どうもウハルです!
今回は「蜘蛛ですが、なにか?」24話(最終話)の感想と解説を語っていきます!
最終話は延期しての放送になりましたが、2クールにわたり放送されてきた「蜘蛛ですが、なにか?」も遂に最終回!
念願の半人半蜘蛛の【アラクネ】へと進化し、上半身だけとは言え、久し振りに人の感覚を得た蜘蛛子さんの嬉しそうなこと(笑)
そして、繰り広げられたポティマスvs蜘蛛子さんの戦い
戦闘シーンの作画に関しては案の定と言った感じでしたが、原作通りの戦闘内容や伏線の回収はしっかりしていたので個人的には「良し」と言った感じでしたね
さらに、前話でフルに使った人間パートの続きも今回少し描かれ、中途半端感を感じた方が多そうでしたが、これも原作通りなんで致し方なし
この後詳しく語りますが、結論を言うと原作でもここから先の話が当分描かれません
なので原作を11巻まで読んでいる私ですが、この後の展開知らないんですよね…
だからこそ、今ガンガン読み進めているんですけどね(笑)気になるから
そんな「蜘蛛ですが、なにか?」24話(最終話)の感想と解説をさらに詳しく語っていきたいと思います!
なお、少し語りましたが、現在原作を11巻まで読了しておりますので、分かる範囲で原作と交えながら感想と解説を語っていきます
ちなみに前回の23話「友よ、おまえはなぜ…?」に関しても感想&解説を語っていますのでよろしければ是非!
23話感想&解説
蜘蛛ですが、なにか? 24話(最終話)あらすじ
24話「まだ蜘蛛ですが、なにか?」
絶望的な状況に陥りながらも逆転の一手を模索する「私」。追い詰められながらも剣を構え続けるシュン。時代を超えた不屈の魂はどこへ辿り着くのか 大きな転換を迎える世界の中で、すべてが繋がっていく――。
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」公式サイトより
もしも、どの動画配信サイトで見ようか悩んでいるという方は、以前動画配信サービスのまとめ記事を書いていますのでご参考ください
サービスによっては画像付きで登録方法や実際に使ってみての感想も語っています
動画配信サービス記事
原作だとどの範囲?
- 原作5巻
- 7 再誕
- 8 進化、分裂、増殖
- 9 こんなんエルフじゃねえ!
- 終章 新たな旅立ち
- 原作5巻
- S7 牙をむく鬼
- 原作5巻
- 間章 従者の奮戦
24話「まだ蜘蛛ですが、なにか?」は原作だとこの範囲になります
それぞれのパートごとに分けさせていただき、原作巻数、章数、タイトル名を書かせて頂きました
原作をこれから買おうと思っている方や現状持っている方の参考になれば幸いです
蜘蛛ですが、なにか? 24話(最終話)感想&解説
蜘蛛子さん、復活!
一瞬の隙をつかれ、アリエルの《深淵魔法》を受けてしまった蜘蛛子さん
《不死》の効かない攻撃に死を覚悟しましたが、攻撃が当たる寸前に一か八かで魂を《産卵》によって産み出していた卵の一つに移植し、見事成功
無事生き延び、復活を遂げました
これで肉体は《不死》で、精神は卵復活でと名実ともに「不滅」となった蜘蛛子さんは喜びを噛みしめつつ、「不意打ちの《深淵魔法》は喰らわないように気を付けよう」と過信しないように自身を戒めました
蜘蛛子さんの勝負強さここにあり!
17話の際に《深淵魔法》の対策を考えていた時に考え付いた「魂だけを別の体に移す方法」
実例があった為、可能性としては十分あり得ましたが、実際に検証したわけではないので成功するかどうかは出たとこ勝負
それを見事にもぎ取った蜘蛛子さんの「発想力」と生きる為の「執念」はさすがと言った感じですね
実際問題、自分が死の窮地に立たされた状態で「魂だけを別の体に移す方法」に思い至ったのは本当に凄い
自分だったらテンパってそのままジ・エンドですね(笑)
もしかしたら、《思考超加速》で考える時間が長かったのも影響しているのかもしれませんが、今までずっと”生”に必死だったたからこその『諦めない気持ち』も大切だなと思うシーンでした
《禁忌》のカンストと白との対面
時系列は人間パートへ
エルフが持ちだしてきた戦闘兵器「グローリア」に囲まれるソフィアとラース
グローリアの一斉攻撃すらものともしない二人の強さにシュンは驚愕しつつも、親友の無事にどこか安堵していました
しかし、続くグローリアやエルフ達の攻撃に反撃する二人によって生じる犠牲者の数々にシュンはソフィアに刃を向けますが、ラースに止められます
「悪いけど、少し眠っててもらうよ」
ラースの剣がそのままシュンに振り下ろされた瞬間、シュンをかばってアナが間に入り、ラースの攻撃を受けアナはそのまま死んでしまいました
突然のアナの死に動揺したシュンは、迷うことなく死者蘇生のスキル《慈悲》を発動
アナを蘇らせることに成功しましたが、それと引き換えにシュンは《禁忌》のレベルが上がり、ついにカンスト
禁忌がカンストしたことによって始まった《情報のインストール》によって、シュンは味わったことのないほどの頭痛に襲われます
その異変に困惑するソフィアとラースでしたが、その隙を狙って今まで息を殺していたユーゴーがソフィアに襲い掛かります
しかし、ユーゴーが振り下ろした剣はソフィアに届かずに吹き飛ばされてしまいます
苦しみながらもユーゴーが放った「クソッ!リホ子の分際で…」の一言にソフィアはブチ切れ、ユーゴーの頭を片手で掴み、持ち上げます
そのまま殺すような勢いのソフィアでしたが、その殺気はユーゴーに届かず、ユーゴーの頭に光が覆われ、そのまま崩れ落ちました
「ご主人様、邪魔しないでくれる?」
ソフィアに”ご主人様”と呼ばれた真っ白い少女
その少女の顔はその場に居る全員が驚く顔立ちをしていました
「お久しぶりです。先生」
フィリメスの固有スキル《生徒名簿》では死んだものとなっていて、フェイこと漆原美麗が前世でイジメていたクラスメイトである若葉緋色の姿がそこにはありました
最大の伏線回収、ここに完結!
今まで散々焦らし、ボカされてきた設定がここで明確化しましたね
正直なことを言うと、原作読んでなくても「でしょうね!」っていう感想を持ったと思います(笑)
あと冒頭でも書きましたが、アニメでの人間パートはここで終了になります
さらに言えば、原作11巻時点でもこの先の展開はまだ登場していません
あくまで個人的な予測になりますが、シュン達のこの戦争は「蜘蛛ですが、なにか?」における最終話に近い話なのではないかと思っています
というのも、この話以降、原作で繰り広げられる展開は蜘蛛子パートと人間パートの間にあった15年間の話が展開されていき、その内容を読む感じでは、どう考えてもこの戦いが最後の戦いになっている気がするんですよね
つまり、「蜘蛛ですが、なにか?」は最初の話と最後の話が同時並行して展開されていたという事
原作ではそれこそ蜘蛛の巣のように張り巡らされた伏線の数々を読み進めていくうちに回収していく爽快感があって十分楽しめたんですが、アニメだと尺やテンポ感の都合上、その爽快感が十分に伝わらなかった印象
さらに言えば「ここカットするの!?」ってシーンもあったのでより原作の内容が薄くなってしまった印象もありました
原作にならってこの構成にしているのは、個人的には評価出来る範囲ですが、他の方の感想でも見る「蜘蛛子パートだけで良かったのでは?」という意見はその辺りが影響しているのかもしれませんね
2つのパートを同時並行すると、どう制作を頑張っても人間パートの消化不良感は否めなくなりますからね
アラクネへの進化
再び蜘蛛子さんパートへ
アリエル戦の際にかなりレベルアップをし、念願の【アラクネ】への進化が可能になった蜘蛛子さん
迷うことなく進化することにした蜘蛛子さんは、上半身だけとは言え、遂に人型の体を手に入れました
下半身は蜘蛛の姿で、その頭から生えているような形で存在する人型の上半身
意味もなく手をグーパーと広げますが、指が自分の意思で動くというそんな人だったら当たり前の仕草に懐かしさを感じ、蜘蛛子さんは喜びを噛みしめていました
さらに特徴的なのは上半身と下半身にそれぞれ脳があり、視界も共有できるという事
《並列意思》とはまた違う、意識が二つあるような妙な感覚を覚えながらも、首を動かすだけでかなり広い視界を確保できるこの体に驚きました
ステータスの確認や自身の体の確認、そして《産卵》によって産み出した卵から孵化した他の蜘蛛たちに餌を残してその場を去る蜘蛛子さん
その時にふとソフィアがいた街のことが気になり、《千里眼》で様子を見てみました
すると、戦争で手薄になっている街はオウツ国に攻められいて、街は火の海になっていました
さらに、領主の家に侵入しようとしているエルフの姿も見つけた蜘蛛子さんは転移でソフィアの屋敷に飛ぶことにしました
ついにやって来たよこの時が!!
人の姿を得た蜘蛛子さんですが、久しぶりに味わう「人の感覚」は嬉しいですよね
下半身は蜘蛛なので今までの六足歩行(八本中二本は鎌なので)と変わりませんが、指が動かせるという人として当たり前のことを再び味わえる喜びは大きいでしょう
そして、あの進化してどんどん厳つさを増していきながらも、どこかマスコット的な雰囲気は残し続けてきた蜘蛛子さんの姿も良かったですが、やっぱ人型の破壊力w
さすが、原作でも”その美貌は男子には崇拝され、女子には遠巻きにされていた”と言うだけあって綺麗な容姿!
輝竜司さんが描くイラストでも十分堪能していましたが、動いて喋る姿も良いですね!
「これフィギュア化したら凄そうだな…」と思ってたら、やっぱ凄かったw
アニメほどの全体的な大きさの再現度では無いですが、それでも十分な存在感!
お財布に余裕があったら買おうかしら(笑)
ちなみに、蜘蛛子さんはこの姿になるまで「自分はもしかしたら雄なのではないか?」と疑っていたみたいです
どうやら私は雌で間違いなかったらしい。
原作「蜘蛛ですが、なにか?」5巻より
雌にこんな膨れた胸は付いてないでしょ。
前の蜘蛛の体だと雄なんだか雌なんだかわかったもんじゃなかったから、もしかしたら私って実は雄だったんじゃねって懸念があったんだけど、どうやら雌で合ってた模様。
確かにw
蜘蛛の姿だと、自分が雄なのか雌なのか分からないですよね(笑)蜘蛛の生体に詳しい人なら分かるのかもしれませんが…
従者の覚悟と交わされた約束
オウツ国に攻め入られ、火の海と化した街
その街の領主であるケレンに仕えるメラゾフィスは、領主の身を案じ逃げることを提案しますが、責任感のあるケレンは「民より先に逃げることは出来ない」と残る覚悟を決めていました
気高くも誇り高い主人に敬意を表し、自身も残ろうとしますが、ケレンから「娘を頼む」とソフィアを託されます
「私が一番信頼するお前に、娘を託したいのだ」
命令という形ではなく、心からのお願いをしてきた領主
そして、「私からもお願い」とその奥様からもお願いされ、その願いを聞き入れることにしたメラゾフィスは『命に代えても守ること』を誓います
ソフィアを抱え、部屋を飛び出した直後、夫妻がいる部屋に襲撃者が飛び込んでくる音がしましたが、「行け!メラゾフィス!」という領主の言葉を背に、そのまま廊下を走り抜けました
しかし、その後すぐに襲撃者によってメラゾフィスは背後を襲われ、抵抗を試みますが、襲撃者の猛攻に動けなくなってしまいます
「ここまでか…」と思いつつも、ソフィアを守ろうと庇うように自身の体に抱き寄せます
その直後、同じく逆転の目を探していたソフィアによってメラゾフィスは首筋を噛まれ、メラゾフィスは人間から吸血鬼へと変化
怪我がみるみると治っていき、圧倒的な力を手に入れたメラゾフィスは襲撃者を一蹴していきます
「いつまで遊んでいる」
その一言と同時に放たれた魔法によって、壁に叩きつけられたメラゾフィス
驚くソフィアの目の前に現れたのはエルフの長であるポティマスでした
「吸血鬼は残しておくと後々厄介なことになりかねん」という言葉と共にソフィアを殺そうとする襲撃者たちでしたが、その間に割って入るようにメラゾフィスが体を張ってソフィアを守ろうとします
その姿を見たポティマスはソフィアが吸血鬼であることを語りますが、メラゾフィスは「そんなことは関係ない」と主人と交わした約束の為に、命を懸けて守る姿勢を崩しませんでした
そんなメラゾフィスの姿を見ても何の同情も湧かなかったどころか、「くだらない」とさえ感じたポティマスは魔法で殺そうとしますが、その魔法は一発の拳によって阻止されます
その拳を放ったのはアラクネへと進化を果たした蜘蛛子さん
転移によって現れた蜘蛛子さんは登場して早々、ポティマスの顔面に拳を叩きつけたのでした
ケレンの領主としての責任感やその妻の覚悟、そしてメラゾフィスの忠誠心と決して違えることのない誓いを描いたこのシーンは、肉体的な強さではなく精神的な強さが垣間見えたシーンでしたね
今までも神獣(というか蜘蛛子さん)が現れたことによるケレンの苦悩が描かれたりしていましたが、それも領主だからこその苦悩であり、責任感の強さは十分伝わってきたと思います
しかし、自身の身が危険にさらされようとも、民より先に逃げることは決してしなかったケレンは本当に優秀で誇りある領主だなと感じましたね
さらに同じく、襲撃者が攻めてきても動じず、ソフィアを安心づけ、動揺することなく落ち着いていたケレンの妻
アニメではその様子だけが描かれていましたが、原作ではメラゾフィスがその姿を見てケレンとその奥様の仲睦まじさをしっかり理解しています
その旦那様と共に、奥様も残るおつもりでいる。
原作「蜘蛛ですが、なにか?」5巻より
最後の時まで寄り添おうとしておられる。
本当に仲睦まじい。
そして、どんなに瀕死になろうとも最後までソフィアを守ろうとしていたメラゾフィスの忠誠心には感服しました
実はこの忠誠心の深さは14話での出来事が一つの要因となっています
14話の時に盗賊に襲われた際に、主人を守れず、主人の身を守れなかったメラゾフィスはこの出来事を「到底許されざる失態だ」と感じていました
しかし、主人であるケレンは叱責するのではなく、むしろ身を案じてくれました
その出来事から「良き主に恵まれた」と感謝し、命を懸けるだけの価値があると身を捧げることを誓います
この辺りの心情はアニメでは描かれておらず、原作で描かれている内容になりますが、その忠誠心を最後まで行動で示し続けたメラゾフィスの精神的な強さは称賛に値するのではないでしょうか
ポティマスvs蜘蛛子さん
ポティマスに先制パンチを喰らわせ、壁まで吹き飛ばした蜘蛛子さん
その後、新たに取得した《歪曲の邪眼》にて周囲の襲撃者(エルフ)を撃破します
見た場所の空間を歪ませることが出来る。対象が「空間」なので抉る部位の選択も可能。さらに千里眼との併用も出来る。ただし、攻撃対象にした空間から離れられると回避されてしまう。
襲撃者を撃破後、近くにいたメラゾフィスを治療魔法にて回復してあげます
回復が終わると、「奇怪な生物に邪魔をされたな」と壁に吹き飛ばしたポティマスが何事もなかったかのように近づいてきました
蜘蛛子さんのステータスで殴っても平然としているポティマスに驚きつつ、《鑑定》を試みますが結果は『鑑定不能』
魔王アリエルですら鑑定出来た《叡智》が効かない相手にさらに驚きます
厄介な相手だと判断した蜘蛛子さんはソフィアとメラゾフィスを連れて転移で逃げようとしますが、ポティマスに《抗魔術結界》を張られ、魔法やスキル、さらにステータスの類が強制解除されてしまいます
「私の名はポティマス・ハァイフェナス。貴様を私の敵たりえると認めよう」
その言葉と共に肉弾戦による攻撃を仕掛けてくるポティマス
魔法やスキルを無効化され、思ったように体が動かせない中で必死に避け続けますが、かなりギリギリの状態
想像以上にマズい状況に混乱しますが、蜘蛛子さんはふとある事に気が付きます
それはスキル《思考超加速》が使えているという事
自身で分析した結果、「体内で効果が完結するスキルは発動可能」という事が分かり一縷の望みが見えた蜘蛛子さんでしたが、それでも逃げ回るのが精一杯
反撃の糸口を探しつつ、タックルを仕掛けてきたポティマスを華麗に避け、鎌で頭部を攻撃
その勢いで壁にぶつかったポティマスが起き上がると、頭の皮膚がはがれ、その下には金属質の骨格がのぞいていました
「どこのアーノルド型のロボットだよ!?」
世界観ぶち壊しの設定に蜘蛛子さんはツッコミを入れつつ、この科学技術こそがこの異世界を崩壊に導いたものだと《禁忌》で知っていたので、その技術を平然と使っているポティマスをこの場で仕留めなければならないと覚悟を決めます
予想以上に粘る蜘蛛子さんにポティマスは苛立ちを覚え、右手を銃に変化
マシンガンのように弾を連射させ、蜘蛛子さんに襲い掛かります
必至に避けるものの、この結界内での完全な回避は不可能だと判断し、そのまま天井まで駆け上がり、ポティマスの頭上目掛けて飛び降りていきます
格好の的となった蜘蛛子さんの頭にポティマスの銃が放たれ、人型の首が吹き飛びますが、蜘蛛子さんの脳は2つ
人型の方が吹き飛ばされても、蜘蛛型の脳が残っていれば行動可能な蜘蛛子さんはそのまま重力を乗せたパンチを喰らわせます
攻撃は当たったものの、それでも痛恨の一撃にはならず、逆にポティマスの警戒心を強め、その後も銃による攻撃が蜘蛛子さんに襲い掛かります
「こうなりゃヤケだ!」と蜘蛛子さんは全邪眼を発動
ほとんど無効化されてしまう邪眼でしたが、唯一《歪曲の邪眼》のみ発動し、ポティマスの右腕の銃身を捻じ曲げます
体内の空間を捻じ曲げたことで効果が発動した《歪曲の邪眼》に勝機を見出したものの、ポティマス自身もそう易々と喰らう訳もなく、空間からの離脱によって攻撃を回避します
《歪曲の邪眼》を当てれば蜘蛛子さんの勝利ですが、肉弾戦ならポティマスが有利
互いに互いの隙を伺い、緊張感が高まり続ける中、天井から轟音を響かせ、何かが降ってきました
「やぁやぁ。魔王少女アリエルちゃん、華麗に参上!」
「キラッ☆」という効果音がお似合いな目元Vサインを決め、この空気をぶち壊す場違いな登場をしてきたアリエルが、天井をぶち破って降ってきたのでした
まず一言言わせて欲しい…
空気読め!!(笑)
期せずして蜘蛛子さんと同じツッコミになってしまいましたが、そう思ったんだから仕方がない
魔王の破壊力が場の空気すらもぶち壊すとは…魔王、おそろしい子w
とまぁ冗談はさておき、ポティマスが使っていた「抗魔術結界」ですが、これはかなり厄介な代物
スキルやステータスを無効化するということは、この世界に於いてシステムを否定する以外の何ものでもありません
今までの戦闘で蜘蛛子さんが勝利を収めてこれたのも、このシステムによるものが大きかったので、これは蜘蛛子さんにとってはかなり絶望的な状況でした
この心理描写に関しては、原作ではしっかり描かれています
今まで私が積み上げてきた力。それが突然奪われた。頭の中が真っ白になる。
原作「蜘蛛ですが、なにか?」5巻より
そんな絶望に打ちひしがれた精神状態で「体内で完結するスキルは使用可能」という結果を導き出せたのは、流石だなと思いましたね
そして、もしかしたら「物理攻撃が可能なら糸攻撃も使えるのでは?」と思っている人もいるのかなと思ったので少し解説
結論としては「使えません」
糸攻撃はスキルによって攻撃する手段であり、体外に排出されるものの為、蜘蛛子さんの体から出る前に霧散してしまいます
実は原作ではこの糸攻撃が有効かどうかを検証するために、蜘蛛子さんは実際に試しています
なんだかんだ言って私が一番信頼しているスキルはこの糸だ。その糸が、体から出る前に形を無くして霧散した。やっぱりダメだ。使えない。
原作「蜘蛛ですが、なにか?」5巻より
すると新たな疑問がもう一つ
「胸に巻いている糸はなぜそのままなのか?」
これに関しても原作では描かれていて、蜘蛛子さんは「結界が生成される前に作られた糸に関しては消えない」と結論付けています
結局のところ、「抗魔術結界」は厄介ではあるものの万能ではないという事ですね
ただ、この胸に巻いた糸に付与されていた防御力関係のスキルは無効化されていて、この時はただの白いちょっと綺麗な布に成り下がっていたので防御力としてはあって無いようなもの
さらに、この服の糸を攻撃手段として使うにしても、《操糸》が使えないので無意味
「新たな糸の生成が不可」「結界前に作り出した糸も攻撃手段としては無意味」ということから『糸攻撃は使えない』とこの戦いで蜘蛛子さんは判断していますね
魔王少女アリエルちゃん&ポティマスの秘密
急な登場とアリエルのあまりの性格の変化に戸惑う蜘蛛子さんとポティマス
思わず「本物か?」とポティマスが聞いてしまう程の性格の変化振りに驚きますが、そんな二人をよそに、「なぜポティマスがここにいるの?」とポティマスにアリエルは問いかけます
しかし、当のポティマスは答えをはぐらかします
すると結界は発動中だというのに、地面が揺れる程の蹴りをアリエルは見せつけ「さっさと吐け」と先程までの陽気な空気を凍りつかせる気配を漂わせながら問い詰めます
「それとも強制的に吐かされたい?」というアリエルのさらなる問いに、「断る」と返答したポティマスはそのままアリエルに攻撃を仕掛けます
ポティマスのその攻撃も空しく、アリエルに一撃で体を木っ端微塵にされ、首だけが残りました
その残った首もアリエルは踏み潰し、ポティマスとの戦いは呆気ない幕切れを迎えました
一方、無数のポティマスの肉体が保管されている場所
その無数の内の一体が、目を覚ましました
「してやられたな」
アリエルにやられ、別の肉体に移ったポティマスはそう呟きながら目を覚まします
アリエルのみならず、今回の戦いで蜘蛛子さんの厄介さも認識したポティマスは蜘蛛子さんに向けても敵意を表しました
「かならず始末する」
アリエルの性格が変わったからこその陰と陽のギャップは、ただ恐怖感が増しただけでしたね(笑)
そして、結界でスキルが無効化されている中でも、蜘蛛子さんが苦戦していたポティマスを一撃で倒せる強さは流石と言ったところ
『純粋な力』という部分での格の違いを見せつける場面ですね
そして、今回明かされたポティマスの秘密
それは『ポティマスの肉体は複数存在している』という事
機械の肉体なので当然あり得る話ではありますが、この秘密があったからこそ14話でソフィアがポティマスを殺しても、また復活していたんですね
ただこの場合、肉体を全部破壊するか本体、または魂を壊すかどちらかをしないと倒せないのでは?
その辺はアリエル自身も理解してそうですが、そもそもポティマスの魂自体がこの世界の住人たちと同じなのか、それともデータ化された魂なのかなどSF要素が混じって来たのでその辺が気になるところではありますね
真の平穏の日々
ポティマスを排除したアリエルは、そのまま蜘蛛子さんに向き直り一つの提案をします
それは『停戦』
《深淵魔法》でも殺せない相手に対しての理解不能な感覚
そして、元体担当と精神が融合してしまった為、蜘蛛子さんを殺す気力がなくなってしまったというのが『停戦』を申し出た理由でした
その提案に対して、蜘蛛子さんは即了承
元々狙われたからやり返しただけで、敵対する理由もなかったので蜘蛛子さんとしては願ったり叶ったり
アリエルが差し出す手を人型の手で取り、固い握手を交わしました
これでやっと「誰にも狙われない平穏な日々」が蜘蛛子さんに訪れるのでした
祝!平穏!!
最底辺種族として生まれ、エルロー大迷宮で多くの魔物からの恐怖に打ち勝ち、やっと脱出したと思ったらマザーに狙われ、それを倒したと思ったら今度は魔王に狙われるという常に何かしらの脅威にさらされ続けてきた蜘蛛子さんに訪れた「真の平穏」!
こんだけ強くなったのに、平穏が訪れたのが今というのも中々不運極まってますよね(笑)
兎にも角にも、24話にしてやっと訪れた蜘蛛子さんの平穏の日々
その平穏を満喫してほしいものです
ちなみに、アニメではアリエルが停戦を申し出た理由の一つとして「蜘蛛子さんが生きていられる理由が分からないから」という形で語られましたが、原作ではそれに付け加える形の最大の理由として「怖いから」というのも理由として挙げています
「普通に殺しても死なないし、普通じゃない方法で殺しても死なないし。どうやったら死ぬの?イヤ、マジで。そんな訳わかめな不死身っぷりを見せつけられたこっちとしてはさあ、正直これ以上敵対したくないって言うのが本音なんだよね。うん、ぶっちゃけ怖い」
原作「蜘蛛ですが、なにか?」5巻より
恐怖を感じながらも「訳わかめ」とか言っている辺り、蜘蛛子さんの影響受けすぎですが、かなりの強さを誇る魔王を恐怖させる蜘蛛子さんは流石ですね
ヒーローになりますが、なにか?
屋敷を出た蜘蛛子さんとアリエル
その道中でアリエルは『停戦』以外にもう一つ提案をします
それは『手を組んで”世界の害悪”ポティマスの本体を倒すこと』
「味方になってくれたらこれ以上頼もしい味方はいない」と蜘蛛子さんを誘うアリエルは、同時に茂みに隠れていたメラゾフィスとソフィアにも声を掛けます
吸血鬼となってしまったメラゾフィスは人として生きていくことが難しくなり、行き場が無い状態
その事に対してソフィアは《念話》でメラゾフィスに謝罪します
急に話しかけられたことにメラゾフィスは驚きつつも、「吸血鬼になった事に対して恨む気持ちは無く、むしろ感謝している」と話し、さらに「命が尽きるまでお守り致します」とソフィアに誓います
その言葉にソフィアは心打たれつつ、取り敢えずメラゾフィスと共にアリエルについていくことにします
ソフィアとメラゾフィスも加わり、皆で魔族領に向かうことになった一行
蜘蛛子さん自身も、ポティマスが世界を崩壊させる技術を持っている事やこの星で生き残るためにはポティマスを倒さなければならない事も理解していたので、アリエルと手を組むこと自体に異論はありませんでした
”星を守る”という壮大な話になってきたことに蜘蛛子さんは困惑しつつも、アリエルはテンション高めに宣言します
「共にこの世界を救うヒーローになろうじゃないか!」
それから時は経ち
新たな魔族軍のメンバーと共に、遠くの森を見つめる蜘蛛子さんこと白
皆が進み出す中で、世界を救うことについて思いを馳せます
「それにしても、世界を救うヒーローとか…ないわー」
第1期完結!
今まで生きる事に必死だった蜘蛛子さんでしたが、最終的に世界を救うところまで行きましたね(笑)
そして、このラストにて判明したことは2つ
1つ目が、世界を救おうとしていたのは魔王だったという事
大体は「世界を救う」=「勇者」の図式ですが、「蜘蛛ですが、なにか?」においては魔王が世界を救う側の立場だったという話ですね
まぁ主人公である蜘蛛子さんが《禁忌》で得た情報から考えた結果、魔王についたという感じなので、同じく《禁忌》をカンストさせたシュンがポティマスを倒す為に手を組むという可能性もありますけどね
2つ目は、白は蜘蛛子さんだったという事
アニメではこの内容は微妙にぼかされてきたので、この関係性が明確化されたのはこのラストシーンからですね
明言がされたわけでもないですし、最後のテロップでも「私」と白がしっかり分けられてはいましたが、これまでの流れや最後のセリフの流れを考えたら間違いないでしょうね
ただ、これもラースの正体に続いてほとんどの人が分かってたんじゃないかな?(笑)
あまり伏線になってなかったですね
ちなみに、このシーンでのソフィアとメラゾフィスのやり取りは結構良い話風になっていますよね?
実際、原作でも蜘蛛子さんもそう感じていましたが、アリエルはそれ以上に感動していました
うんうん。イイハナシダナー。
原作「蜘蛛ですが、なにか?」5巻より
なぜか私の隣で魔王が号泣してるけど、そこまでか?
イヤ、確かに感動ポイントだろうけど、そんな号泣するほどか?
このシーン描いてほしかったな…絶対笑えたのにw
元体担当が混じったアリエルって喜怒哀楽が激しくて笑えるキャラに変貌してるんですよね
それだけに、もう少し蜘蛛子パートを見てみたかったと言うのが正直なところではあります
まとめ
2クール連続で放送された「蜘蛛ですが、なにか?」も無事フィナーレ!
終わってみると「あっという間だったな」という印象がありますが、個人的な総評としては作画面での残念さはありましたが、面白かったですね!
人ではなく蜘蛛に転生するという変わった設定をしっかり活かしつつ、最底辺種族ながらも強者に対して分析と判断をし、行動して結果をもぎ取っていく蜘蛛子さんの姿は勇気を貰いました!
原作勢としては、この後の展開からまた一段と面白くなっていくので是非ともアニメ2期をやってほしいなと思います
ちなみに、アニメに関しては原作5巻までの内容となっているので、もしも「続きを見てみたい!」と思った方は原作6巻から読んでみても良いかもしれませんね
それでは今回はこの辺で!
また会いましょう