どうもウハルです
今回は、『死物語 下(なでこアラウンド)』のネタバレ有りの感想と解説を語っていきます!
モンスターシーズンもこの巻で完結!
阿良々木くんの大学生編を描いたモンスターシーズンである忍物語、宵物語、余物語、扇物語
この中の宵物語から始まった千石撫子の成長譚のフィナーレが『死物語 下』になります
この巻ですが、本当に面白かった!
個人的な意見を言うのであれば『死物語 上』よりも面白かったです
”可愛いだけの撫子ちゃん”ではなくなり、神様でもなくなった千石撫子
そんな彼女が、向かった先は蛇遣いにして、全ての元凶にして、臥煙伊豆湖の娘の洗人迂路子の本拠地「西表島」…のはずが、まさかの無人島サバイバルへと発展!?
手元に何もなく、服すらない状態から始まったこのサバイバルを生き抜いていく撫子の逞しさたるや化物語からの撫子を知っているからこそ成長を実感できる内容となっていました
さらに、「これここで言うの!?」と言うような裏設定が明らかになったり、暴露話まで登場してきちゃったので、いち物語シリーズファンとしては読みごたえも抜群の1冊でしたね!
その辺りも含めて、『死物語 下(なでこアラウンド)』の感想と解説を語っていきます!
なお今回は、ネタバレ有りになりますのでご了承ください
併せて、『死物語 下』を読む上で楽しめる物語シリーズ5作品もご紹介いたします!
なお、『死物語 上(しのぶスーサイド)』の感想と解説、『物語シリーズ』のアニメ&原作小説についての関連記事も以前書いていますので、興味がある方は是非!
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「死物語 下」あらすじ
”おやすみなさい。いい夜と、いい夢を”
専門家の見習いとして、斧乃木余接、貝木泥舟と共に西表島へ向かう千石撫子。敵は蛇遣い・洗人迂路子――全ての元凶にして、臥煙伊豆湖の実の娘である。撫子が挑む”死闘”の結末は――?
ありがとう。また遭う日までが、青春だ。
著者 | 西尾維新 |
イラスト | VOFAN |
刊行 | 講談社BOX |
発売日 | 2021年8月19日 |
キャッチコピー | 100パーセント趣味で書かれた小説で死た。 |
PV
『死物語 下』感想&解説
西尾維新の本音?
『死物語 下(なでこアラウンド)』ですが、この作品の出だしは”千石撫子の歴史”から始まります
もちろん、千石撫子の歴史も語られるんですが、どちらかと言うと「これ、千石撫子の設定の話してないか?(笑)」と思える内容に思わず笑ってしまいましたw
例えば、撫子がいきなり語り出した内容
最早これっぽっちも意外な裏話でもありませんが、そもそも撫子は物語において主軸のキャラクターではありませんでした。言葉を選ばずに言えば、主役陣をより引き立たせるためのバイプレイヤーでした。当然、この『バイプレイヤー』という表現は、実際には滅茶苦茶言葉を選んでいます。当たり障りのなさもこれに極まれりです。本当に選ばなかった場合は、脇役、もしくはモブキャラとなります。
『死物語 下』より
これまでの千石撫子の物語シリーズでの立ち位置を考えると、想像もつかない初期設定(笑)
さらに詳細が語られるんですが、そもそも撫子が創作された経緯としては、その前に登場した神原駿河の影響が大きかったようです
直前に登場した神原駿河という変態にしてアスリートにしてスーパースターな希代の奇人を描くにあたって、言うならばまともな、ある意味でややこしくない、もやもやとは無縁な被害者と言う側面しか持たない、認知的不協和を喚起させない創作上の少女を物語が必要としたというのっぴきらない事情があったようです。
『死物語 下』より
それだけでなく、初期のころは「『大人しい』しかキャラのない、完全な弱キャラ」や「千石撫子は『被害者であり、加害者でもある』という側面を持つ他のヒロインとは違う」などが語られていきますが、その撫子の立ち位置に大きな変化をもたらしたのが”アニメ”でした
この”アニメ”でのブレイクについて分析した結果も語られていますね
分析すると、原作で掘り下げられていないからこそ、アニメで自由に遊べる部分があったという点は大きいのでしょう――弱キャラが強みになるとは、何が幸いするかわかりません。
『死物語 下』より
確かに、化物語に登場する千石撫子以外のヒロインたちの過去回想に関しては、その怪異と出会った理由、または怪異にまつわる事象だったりしますが、撫子に関しては阿良々木くんと出会い、「暦お兄ちゃん」と呼ぶことになったキッカケの時の話です
というよりそもそもの話、撫子の過去回想に関してはアニメオリジナルであり、原作にありません
こういったちょっとした深堀を出来た辺りが、西尾維新が言う”自由に遊べる部分”なんだなと感じました
あと、アニメでのブレイクに関して個人的な意見を言うのであれば、衝撃的なビジュアルと声優、主題歌『恋愛サーキュレーション』の力も強かったのかなと思います
手ブラにブルマ姿&スクール水着という放送ギリギリのような姿を、これまたギリギリのカメラワークで描いた話題(問題?)シーンの数々
花澤香菜さんの美声と演技によって、撫子の可愛さがより一層際立ったキャスティングも見事
また、千石撫子というキャラクターを理解するだけでなく、なでこスネイクという話を読み込み、そのストーリー性とキャラクター性を歌詞で見事に表現した日向めぐみさんことmeg rockさんと数多くの名楽曲を手掛けた神前暁さんの『恋愛サーキュレーション』も非常に良かった
これらが相乗効果を生んで、「なでこスネイク」という話だけでなく、千石撫子というキャラクターが注目されたのは間違いないかなと思います
この千石撫子のキャラクター性について以外にも『心の闇』を描いたら、女子中学生から神様になってしまい、頂上から降ろせなくなるほどのキャラになってしまって、「キャラクターが勝手に動くにもほどがある」と言っていたり、その立ち位置から引きずり降ろすために詐欺師である貝木泥舟に頼るしかなくなり、”毒をもって毒を制す”という手法をとったこと
さらに、臥煙伊豆湖の弟子は阿良々木月火の予定だったなど色々ぼやいています
最後と言うだけあって、西尾維新先生も千石撫子について語っときたかったんでしょうかね(笑)面白かったですけど
臥煙伊豆湖の娘・洗人迂路子
『まよいスネイク』で臥煙伊豆湖に目を付けられ、『よつぎシャドウ』にて試験に合格し、『おうぎフライト』にて過去の因縁との対峙と蛇の呪いの退治をしつつ、『なでこアラウンド』にて向かった先は西表島
西表島には、蛇遣いであり、呪いの元凶でもある洗人迂路子のアジトがあり、そこに乗り込むために飛行機で向かうことになります
そのメンバーは千石撫子、死体人形の斧乃木余接、詐欺師の貝木泥舟の3人
飛行機で西表島に向かった3人でしたが、貝木泥舟の口から語られた洗人迂路子の正体は千石撫子と斧乃木余接に驚きと衝撃を与えました
なんだ、聞いていなかったのか?だったら五百円で教えてやるが、洗人迂路子の本名は臥煙雨露湖。臥煙伊豆湖の実の娘だよ
『死物語 下」より
読者としては、この事実は前巻の『扇物語』にて知っていた事実ではありますが、それでも衝撃的だった
まさか、あの臥煙伊豆湖に娘が居たとは!
しかも、それを五百円で教えちゃう貝木泥舟の価格設定のおかしさね(笑)
このあと、撫子が貝木に年齢を聞くんですが、その時の価格設定は五万円
確かに貝木の年齢も気になるけど、この差はなんだw
そして、この事実を余接が知らなかったというのも意外
むしろこういった情報を一番知ってそうな立ち位置なんですけどね
ちなみに、この事実を知った時の余接の反応は面白かったです
「えええええええええええええええ?」
『死物語 下』より
…私の膝の上で、斧乃木ちゃんが震えていました。棒読みで。無表情で。しかし、ゾンビならぬ鯰のごとく、震えていました。
撫子の膝の上にいた余接のこの驚き方w
棒読み&無表情という声と顔に対して、リアクションがまったく一致していないアンバランスな驚き方は想像したら面白くなってしまいましたよね
手ぶらの無人島サバイバル
飛行機で西表島に向かっている最中に突如意識を失った千石撫子
次に目を覚ました時は、誰もいない砂浜にただ一人流れ着いていました
すっぱだかで…
燦々と照り付ける太陽の元、紫外線による肌の痛みによって目を覚ました撫子は意識を失う前のことを思い返します
貝木や余接と会話をしていると、突如激しく揺れ出した飛行機
酸素マスクが頭上から落ちてきたのかも分からないくらい上下左右に揺れ、最前列にいるにもかかわらず、窓の外には見えるはずのない飛行機の翼が見え、その翼は飴細工のようにねじれていました
そこから、あまりの揺れに脳震盪のようなものを起こし、遠ざかっていく意識の中、最後に見たのは窓の外から見えた機体に巻き付いた大蛇の尻尾
そして、気が付いたら裸一貫で無人島に流されていたという現状でした
服に関しては流されている最中にびりびりに引きちぎられ、靴なども全て脱げていました
持ってきていた荷物なども回収できるわけもなく、体一つで無人島に到着
無人島にひとつだけ持って行くなら、何を持って行く?
『死物語 下』より
手ぶらできてしまいました。私の人間性がよく表れていますね。
数々のヒロインの裸姿や千石撫子の手ブラにブルマ姿、スクール水着姿という近年稀にみる姿が登場してきた作品なので裸姿に関しては今更感もありますが、場所が悪すぎる
風呂場や姉妹のベッドの上、散らかりまくった後輩の部屋などではなく、ここは無人島
撫子自身も過去に呪いを解く為に、山中に通っていた経験があったので衣服の有無についての危険性については直感で感じ取っていました
この無人島には山林があるんですが、露出した肌では虫たちにとって格好の餌食になるし、転んだ場合や葉っぱによるケガに関しても衣服の有無だけでも度合いが変わってくる
ましてや、消毒液などもないこの状況下では全てが命に関わってくる
千石撫子が”手ぶら”で来てしまった無人島でのサバイバルは予想以上と言うか、予想通りの危険な幕開けとなりました
『石』の能力者?
文字通りの裸一貫から始まった千石撫子のサバイバル
裸だから恥ずかしいとかそんなことを言っている場合じゃないのは、当の本人も百も承知
そこで色々思考した結果、まずは「火」を手に入れようと動き始めます
そのために、板に火をつける方法を試そうとして、道具を使って火をつける為に何か砂浜に打ち上げられていないかと探してみますが、ゴミ一つ落ちていない
無人島の砂浜に何もないという事に違和感を感じつつ、撫子は「石を使って火をつける」と言う手段をとります
特殊な石じゃなくても、ある程度の硬度があれば石同士をぶつける事で火花を飛ばすことが理論上は可能であるため、岩に石を投げつけるということをひたすら繰り返し続けました
日焼けをし、手の皮がずるずるになりながらもなんとか火を手に入れた撫子はその後、海水を濾過させたり、降り注いだ雨による雨水で「水」を手に入れます
そして、次に動き出したのが「食」
山林に入るのは危険な為、海で魚を捕ろうと考えますが、ここで大きな問題
それは泳げないという事
泳げないと言っても人それぞれですが、千石撫子の場合は1メートルも泳げない金槌
そこで考えたのが、波打ち際の岩に石をぶつけて衝撃波を起こし、岩陰の魚を気絶させるという手法
ちなみに、これは法律で禁止されているそうですが、飢え死にするわけにもいかないのでこの手法を実行し、撫子は見事に「食」を得ることに成功しました
その後も石を使って鎌を作ったり、海に潜るための重り代わりにしたりと石を有効活用していきます
遭難初日にして『火』と『水』の能力者になったつもりでしたが、どうやら私は『石』を司る能力者のようです。
『死物語 下』より
内容に関しては色々省いた部分もありますが、この内容を見るだけでもかなり過酷
岩に石を投げつけて火をつけるだけでも相当な労力を強いられる中、燻ぶった火種を絶やさないために、集めた木の枝の中に素手で掴んで持って行くという事までしています
当然、手は火傷しますし、その怪我した手を消毒するために塩水に手を突っ込みますが、めちゃくちゃ染みて思わず悲鳴を上げるほど
「可愛いだけの撫子ちゃん」はどこへやら、生きる事に必死の逞しさ溢れる撫子ですが、相変わらず苦労は絶えませんね
抗えぬ欲求と最悪の失敗
サバイバル生活もどんどん長引き、気付けば二週間という日にちが立っていました
誰も助けに来ず、体もどんどん痩せ細っていき、死が着実に近づいてきていました
そんな中、精神的にも限界が近づいてきていました
しかし、その精神的な部分は無人島生活が辛いとかそういったものとはズレていました
というのも、千石撫子が感じていた限界と言うのが「絵が描けない、漫画が描けない」という事
ペンも紙もないこの状況下とはいえ、二週間も絵が描けていないという事実は撫子にとって苦痛でしかありませんでした
こんな過酷な状況にあっても「絵を描きたい」と思える自分自身の夢は本物だったんだと安心しつつも、それで欲求が消えるわけもない
その精神的苦痛の中、二週間経ってあることに気付きます
「ペンと紙が無くても、砂に絵が描ける」
今更感満載の事実に気付いた撫子は、早速手ごろな棒を探し出し、砂浜に斧乃木余接を主役とした4コマ漫画を描き始めます
オチとしては、自身も認めるほど面白くない内容で、海もそれを評価するように波でその漫画を打ち消していきました
頭を切り替えて、次の作品を書こうと思った時に「石使い」ということを思い出し、石に絵を描こうと思ったその時、最悪の失敗をしている事にも気付きました
は?『石』の能力者?違うでしょ!私は『絵』の能力者でしょうが!
『死物語 下』より
気付くのが遅い!(笑)
漫画家を目指し、撫物語にて4人の撫子を作り出し、過去の因縁も呪いを描くことで断ち切ったにもかかわらず、今思い出しちゃう辺り撫子らしいですけどねw
ただ、これにもちゃんと理由がありました
それは、撫子自身この能力をまだ制御できていないという事
下手したら描いた絵が片っ端から怪異化してしまう可能性すらある
そんな危険な能力だからこそ、無意識的に封印していたという事ですね
兎にも角にも、『絵』の能力者ということを思い出した撫子はイメージしやすい服である七百一中学校の制服を描き、見事に具現化に成功しました
斧乃木余接、登場!
「衣」を手に入れ、いよいよ山林に入った撫子
山林での探索をしていると滝を見つけ、さらに巨木に空いた寝泊りできそうな穴(うろ)を見つけます
テンションが上がり、うろに足を踏み入れた瞬間にハブを踏んでしまいます
ハブは倒したものの、そのハブは撫子の足首に噛みついていて、あまりの痛さに恥も外聞もなく撫子は叫びました
「いっ――たいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」
『死物語 下』より
ハブの毒によって体を動かす事も出来ない状態で、さらに先程のハブよりも巨大なハブが現れ、撫子に襲い掛かります
意識が朦朧とし、襲われるのを覚悟した直後、最後に見た光景はハブの頭が千切られる光景でした
イリオモテヤマネコによって
意識を取り戻した撫子ですが、その目の前には斧乃木余接がいました
飛行機事故によって、文字通り体がバラバラになり、海の藻屑となっていた余接でしたが、撫子が砂浜に書いていた『絵』が、波に流されたことによって奇跡的に復活出来たことを語ります
さらに、撫子が無人島だと思っていたこの島こそが洗人迂路子の本拠地・西表島だと聞かされます
その事に全く気付いていなかった撫子に対して、余接は友達として言葉を掛けます
「おいおい、まさかそれにすら、気付いてなかったわけじゃないだろ?もしそうなら言ってくれ、これ以上恥をかかなくて済むよう、友達として、ここで殺してやる」
『死物語 下』より
まさかの有人島オチ(笑)
西表島で生きるか死ぬかのサバイバルを繰り広げていたという事実に、この後思わず「逆撫子」になってしまいますが、ただ、これが意外に馬鹿に出来ない島
これは作中で語られている内容ですが、西表島というのは”並の無人島よりも、よっぽど樹海”
西表島だと分かって、森に深入りしていたら、もっと早い段階でハブに噛まれていたかもしれないし、なにより余接が復活していない
偶然とはいえ、知らなかったことが功を奏したということですね
専門家から漫画家へ
洗人迂路子の本拠地である西表島にいる事が分かった撫子は、余接と共に迂路子の元に向かいます
迂路子がいた場所はリゾートホテル
サバイバルをしていた撫子とのあまりの差に衝撃を受けますが、撫子は迂路子との対面を果たします
臥煙伊豆湖をそのまま若くしたような姿に撫子は驚きつつ、迂路子は臥煙伊豆湖が抱える「業」について語り始めます
臥煙遠江と臥煙伊豆湖との関係、レイニーデヴィル、阿良々木暦と忍野扇、神原駿河と忍野扇、娘である雨露湖を呪わねばならなかった理由…
そして、迂路子に千石撫子をあてがった理由
見事に「業」を修めた撫子に対し、洗人迂路子は祝福の言葉を贈ります
「過去の自分にも、現在の自分にも、そして将来の自分にも打ち勝った。
『死物語 下』より
「それは臥煙遠江にも、臥煙伊豆湖にも、阿良々木暦にすらもできなかった偉業だよ――ぱちぱちぱちぱち。
「千石撫子は専門家になった。
「あとは漫画家になるだけだ」
撫子の初仕事ここに完結!
依頼者を救い、呪いの元凶を救い、自分自身をも救い出した千石撫子は見事に全てを掬い上げました
他者との関りを避け続けた彼女のこれ以上ない成長譚となりましたね
あとは、漫画がヒットする事を願うばかりです
とりあえず『キミとなでっこ!』みたいな内容ではヒットしませんね(笑)画力は最高に高いですけどw
ここで暴露された裏設定
原作小説はこの「死物語 上・下」&混物語&月物語を含めて30冊
2019年5月~6月に「続・終物語」が放送され、早2年
どちらにしてもかなり月日と年数が経っていますが、この『死物語 下』にて初めて明かされた裏設定がありました
裏設定①:影縫余弦の過去
かつて不死身の怪異によって実の妹を喰い殺されている。その影を、斧乃木余接に投影していた。
裏設定②:臥煙伊豆湖&忍野メメ&貝木泥舟が受けた呪い
・臥煙伊豆湖=あらゆる知識を強制的に脳内に詰め込まれる
・忍野メメ=住処を失う
・貝木泥舟=嘘しかつけなくなる
ここにきてまさかの影縫余弦が余接を作った理由や、余接を作ったことによって余弦以外の3人が受けた呪いの内容が明かされるとは思わなかった(笑)
ただ、呪いに関しては後付け感が凄いなとも思っちゃいましたよねw
でも、忍野メメの「住処を失う」に関しては、考えようによっては思い当たる節もある
実際、かなり長く居座っていた学習塾跡は焼失してますしね
後付けだったとしても、根無し草の放浪中年の理由はこの呪いが関係しているのかなと勘繰りたくもなります
抑えておきたい物語シリーズ作品
上巻の感想&解説の時も語りましたが、いきなり「『死物語』から読んでみよう!」という方は中々いないかと思います(笑)
ただ「これを機会に原作を読んでみよう!」または「アニメを見てみよう!」という方はいるかもしれません
そこで、『死物語 下』を読むという点において、これを抑えておけば重要な流れは理解しやすい物語シリーズ5作品をご紹介いたします
なお、「120秒で分かる《物語シリーズ》」として化物語~死物語までどんな作品が刊行されたかのダイジェスト版PVがありますのでご参考ください
PV
『死物語 下』で鍵になる物語
こちらで5作品を紹介させて頂きますが、アニメ化されていない撫物語とオフシーズンの洗人編に関しては、あらすじも一緒にご紹介いたします
1.化物語(下)特になでこスネイク
2.撫物語
”夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ、恥ずかしい”
かつて神様だった少女・千石撫子。夢を追い、現実に追いつめられる彼女は式神童女・斧乃木余接の力を借りて、分身をつくることに成功する。しかし4人の「撫子」達は、ばらばらに逃げ出してしまい・・・?
自分さえ、手に負えないのが青春だ。
3.宵物語(まよいスネイク)
かつて神だった千石撫子。その座を八九寺真宵に引き渡したものの、まだ正式には神様を卒業できていなかった。影縫余弦が語る譲位の証。それは『八十九匹の白蛇を集めて新しい神さまに譲り渡すこと』だった。
4.余物語(よつぎシャドウ)
両親から「卒業後は一人暮らしを始めろ」と”出ていけ宣言”をされた千石撫子は、その無理難題をクリアするために臥煙伊豆湖を頼る。部屋に関しては当たりをつける事が出来たが、伊豆湖から条件を出される。それは『住人が三人連続で首を吊った部屋の謎』の解明。撫子はこの謎を解き明かすことが出来るのか?
5.扇物語(おうぎフライト)
かつて千石撫子を呪った同級生の遠吠哭奈と告白してきた相手の砂城寸志。呪い返しにあった二人の呪いを解いた撫子は、新たな我が家へと向かっていた。するとそこには斧乃木余接と貝木泥舟の姿が。臥煙伊豆湖からの使いでやって来た二人は、撫子を呪いの元凶・洗人迂路子の元へと連れて行く。
「フライトは既に予約済みだ――沖縄、西表島へ飛ぶぞ」
さらに追加するのであれば囮物語だったり、恋物語だったりがありますが、分かりやすく5作品に絞るならこの5作品で撫子の成長&洗人編の流れが分かると思います
洗人編に関しては、「まよいスネイク」から「おうぎフライト」になりますが、これは短編みたいな扱いになっているのでページ数としてはそんなに量はありません
また、オフシーズンはあくまで阿良々木暦の大学生編なので、本編は阿良々木くんのエピソードになります
洗人編はその事件解決後の話になりますが、読まなきゃ分からないということも無いです
多少疑問に思う部分はあるかもしれませんが、あくまで洗人編として注目した場合、阿良々木くんのエピソードは本筋とは関係ないです
さらに言うと、この作品は『死物語』の下巻になりますが、上巻から読まなくても全く問題ありません
なので、『死物語』に関しては気になった方から読んで頂いて大丈夫です
まとめ
物語シリーズのモンスターシーズンを見事に締めた千石撫子の物語である『死物語 下(なでこアラウンド)』!
この作品のあとがきで西尾維新先生も語っていますが、ある意味で阿良々木くんよりも成長したキャラクター
千石撫子が大成長を遂げたこの作品は本当に面白かったです
個人的には、原作を読んでいる方は「『死物語 下』から読んでもいいのでは?」と思ってしまう程でしたし、作品内の時間軸で言うのであればこちらの方が先なのでそれも一つの読み方かもしれませんね
兎に角、物語シリーズファンには、是非一度触れて頂きたいと思った作品でしたので、時間や金銭面に余裕が出来た時にでも是非!
それでは、今回はこの辺で!
また会いましょう