厳密な区別はつかないだろうというのが今回神原から家を借りた理由です

お城と言われると日本人としては疑問に感じる部分はありますが、それでも神原の家は立派過ぎるくらい立派なのは間違いないので、このチョイスは正解のような気もします

ちなみに、これはアニメではカットされていた部分ではありますが、神原の祖父と祖母は現在旅行中で不在なのは日傘を紹介された時に神原から聞いていたので、そう言った部分も含めて借りるのに都合が良かったみたいです

臥煙伊豆湖が影縫余弦を警戒する理由

『F/C』のイニシャルを持つ女子バスケットボール部員がいないことは残念ではあるものの、阿良々木くんはその件は一旦保留し、どうやら元気がなさそうな臥煙伊豆湖にその理由を聞く事にしました

臥煙伊豆湖自身はその素振りを見せたつもりはなかったようですが、元気がなかったのは事実で、被害者が残した携帯電話を調べていたところ、あまり見たくない内情を知ることになり、だからと言って今回の事件に有力な情報があったかと言うとそうでもなかったらしいことを話しました

その話を聞きながら、阿良々木くんはふと目の前にある官宮鶚のミイラを見ながら、どの被害者たちも神原と同じようなショートカットの髪型をしており、みんな似たような髪型にするのが流行っているのかと感じましたが、少し引っ掛かる部分もありました

臥煙伊豆湖は話を続け、携帯の内容にげんなりしていたものの、それ以上に心配だったのは早く解決しないと影縫余弦が間に合ってしまうこと

彼女が到着する前に事件を解決したいというのは阿良々木くん同様、臥煙伊豆湖も同じではありましたが、阿良々木くんは必要以上に臥煙伊豆湖が影縫余弦の制御を問題視しているように感じたので、そのまま疑問をぶつけました

臥煙伊豆湖曰く、たしかに今の弱体化したスーサイドマスターであれば無害認定を可能にするだけの理屈はある

それでも吸血行為自体は可能でもあるので、この街にいる時点で筆頭の容疑者であることも変わりはないけども、乾眠状態に入っていたのは弱体化も限界に達し、自ら神の社にて土に潜ったという可能性も大いに考えられました

そう言った部分も考慮すると、推定無罪が適用されるだろうとも感じてはいましたが、影縫余弦に関してはそうもいかない理由がありました

それは、スーサイドマスターと影縫余弦には過去にあさからぬ縁があり、正義が唯一の歯止めとなっている影縫でも今回ばかりは私怨で動く可能性が高く、そうなってしまうと臥煙伊豆湖は影縫を破門にしなければいけない状況になる可能性がありました

そうなってしまうのが嫌なんだと言う臥煙伊豆湖の話を聞いた阿良々木くんは、影縫の私怨という余人には立ち入りがたい部分の話になってきたので、再び話を戻すように『F/C』の意味を考えることにしました

イニシャルがダメなら、英単語の略ではないかと考えた阿良々木くんはいくつかの候補を考えている内に一つの線を思い付きます

『F/C』=『ファンクラブ(FC)』

かつて、スーパースターだった神原駿河の非公式ファンクラブが存在し、先程の髪型の件つながりで思い出した事柄ではありましたが、思いついてしまった以上放っておくことも出来ない

阿良々木くんは、会員でこそなかったものの、そこに近い場所にいた阿良々木火憐に話を聞く事にしました

感想&解説

ここでスーサイドマスターと影縫余弦の関係性が急浮上してきましたね

正直これに関してはまさかの展開ではあったんですが、その縁と言うのは実は原作でも描かれておらず、なんならその後に続くシリーズ作品(『戦物語』の時点)でも描かれていないので、原作既読済みの私自身もその内容は知りません

そしてこれはあくまで予想ですが、この縁については原作の『死物語』で描かれる予定だったのではないかと思っています

『死物語』は上下巻に分かれており、それぞれ「しのぶスーサイド」「なでこアラウンド」というエピソードが描かれています

どんな内容かと言うのは過去にブログを書いたので割愛しますが、重要なのは『死物語』に収録されるエピソードは元々違うタイトルだったということ

発売される前に『死物語』に収録される予定のタイトルが発表された時は「ですとぴあデスティニー」「ですとぴあデスティネーション」「ですとぴあデスエデュケーション」の3つのエピソードでした

それがコロナの影響もあってか〈物語〉シリーズ内でもあのウィルスが蔓延するというエピソードに変わっていたので正直驚きはしましたが、発売前のタイトルを考えると、少なくとも3つともスーサイドマスターが軸となったエピソードを描く予定だったのは間違いないと思います

それがイコールで影縫余弦との関係性も描かれる予定だったとは限りませんが、少なくとも可能性としては考慮できるのかなと感じましたし、今回のパートを見ていてその部分を思い出しながらも、一人のファンとしてはいつか書いてくれないかなとも感じた部分でもありましたね

ここでの解説は原作から1つです

その1つは、阿良々木くんが「うちの妹に探りを入れる」と言った時に、臥煙伊豆湖表情が曇った理由についてです

そもそもですが「なんでも知ってるおねーさん」である臥煙伊豆湖が阿良々木くんの妹たちの存在を知らないわけがなく、阿良々木くんが妹と言った段階で聞き返してくるのは少しおかしいです

それに加えて曇った表情となるとさらにおかしな部分でもあるんですが、実はこれに関しては月火をこの件に絡ませるのは嫌だったという理由がありました

実はその理由と言うのはすでに私たち視聴者も目にしている事象ではありまして、それは『愚物語』の「つきひアンドゥ」の件が絡んできます

あの時、斧乃木余接は月火が絡むことで悉く失敗し、なにもかも上手く行かないという状況に追い込まれましたよね

臥煙伊豆湖はその時の状況を余接から聞いていたのか、その性質が今回も働いてしまうことを懸念して、阿良々木くんには月火を巻き込むのは勘弁してくれとまで原作では言っています

火憐ちゃんのほうだね。了解了解、よしなに頼むよ。老婆心ながら――熟女心ながら言っておくと、月火ちゃんを巻き込むことだけは勘弁してくれ。家族に迷惑をかけたくないというのは、元々こよみんから頼まれたことではあるけれど、余弦のことを差し引いても、あの子が絡むとうまくいくものもうまくいかなくなる。

原作『忍物語』より引用

阿良々木くん自身はあの性質のことを知らないので、「すげえこと言われてるな、うちの妹(ちっちゃいほう)」と原作では語っていますが、知っているこっちとしては納得の内容ですね

阿良々木火憐の現在

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイト

臥煙伊豆湖と別れ、自宅に戻った阿良々木くんは少し睡眠を取り、高校に行っている火憐の帰りを自宅で待つことにしました

そして、帰宅してきた火憐に前置きもなくファンクラブのことを聞いてきた兄に「おかえりくらい言え」ともっともなことをいう火憐でしたが、その後、かつて存在していた神原駿河のファンクラブについて話してくれました

ファンクラブ自体はすでに解散しているし、それが改めて活動を再開したという話も聞かない

まして、肝心の神原自体がすでに引退しているので再結集自体が難しいらしい

それを聞いた阿良々木くんは納得し、さらに現在女子高生である火憐に、今の高校生活が楽しいか尋ねますが、どうやら火憐はかなり楽しんでいる様子

今関わっている事件の女子高生たちがギスギスしているように感じたので、聞いてみた質問であり、当然と言えば当然ですが、やはり全員が全員そうではないよう

また、解散繋がりでファイヤーシスターズの現状も聞いてみますが、今は月火が一人で「ムーンファイヤー」として頑張っているらしい

火憐の後釜を狙って争いみたいなものがなかったのかと言う意味で聞いたつもりでもありましたが、その辺に関しては月火自身が上手くやっていたようです

ただ、それはあくまで月火自身が自分を特別だと考えているが故の自意識過剰っぷりがなせることでもあり、神原のように努力タイプのスーパースターで自己評価が低い人にありがちな「自分にできることは頑張れば誰にでもできる」という考えは、結果も伴っていることもあり、後進に残りやすい

その結果として生まれてしまった努力信仰が今回の件と絡んでいるのかもしれないと、阿良々木くんは考えるのでした

感想&解説

ここにきて大きい方の妹である阿良々木火憐が〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズンにて初登場となりました!

まあ、そもそも阿良々木姉妹はそこまで出番が多い方ではありませんでしたが、それでも予告などに登場したりはしていたので、やはり彼女が出てくるとテンションは上がりますね

そして、高校生となった火憐も元気いっぱいだったようですし、何より学校生活を楽しんでいるのは本当に良かったです

土日も通いたいくらい楽しんでいるのは「楽しみ過ぎでは?w」と感じてしまう部分ではありましたが、明るくない火憐はあまり見たくはないのでこれくらいの方がちょうどいいのかもしれませんね(笑)

ここでの解説は阿良々木兄妹による面白いやり取りを2つ紹介します

今回のアニメで変わらぬ兄妹のやり取りが見れはしましたが、それでもこの二人の絡みに関してはもう少しバカっぽいというか変態っぽい感じがあったかと思います

実は原作ではその辺はしっかりと描かれていて、二人の関係性はいつまでも変わらないんだなと思える部分(もちろん良い意味で 笑)だったのでここで紹介したいと思います

まず1つ目が、質問ばかりしてくる阿良々木くんに対しての火憐とのやり取りです

暦「――そうだ。もう一個いいか、火憐ちゃん」
火「なんだよ、今日は質問ばっかで、ぜんぜんおっぱい触ってこねーな」
暦「いつもはものも言わずにおっぱい触りにいくみたいなことを言うな。触ってねえだろ。今年度は」
火「前年度までは触ってた時点で問題だろ」

原作『忍物語』より引用

相変わらず仲が良過ぎる変態っぷりではありますが、なんかこの二人がおっぱいって言っても全然違和感がなくなってきたのは、この二人はすでに手遅れ感があるからかもしれませんね(笑)

次に2つ目ですが、火憐が話す月火の考え方の極端さと結局火憐のおっぱいを揉んだ阿良々木くんとのやり取りです

火「月火ちゃんは、基本的に『無駄な努力は無駄』派だったからなー。『努力じゃなくて、必要なことをしろ』『無駄な努力をすれば夢はむしろ遠ざかる』って言ってたぜ」
暦「やっぱり印象がいいとは言えないよな……」
火「『自分がラッキーボーイ・シンデレラガールになれる道を探れ』と、常々主張していた」
暦「月火ちゃんだけは、ビジネス書出しちゃ駄目だな。そう言えば、高校生の火憐ちゃんより、中学生の月火ちゃんの帰りが遅いのは心配だな。もみもみ。ムーンファイヤーって、あいつはあいつで独立後、いったい何をしているんだ?」
火「それもあたしにはよくわかんねー。独立っつーか、月火ちゃんは昔から、独立精神を持つ依存派だから。兄ちゃん、今、どさくさに紛れようともせず、今年度初となる何を揉んだ効果音が混ざったんだ?魔法少女のお手伝いみたいなことをしているって噂もあったけれど、真偽のほどは」
暦「ふうむ」

原作『忍物語』より引用

かつて月火は宝くじの名言で「夢ではなく現実を買え」と言う言葉を残していますが、基本的に夢を夢見る人間が嫌いなんでしょうかね(笑)

たしかに阿良々木くんが言う通り、どれも言葉の印象は良くないですが、それでも現実味はありすぎて、自分は好きな言葉だったりします

努力するのは悪いことではありませんが、無駄だと分かっていることを続けるよりも、それをいっそ切り捨てて、必要だと思うことをしていくこともまた努力の内かなとも思えるので、固執せずに切り替えることも大事なんだと思わされました

そして、ちゃっかり会話の途中でおっぱいを揉む阿良々木くんの自然さがまた面白いw

火憐自身も特に驚くこともなく、会話の途中で質問しただけで結局会話を続ける辺り、慣れっこ感があって面白かったです

スーサイドマスターの目覚め

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイト

火憐から話を聞いた阿良々木くんは、その後、北白蛇神社から神原の家へとスーサイドマスターと八九寺を送り届けるために、二人を乗せて車を走らせていました

その車中で、八九寺のお散歩の成果を聞きますが、特にこれといったものが見つかることはなかったらしい

そんな会話をしている最中に阿良々木くんの電話が鳴り、運転中の阿良々木くんに変わって八九寺がその電話に出ると、電話の相手は臥煙伊豆湖だったようで、どうやら行方不明となっている五人以外の女子バスケットボール部員全員の無事が確認された電話でした

その朗報に喜ぶ阿良々木くんでしたが、八九寺曰く、それは朗報というより後退とも言える事実であり、今回の連絡によって女子バスケットボール部員全員の無事が確認できたということは、バスケットボール部員の中に吸血鬼はいない証明でもあると話しました

結局のところ、ここまで来て再びふりだしに戻った事態ではありますが、阿良々木くんはとりあえずそのまま神原の家へと向かいます

無事に神原家へとついた阿良々木くんは神原から家の鍵を預かり、神原は今夜はバスケ部OGで集まってパジャマパーティーするらしいことを聞きますが、実際のところは現状のバスケ部の問題に対するブレストを行うのだろうと予想していました

その話を聞いた後、阿良々木くんは神原にもう一つのお願いをし、神原と別れました

そして迎えた夜

スーサイドマスターを復活させる為、神原の家の庭にて儀式を行うこととなりました

かつて忍野メメが儀式を行った際に白装束の衣装を着ていたことがありましたが、臥煙伊豆湖は普段通りのラフな格好

彼女は御神酒代わりに持ってきた日本酒を寝ているスーサイドマスターにかけて、儀式の準備は着々と進んで行きました

その様子を見ながら、阿良々木くんは影から出てきている忍に一つの質問をします

それは「六百年生きるというのはどんな感じなのか?」ということ

阿良々木くん自身、この一年で大きく変化し、考え方どころか気持ちも変わるほどに様々な出来事がありました

たった一年でそれなのに、六百年という月日を重ねたらどうなるのか気になったが故の質問でしたが、忍自身は多くの過去を忘れながら生きてきたし、なにより怪異は不変であることを阿良々木くんに話します

それを聞いた阿良々木くんは「じゃあ…」とかつて忍と出会った頃にした質問を改めてぶつけます

お前にとって、人間ってなんだ?

以前キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードだった頃の忍はその質問に『食料』と即答した質問でしたが、今回は即答することなく一瞬沈黙することになりました

しかし、その返答を聞くことはなく、臥煙伊豆湖がその沈黙を見計らったかのようにスーサイドマスターを復活させる儀式を開始します

呪文を唱え、それが唱え終わった瞬間に、スーサイドマスターにかけられたお酒は蒸発し、スーサイドマスターの動きを封じるようにつけられていた手枷や足枷は外れ、さらに目隠しや着せていた白装束すらも弾け飛びます

そしてスーサイドマスターが目を見開くと、寝たままの姿勢で首だけを動かし、忍を見据えるように見つめました

「は!はは!ははは!はははは!はははははは!はははははははははは!

目覚めて一瞬で自身の眷属を感知したスーサイドマスターは、寝そべったままのこれ以上ない低い姿勢からこれ以上なく高笑いを響き渡らせると、それに呼応するように忍も高笑いを始めます

「は!はは!ははは!はははは!はははははは!はははははははははは!

高笑いをしながらも、スーサイドマスターの元へと近づいていく忍が、その横へと付いた時に高笑いも終わり、スーサイドマスターが「どうやらまた死んでしまったらしい」と忍に声を掛けます

対して忍は「お互い、歳を取ったもんじゃの」と久しぶりの再会の言葉を言います

こうして、ふたりの幼女は六百年ぶりの再会を果たしたのでした

感想&解説

事件解決の為にその目覚めを待っていたというのももちろんありますが、やはり何より、六百年ぶりに再会するスーサイドマスターと忍の姿が見たかったというのが大きい気がします

そして、その対面シーンですが、かつてスーサイドマスターが教えた「とても嬉しい時の笑い方」をするところは互いにその喜びを分かち合っているようで凄く良かったですね

また忍が「お互いに歳を取ったもんじゃの」というのを、互いに幼女になった姿で言うのも少し皮肉が混じっているように感じつつ、それぞれの変化も感じ取れるようなアンバランスさを感じれて良かったです

これらに関しては原作通りの部分ではあるんですが、映像として見るとより具体性が増したような気もしました

六百年と言う長い年月を経て、再会を果たした二人はどんな会話をするのかは次週のお楽しみというところで今回のエピソードは終了です

色々気になる所もあるとは思いますが、とりあえずはスーサイドマスターの復活の余韻に浸るのも悪くないと思いますよ

ここでの解説は原作から1つです

その1つは、スーサイドマスターが復活した時に阿良々木くんが感じた事です

臥煙伊豆湖からはスーサイドマスターは弱体化していると言われ、さらに言えばミイラ化している状態しか知らない阿良々木くんでしたが、実は、スーサイドマスターが復活する様子を見ていた時に「どこが弱体化しているんだ」と感じてしまうほど脅威を感じていました

その脅威の度合いはかつてキスショットを助けた時に感じた部分にも似ており、このままミイラにしておいた方が良かったんじゃないかと思えるほどでしたし、今回の治療行為が間違いだったのではないかと後悔する気持ちが生じたほどだったようです

ここのシーンに関しては描写的な部分でもかなり派手な印象がありましたが、それは決して大袈裟ではなく、スーサイドマスターを復活させるということは、それだけの力を復活させることと同義であるということも表現されていたということですね

まとめ

〈物語〉シリーズのオフ&モンスターシーズン『忍物語』の「しのぶマスタード 其ノ肆」の感想&解説でした!

まだまだ多くの謎が残り、どころか捜査はふりだしにまで戻ってしまった今回の事件ですが、その再スタートの状態から今回の”謎”における重要な鍵であるスーサイドマスターの復活は大きな進展を生みそうな展開となっていました

彼女が何を語り、そして何が起こってミイラとなってしまったのか?

その辺りに関しては次回のエピソード『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ伍」で語られると思いますので、乞うご期待と言った感じでしょうかね

残りわずかとなってきたこの〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズンを是非最後まで一緒に楽しんでいきましょう!

それでは今回はこの辺で!

また会いましょう

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