刀語 第5巻「賊刀・鎧」&「虚刀・鑢/第五章」 あらすじと感想をかたります!

アニメ

刀語の5話目である「賊刀・鎧」

前回は七花の戦闘シーンがありませんでしたが、今回はガッツリあります!

この「賊刀・鎧」というお話を一言で言うなら「変化」だと思っています

まず、今回登場する「賊刀・鎧」「防御力」に主眼を置かれた刀になり、名前の通り「鎧」の姿をした刀になります。この話から刀の形に「変化」が見え始めます。次に、島で育ち、人間らしさのなかった七花にも心の「変化」が見え始めます。そして、とがめの好敵手否定姫が登場し、状況に「変化」が見え始めます

こういった「変化」に注目しながら、ご覧いただければと思います

そして、この話でとがめが「ちぇすと」と「ちぇりお」の勘違いに気付き、稀な混乱ぶりを見せる部分はとがめの可愛さ全開なのでそこもご注目ください!※重要なのでマーカー太めです

朗読活劇「虚刀・鑢/第五章」では鑢六枝の妻・鑢みぎりが登場します。大乱の首謀者・飛騨鷹比等が彼女の事を「人の形をした悪意」と呼ぶほど性格と趣味が特殊です

それでは、刀語「賊刀・鎧」朗読活劇「虚刀・鑢/第五章」のあらすじと感想をネタバレ有りでかたらせていただきます

なお、内容に関しては他の刀語の記事同様、内容長めになっていますのであしからず。ただ、これを読めばTV放映された「賊刀・鎧」と特典CDに収録されていた「虚刀・鑢/第五章」の内容はほぼ分かります。(原作未読の為、原作に書かれている内容までは書いていません)

また、この前の話である「薄刀・針」と「虚刀・鑢/第四章」に関しては以前記事を書いていますので内容を知らないと言う方はまずそちらから読むことをおすすめします

「薄刀・針」「虚刀・鑢/第四章」の記事はこちら

刀語「賊刀・鎧」とは

あらすじ

薩摩の濁音港の元締めである鎧海賊団の船長・校倉必は、賊刀・鎧を使い、闘技場で連戦連勝を重ねていた。その勝負に勝てば賊刀・鎧が手に入る決まりなのだが、その圧倒的な戦いぶりを見た七花ととがめは、宿に戻り、対策を練ることにする。だが、その宿へ突然、校倉必が現れる。果たして、彼の目的は…

TVアニメ「刀語」公式サイトより

登場人物

  • 鑢七花(やすりしちか) CV:細谷佳正・・・虚刀流七代目当主。とがめと共に完成形変体刀12本を集める旅をしている
  • とがめ CV:田村ゆかり・・・自称「奇策士」。完成形変体刀12本の刀集めを七花に依頼した張本人。七花と共に刀集めの旅をしている
  • 校倉必(あぜくらかなら) CV:小山剛志・・・「賊刀・鎧」の所有者。鎧海賊団の船長。賭博闘技場で最も人気が高く、人前で「賊刀・鎧」を脱がないと誓っている
  • 真庭鳳凰(まにわほうおう) CV:置鮎龍太郎・・・実質的な真庭忍軍の頭。真庭鳥組の指揮官。真庭忍軍十二頭領の中で唯一、実在しない動物の名前を持っている
  • 否定姫(ひていひめ) CV:戸松遥・・・とがめ同様に幕府の人間であり、とがめの天敵。素性不明。自分も含めありとあらゆるものを否定する。
  • 左右田右衛門左衛門(そうだえもんざえもん) CV:小山力也・・・否定姫に使える元忍者。否定形の「不」を口癖として使う(不答(こたえず)、不及(およばず)等)。顔には「不忍(しのばず)」の面をつけている。

賊刀・鎧 あらすじと感想(ネタバレ有り)

防御力vs防御力

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

錆白兵との対決に勝利し、「薄刀・針」の蒐集に成功した鑢七花ととがめは、次の完成形変体刀十二本の一本「賊刀・鎧」の蒐集の為に薩摩に向かっていた

一方その頃、尾張にて否定姫左右田右衛門左衛門から二人の動向の報告を受けていた

日本最強の剣士を倒した七花を倒し、「日本最強の座」を奪おうと多くのものから狙われている事。「賊刀・鎧」の蒐集の為に薩摩に向かっていること。そして、七花の事。

虚刀流七代目当主・鑢七花。四本もの完成形変体刀を蒐集した七花の研鑽された攻撃は注目すべき点だが、特筆している点は「防御力だと言わざるを得ない」と右衛門左衛門は語る

なんと、七花はここまでかすり傷ひとつ負う事無く刀の蒐集に成功していた。それを聞いた否定姫は「この先の展開が楽しみね」と語る

「賊刀・鎧」は絶大なる防御力を誇る守りの刀防御力vs防御力。「さて、どうなることかしら」と。

本編が始まって5分も経っていないこの段階で衝撃は二つありました

まず一つ目は「ここまで七花がかすり傷ひとつ負っていなかった」と言う点です。島を出る際に、とがめと約束したうちの一つ「七花自身を守れ」というものがありました。これについてはとがめ自身も「強豪たちと戦う上で一番難しいと思っていた」と語っています。宇練銀閣、敦賀迷彩、そして日本最強の剣士・錆白兵との対決においても傷を負う事無く蒐集せしめた七花の強さに改めて衝撃を受けましたね

そして二つ目は「何の説明もなく否定姫と左右田右衛門左衛門が登場した」という事です。重要キャラの二人なのでこの後も登場してどんな人物なのか分かっていきますが、初見の時は「この二人は誰?」と衝撃を受けましたね

賊刀・鎧

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

薩摩の濁音港(だくおんこう)に着いた七花ととがめは、そこで行われている大盆(おおぼん)と呼ばれる賭博闘技場にて行われている対戦を観戦していた

そこでは剛剣を持った男と鎧に身を纏った大男が対戦中だった

剛剣を持った男が鎧の男に突っ込むと、鎧の男も同時に突っ込む。二人がぶつかり合った瞬間、剛剣は真っ二つに折れ、剛剣を持っていた男も吹っ飛ばされ、鎧の男が勝利した

その鎧こそ完成形変体刀の一本「賊刀・鎧」であり、鎧の男が濁音港の元締めで鎧海賊団の船長・校倉必だった

「賊刀・鎧」は西洋甲冑を模した防衛主体の日本刀。「防御力」に主眼を置かれた変体刀であり、鎧の継ぎ目が鋭利な刃になっている

「刀じゃねぇじゃん!!」と思いましたが、ただ継ぎ目が鋭利な刀なので「ん~・・・刀だね!」と納得することにしました。そんな鎧ですが、剛剣を真っ二つに粉砕し、使い手を吹っ飛ばしますが傷ひとつ付きませんでした。さすがは「絶対的な防御力を持つ刀」と言った所です

校倉必の要求

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

賭博闘技場での戦闘を見届け、宿にて戦略を立てる七花ととがめ

刀の蒐集の為、とがめが考えた奇策を七花に語る。そして、今回の対戦相手である校倉必は七花よりも身長が高い。自分よりも身長が高い相手と初めて戦う七花がその戦い方を考えていると、宿に校倉必が二人を訪ねてやってくる

校倉は二人が大盆に来ていたことに気付いていた。さらに刀集めをしている二人が「賊刀・鎧」を狙ってやって来たことも分かっていた。その上で訪ねてきた校倉にとがめは「なぜここに来たのか?」を質問する

校倉が訪ねに来た理由は「ある提案」をしに来た為だった。その提案は3つ

校倉の提案
  • 七花と校倉が決闘をする
  • 決闘場所は大盆で行い、七花が勝利した場合「賊刀・鎧」を譲る
  • 校倉が勝利した場合、とがめを貰う

校倉の勝利した時の提案が「4本の変体刀を渡すこと」だと思っていたとがめは、この提案に混乱する

そんな混乱中のとがめに校倉は「ひとめ惚れだ」と語るのだった

この辺りのシーンで、とがめと七花の混浴風呂での入浴シーンやとがめが七花に頭を足で踏んでもらうマッサージをしてもらって色っぽい声を出したり、それをやっている七花が何かに目覚めそうになったりしましたが、本編とは関係ないのでカットで(笑)

ここのシーンで校倉がとがめに対し「ひとめ惚れだ」と語っていますが、この時はその真意についてはとがめも七花も気付いていませんまぁ校倉の過去をこの段階では知らないので仕方がないですが・・・。

その校倉が二人の元に来た際に、七花は敵意を向けているような佇まいで校倉の話を聞いていました。七花は刀の蒐集と言う意味でなく、「とがめを奪いに来る」と言った雰囲気を校倉から感じ取っていたみたいですね

ちなみに、ここで「校倉は七花よりも大きい」と説明しましたが、七花の身長は2mです。それよりも大きいというのは「どんだけだよ」と言った感じですね

真庭鳳凰の提案

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

翌朝、宿の部屋にて七花は鎧通しの技「柳緑花紅(りゅうりょくかこう)」をとがめの腹に向かって放つ。すると、とがめの背中に入れていた鏡だけが割れていた

無傷で立っていたとがめはその技を見て「見事なものだ」と語る。「柳緑花紅」は使い手の好きな所に損傷を与える事が出来る技で、皮膚でも筋肉でも内臓でも骨でもそれを越えた先のものでも当てることが出来る技であり、七花はこの技を勘でやっていると語り、それを聞いたとがめは「そんな不確かなもので技を使ったのか!」と憤慨する

「ケガをしたらどうする!?」という質問に対し、「考えてなかった」と返す七花。その後、とがめの帯の交換を手伝う際も、七花は思いっきり帯を引っ張り、駒のように回転するとがめ。七花の反抗的な態度に疑問を抱くとがめだが、七花は「なんか無性にいじめたくなった」と言う

七花は昨晩の校倉の提案に対して、とがめがどう思っているのか気になっていた。その質問の意図に気づいたとがめは七花に対して逆に「そなたはどう思うのだ?」と質問をする。七花は「刀集めが順調にいくんなら・・・」と答えると、とがめは七花の足を踏みつけ「私に対する執着とはその程度か!」と罵倒する

「いいか。私はな・・・」ととがめが七花に話そうとした時に、書状が届いた旨の連絡を受ける。その書状を送り付けてきたは、真庭忍軍の実質的リーダーの一人である真庭鳳凰だった

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

書状に書かれている場所で鳳凰と対面するとがめと七花。「話がしたい」と語る鳳凰だが、真庭忍軍に裏切られた過去を持つとがめは「信用できない」と言い返す。すると、鳳凰は左手を差し出しながら「話を聞いてくれれば左手を切り落とそう」と言いだす。困惑するとがめをよそに、鳳凰はそのまま自分の右手で左手を切り落とす。その光景を目の当たりにしたとがめは、鳳凰の話を聞くことにする

鳳凰の話と言うのは「一時休戦しないか」と言う提案だった。その提案はとがめにとっては馬鹿にしていると思わざるを得ない提案だったが、刀集めと言う同じ目的に対して「逆方向から集めて戦闘を避ける」という事と「断ればここで戦闘になる」と言う鳳凰の真意を読み切ることが出来ず、一時休戦を受け入れる

数々の経験を経て、人間らしさが出始めてきた七花の様子が分かるパートです。私は最初に見た時は、七花が「嫉妬」しているんだと思っていましたが、何度か見直していて「寂しくなった」という考えに変わりました。理由としては、七花は自分でもよく分からずとがめに意地悪をします。それは、「とがめは校倉の方が良いのではないか?」と考えたのではないかと。とがめに惚れている七花にとってはそれが嫌で意地悪をしたのではないかと。あの小学生が好きな子に対して意地悪をするような感じですね※あくまで個人的な感想です

そして、ついに登場した真庭忍軍の実質的リーダーの真庭鳳凰。すごい見た目が派手なんですが忍者なんですよね(笑)そして、何のためらいもなく左腕を自分で切り落とすあたり容赦のなさが垣間見えますね。ちなみに、この時左腕を切り落としますが、今後登場する際に左腕はまた使えるようになります

とがめの勘違い

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

協定を結べたことに感謝しつつ、とがめは次に狙う刀の場所を、鳳凰はとがめが知らない完成形変体刀の所在と否定姫が動き出したことを伝える。否定姫が動き出したことに動揺するとがめ。否定姫が動き出したことに対して鳳凰も「早急に手を打つことをすすめるよ」と言い残し、立ち去ろうとする

「そうそう。あと一つだけ」と鳳凰は足を止め、とがめが使う「ちぇりお」に違和感を感じていたが薩摩に来てその理由が分かったと言い始める。とがめが使っていた言葉は「ちぇすと」が正しいと伝え、「ちぇりお」は異国の言葉でサヨウナラの意味だと教える。それを聞いたとがめはあまりの恥ずかしさに混乱する

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

いやぁぁぁぁ!違う違う違う!誤解だって!誤解だってば!待って待って待ってちょっと待って!今考えるから!馬鹿じゃない私は馬鹿じゃない!恥ずかしくない!私は恥ずかしい奴じゃない!勘違いなんてしていない!か、か、か、か、勘違いをしているのはあいつの方だぁぁぁ!うわぁぁぁぁ!!

あまりの恥ずかしさに大声で叫びながら、山をも駆け回り、ぶつかった七花に対して「忘れろ忘れろ!」と殴る。そして、薩摩に入ってから「ちぇりお」の大盤振る舞いをしていたとがめは「そなたは恥ずかしくないのか!」と七花に言う。とがめが口にしていたとはいえ七花も知らなかったのだろうと。すると、七花は「いや、それは知ってた」と平然と言う。それを聞いたとがめは「ちぇりお!」と殴るのだった

基本的に可愛いとがめですが、この時のとがめは一番可愛いです!ちょっと声優さん補正も入っていますが

クールな場面やドジな場面もありましたが、そういうのとはまた違うとがめの一面が見れたのは飯ウマですね(笑)

校倉の過去

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

提案を受けるとの報せを受けた校倉は、昔のことを思い出す

校倉必には妹がいた。琉球を漂う船に乗船していた二人は、海の上で海賊に襲われる。その時に妹を目の前で殺され、校倉は雑用係として海賊に捕まった。その海賊船にあったのが「賊刀・鎧」であり、その手入れを任されることになった。その五年後、海賊団の一人から「あの鎧着てみるか?」と言われ、鎧を身に着ける。「賊刀・鎧」を身にまとった校倉は、船で暴れまわった後に、海賊団を一人残らず殲滅する。校倉は過去の出来事を決して忘れてはいなかったのだ。こうして「賊刀・鎧」を手に入れる。

とがめを見た時にその時亡くなった妹を思い出してしまった。「とがめが欲しい」と言った理由はその為であった。

ここまでの戦いで、対戦相手が勝った時の条件で刀を欲しなかったのは「斬刀・鈍」の所有者である宇練銀閣に続いて二人目でした。宇練は「城と刀」を守る為に戦い、校倉はとがめを過去に死なせてしまった妹に面影を重ねて戦っています。完成形変体刀には刀の毒があり「刀が欲しくなると言った欲求」が出てきますが、大切な物がある場合はその限りではないのかもしれませんね。「千刀・鎩」の所有者である敦賀迷彩も勝負条件で刀を掛けましたが、その理由は「巫女を一人でも多く救う為」でしたので、そういった意味では全くではありませんが毒の影響を受けていなかったうちの一人ですね

七花の覚悟

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

大盆にて向かい合う七花と校倉

勝負が始まり、七花は開始早々「柳緑花紅」を放つも、校倉はピンピンしていた。なんと、「賊刀・鎧」には鎧通しの技が効かなかったのだ

動揺する七花に対し、技を繰り出す。その技を避けつつ、再度「柳緑花紅」を放つも、やはり鎧には効かない。「往生際が悪いな」と語る校倉は、七花に対して「覚悟を決めて、大人しく鎧の餌食になれよ」と挑発する。それを聞いた七花は「覚悟とはなんだ?」と自問し、「このまま大人しく価値を譲った方が良いのではないかと思い始めていた

その時、とがめからの喝が入る。惚れた女に素顔も見せないような男にこの身を任せるつもりはないと。虚刀流の技が一つ通じなかったからなんだと。七花には二十年間鍛え上げた鋼の肉体があるだろうと。そして最後に言い放つ

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

そなたが私に惚れているというのなら、力尽くで私を守ってみせろ!!

その命令を聞き届けた七花は校倉と改めて対峙する。「守るもの」を得た七花は校倉を挑発する

それに対して怒りを覚えた校倉は、全重量を乗せた体当たり技である「賊刀・鎧」の限定奥義「刀賊 鴎(かもめ)」を繰り出す

そのまま校倉の体を受け止めた七花は、その勢いのまま会場の外まで引きずられる。そして、受け止め切った七花は、校倉の巨体をそのまま持ち上げ、投げ飛ばす。存在自体が一本の日本刀である事一人の人間であることを認識できた七花は礼を言うが最後にもう一言、校倉に言い放つ

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

俺の女に手を出すな

とがめも七花もかっけぇぇぇぇ!!

自分の好きな女性にこんなこと言われたら、やる気しか出ませんよね!

そして七花のこのセリフ!人生で一度は言ってみたいセリフですよ!

TVアニメでの決闘の結果としては若干カッコ悪い部分のある絵面ではありましたが、勝利の仕方としてはめちゃくちゃカッコいい勝利となりましたね

次の行き先

©西尾維新・講談社/「刀語」製作委員会

見事勝利をおさめ、「賊刀・鎧」の蒐集に成功した七花ととがめは船に乗り込み、薩摩を後にする

その船の上で、とがめは「ちぇりお」が間違っていたことをなぜ知っていたのかを七花に聞く。すると七花は「親父から聞いていた」と答え、それを聞いたとがめは「ちぇりお!」と七花を殴る。とがめは「ちぇりお」を通すことに決めたようだった

こんなやり取りをしながらも、尾張に戻る為に船に乗っていた二人だったが、実は船の行き先は尾張ではなかった。それは、校倉のせめてもの意趣返しだった

その船の行き先は一級災害指定地域である絶対凍土・蝦夷だった

刀語の名言と言っても過言ではない「ちぇりお」が今後も聞けるのは一安心ですね(笑)

そして、次の行き先である蝦夷は、完成形変体刀のうちの一本である「双刀・鎚(かなづち)」があります。そして、今回も負傷することが無かった七花が、この刀集めにおいて初めて傷を負う事になります

「続きが気になる!」と思っていただけたら、動画配信サービスからならすぐに視聴できますので是非ご利用くださいね

虚刀・鑢/第五章 朗読者:小山剛志

登場人物

  • 鑢みぎり・・・鑢六枝の妻であり、七実と七花の母親。旧姓は徹尾。趣味は「切腹見学」
  • 右腕・・・鷹比等四天王の一人。元真庭忍軍の一人。右肩から先が刀になっている

第五章 内容

家鳴(やなり)家に仕える戦国六大明王の要、徹尾家の娘・鑢みぎりは「尾張の地に知らぬものなし」と言われるほどに有名であり、その名は隣国にまで知れ渡っているといっても良い。それは、「将軍よりも有名なのではないか?」と言うほどであったが、残念ながら有名な理由は性格の悪さからくる「悪評」であった。

「一体人生でどんなことがあったらどうしてこんな性格になるのか?」と言うほど彼女の性格は歪んでいた。いっそ「人間として崩壊している」と言った方が良いかもしれない。それは、もう現状を論じて回復できるレベルではなかった

もちろん彼女にもあどけない少女期時代があったが、現在が強烈すぎて誰も覚えていない

性格の強烈さを伝える例として、彼女は「切腹見学」を趣味としていた。どこかで切腹があると聞けばすぐに飛んでいき、現場の人間に頼み込んでかぶりつきの席でウキウキとその現場を見るのが彼女の人生で一番の楽しみだった。一番近くで見れるからと言う理由で介錯人に志願したほどだ。彼女曰く、「自分で自分の腹を切る意味が無いなんて誰でもわかるじゃない。それでもやるのよ。ズブッとズバッと。訳わかんない。あんな笑っちゃう見世物は無いと思うわ」との事だ

彼女は見目麗しい女であったが、性格の悪さが広まりすぎて全く話題に昇ることはないけども、知る人ぞ知るところではあった。中には、性格の悪い女が好みの男もいて、彼女に言い寄る男も無い訳ではなかった。ただ彼女は、そういった男たちにこう言い放つのだった

「私を愛しているというのであれば腹を切ってちょうだい。あなたの内臓が見たいわ」

そう言われた男は当然逃げ出す。そんなことを続けていたら、武家としての婚期を逃し、趣味に没頭していった。

困ったのは両親で、婚期を逃した娘を放っておくのも体面が悪い。そこで、両親はほとんど罠にかけるような形で強引な縁談を成立させた。

「お前、刀を使ってみる気はあるか?」と両親に言われ、介錯人にまで志願した彼女が頷かないはずがない。こうして、鑢六枝とみぎりは夫婦となった。ちなみに、みぎりは例のごとく「あんたの内臓が見たいわ」と言うと、六枝はみぎりの目の前で腹を切って見せ、その行為にしっかり彼女はときめいた。その為、あながち政略結婚で生まれた愛情のない仮面夫婦では無い。さらにちなみに、鑢みぎりは七実と七花の出産の際は帝王切開だったのは切腹見学を趣味としていた彼女にとってなんとも皮肉な話である

「誰あんた?」

そして現在、鑢みぎりは布団に入ったまま、深夜に自分の部屋に侵入してきた男に億劫そうに問いかけた

男の姿は異形の怪人と言っていいような姿をしていた。全身に鎖で巻いた忍び装束はまだ良いとして、右腕から先が直刀になっている。肩に刀が付いているというより、肩から刀が生えているというような表現をした方が正確だろう。

そんな男に対して、みぎりは面倒でいかにもどうでもよさそうである。質問も「仕方なくした」というような感じである

侵入者に対してのふてぶてしい態度に感心して良いのか呆れて良いのか判断に迷っていたが「俺は右腕。鷹比等四天王の一人だ」と名乗る。するとみぎりは無反応に、寝返りも打つこともなく「へぇー」とだけ言った

みぎりは驚いていないわけでは無さそうだが、それよりも眠気の方が勝っていたというだけのようだった。噂に違わぬ図太さに感心する右腕。

「鷹比等って何か聞いたことあるような無いような。誰だっけ?あぁそうそう、むっちゃんが今倒しに行っている反乱の首謀者だっけ?うん、そうだ鷹比等くん。私の友達だ」

「友達ではないと思うぞ」

右腕は一応そう言い、「日本を揺るがす戦乱の中核に関わって居ながらどうでもよさそうだな」と馬鹿にしたつもりで言った。するとみぎりは「どうでもいいもん」と子供みたいな口ぶりで言った

「私は国じゃなくて家を守るのが仕事だからね。で、現状を推察するとむっちゃんは優勢に進めてるってことだよね。だからあんたは私を人質に取りに来たんだよね。ふーん」

嫌そうである。「人質に取られるのが嫌だ」というなら真っ当な感情ではあるが、そう言った嫌さではなさそうだ。まさか、自分の夫が優勢に戦いを進めていることがつまらないのが嫌なのだろうか。生きている人間がそこまで性悪になれるだろうかと右腕が疑問に思っていると、鷹比等の言葉を思い出す

「いいか右腕。みぎりちゃんを決して人間だと思っちゃ駄目だよ。六枝くんが『人の形をした刀』だとしたら、みぎりちゃんは『人の形をした悪意』だと思え。この重要な任務を単独任務にしているのは何でか分かるかい?それはね、二人以上で行くとみぎりちゃんの悪意に当てられて、必ずと言っていいほど仲間割れをしてしまうからなんだよ」

右腕は鷹比等の言葉を思い出し、一切の油断を放棄する。そして、人質として誘拐しにきたことをみぎりに凄みながら伝える。さらに「抵抗しても無駄だ。俺がここにいるという事はどういう事かくらいは分かるだろ?」と言うが、みぎりは眠そうな目を擦りながら「どういう事って?」と返事をする。威圧が全く通じない。

「あぁ、それなりの人数で強固に防備されたこの城に単身で侵入したことを自慢したいわけ?」

「侵入?そんな面倒なことはしない。防備を打ち破って来たに決まっているだろう。この部屋までの廊下は死体で満たされていると思え」

「ふぅん」

動じない。全くの無反応とは言わないまでも「そんなこともあるでしょうね」と言った反応である。その後、みぎりは「あぁ」と何かを思い出したように反応する

「死体で満たされているって言ってたけど、それって私たちの子供の七実と七花も殺したってことなのかな?」

この質問に「やはり子供は心配か」とどこかホッとした右腕だが、それを見抜いたみぎりはガッカリしたようにこう言った

「なーんだ。殺してくれなかったんだ。残念。特に七実の方」

そう言って残念がるみぎり。

「まぁ、あんた程度じゃ七実には敵わないか。さてと、あぁ大丈夫大丈夫。喜んで誘拐されてあげる」

「楽しい楽しい」と言いながら、みぎりが布団から這い出すと全裸だった。高貴さのかけらも無かったが、服を着るのを待つ為、右腕は30秒だけ待ってやることにした。どうやら、みぎりを人質に取るという目的は達成出来そうだと判断した瞬間、右腕の首元に全裸のままみぎりが噛みついてきた

一般人なら致命傷になる攻撃だったが、元忍者である右腕はその攻撃を何とか剥がした。みぎりは「ぺっ」と食いちぎった首の肉を吐き出しつつ、「あちゃ~死ななかったか~」と言う。人質になのに抵抗した為の攻撃かと思ったら、「眠いところを起こされてムカついたから」と言う理由で何の考えもなく、戦力差がありすぎる右腕に襲い掛かったらしい

そんなみぎりに右腕は「よくそんな性格で今まで生き残ってこれたな」と率直な感想を漏らすと、みぎりは自慢げにこう答えた

「そりゃそうよ。私の刀は最強だからね」

こうして、鑢みぎりは誘拐された。しかし、六枝がこの事を知るのはもう少し先の話である。六枝はこの時「鷹比等四天王」の残り三人の左腕、右足、左足の三方攻撃を受けていたのだから。

感想

これまた特徴的なキャラが登場しましたね(笑)

基本的に、朗読活劇「虚刀・鑢」のキャラクターに関しては、TVアニメにおいては一瞬登場するか、一切登場しないかのどちらかになります。みぎりに関しては、この後のお話である第7巻「悪刀・鐚(びた)」にて登場しますが、それも七実の脳内のみでの登場になります。脳内のみってどういう事?と思った方は「悪刀・鐚」を見ていただくか、今後も書くのでその時まで待っててくださいね

登場した時は、性格自体は全く分かりませんでしたが、ここまで性格が悪いとは思ってもいませんでしたね。ただ、個人的にここまで特徴的なキャラは良い意味でも悪い意味でも好きなキャラクターです。こういったキャラクターは、今後どういった行動をするのか読みにくくてワクワク出来るので今後の登場が楽しみです

今回の朗読者である小山剛志さんはワイルドな声をされていて、低い感じの声なので一音一音が凄い聞き取りやすかったですね。そのワイルドな声で、みぎりを演じられているのでとても新鮮でした

最後に

まとめ

最初にも書いた通り第5話の「賊刀・鎧」刀の形、七花、状況変化が生じ始めた話となりました

そう言った変化が今後の展開にどう影響するのか楽しみにしていただければと思います

もし、「気になるよ」と言う方は登場キャラクターや刀の種類、刀の所有者などをまとめた記事がありますのでそちらを見ていただければと思います

ちなみに、今回の「賊刀・鎧」のEDである「愛と誠」ですが、田村ゆかりさんがとがめとして歌っています。刀語全12話のうち登場キャラクターとしてEDを歌っているのは3話分のみになり、そのうちの一つが今回です。そういったリストもまとめ記事で書かせていただいています

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それでは、今回はこの辺で!ちぇりお!

次回予告

次回対戦相手:凍空こなゆき(いてぞらこなゆき)

蒐集対象:双刀・鎚(かなづち)

決戦舞台:蝦夷・踊山

刀語第6話予告

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