どうもウハルです!
今回は『神は遊戯に飢えている』の概要と1巻の感想と解説を語っていきます!
まずは一言…
この作品は面白い!!
作品内で展開される奇想天外な遊戯内容はもちろんのこと、クリア不可能と思われる絶望的な内容の遊戯でも全力で攻略を楽しむ、作中のキャラ達の生き生きとした姿は読んでいて熱く、非常に興奮しました!
攻略不能、理不尽と言われても、導き出したゲーム攻略の”答え合わせ”は本当に面白い!
ヒトvs神で展開される「究極頭脳バトル」は伊達じゃなかったです!
そして、ゲームを全力で楽しむキャラクター達が本当に魅力的!
最近、ラノベ作品のアニメ化が増えてきましたが、この作品もアニメ化してほしい!
そんなファンタジー系頭脳バトル『神は遊戯に飢えている。』の作品の詳細と1巻のあらすじや感想を、繰り広げられたゲームに沿って語っていきたいと思います!
もしも、この作品を読もうと思っていた方や気になっていた方は是非参考にして見てくださいね
なお、ゲーム攻略方法や重要な部分に関してはネタバレはしないようにしますが、あらすじやゲーム内容、作品の魅力を語る都合上、内容は多少ネタバレがありますのでご了承ください
『神は遊戯(ゲーム)に飢えている。』とは
作品概要
暇を持て余した神々が作った究極の頭脳ゲーム『神々の遊び』。高難易度を誇るその遊戯の数々を人類が10勝すれば「どんな願いも叶えてくれる」が、未だ達成者ゼロ。そんな中、”近年最高の新入り”と注目されるフェイは、永き眠りから目覚めた元神様のレーシェをパートナーに『神々の遊戯』に挑んどでいく。さらに、訳あり少女のパールも仲間に加え、至高の神々との究極頭脳戦が今、幕を開ける。「さあ、答え合わせの時間だ」
著者 | 細音 啓(さざね けい) |
イラスト | 智瀬 といろ(ともせ といろ) |
刊行 | MF文庫J |
発売日 | 2021年1月25日 |
「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」(MF文庫J)やアニメ化された「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」(富士見ファンタジア文庫)の原作者・細音啓先生によるライトノベル作品です
イラストは智瀬といろさんが担当しています
『神は遊戯に飢えている』は作画・鳥海かぴこ先生により、コミカライズ化もされています
さらに公式サイトには「ゲーマーズ!」の葵せきな先生、「ライアー・ライアー」の久追遥希先生といったラノベ作家の方々や日本初のプロゲーマーの梅原大吾さんといったプロゲーマーの方々、そしてラノベ・アニメYoutuberのやまさきりゅうさんやハーレマーのゆらさんといった人気Youtuberの方々など30人の推薦コメントもあり、皆さん大絶賛するほどの作品となっています
ちなみに、その推薦コメントを見ることが出来るだけでなく、オフィシャルサイトからは各巻の試し読みも出来ますので、「少し作品に触れてみたい」という方は一度試し読みしてみるのも良いと思いますよ
MF文庫Jオフィシャルサイトウェブ 「神は遊戯に飢えている。」
『神々の遊び』概要
この作品の世界にはタイトルからも分かる通り、「神」が存在しています
さらに言えば、天使に悪魔、竜に精霊と他の霊的存在も多く存在していて、人類はそれを認識し、崇拝しています
そこで、一つの疑問…
「なぜ、霊的存在であるモノを人類がハッキリと認識できているのか?」
理由は単純で、暇を持て余した神々の方から人類に接触してきたからです
そして、その神々はゲームに参加する資格の一つである「神呪」という力を神が選別した人類に授け、その力を持って人類は『神々の遊び』に挑んでいきます
さらに、『神々の遊び』には七つのルールと完全攻略時の報酬が設定されています
その内容は以下の通り
ルール1:神々から神呪を受けた人間は、使徒となる。
ルール2:神呪を授かった者は超人型・魔法士型のどちらかの力を得て、神々との頭脳戦に挑むことができる。
ルール3:神々の遊びは、すべて霊的上位世界『神々の遊び場』で行われる。
ルール4:神呪の力は、『神々の遊び場』でしか発揮できない。
ルール5:ただし、神々の遊びで勝利したご褒美に、神呪の力の一部を現実世界で使えるようになる。勝利すればするほど、現実世界で開放できる力も増大する。
ルール6:合計3回の敗北で挑戦権を失う。
ルール7:神に10回勝利することで完全攻略となる。
完全攻略:神に10勝することで『神の栄光』が与えられる。
※原作1巻より参照
なお、このルール内で語られている神呪を授かった者は超人型・魔法士型のどちらかに分類されていますが、これに関してはそのまんまで超人型は肉体強化、魔法士型は魔法を使えるようになります
ただし、魔法士型に関しては火の魔法士なら火、氷の魔法士なら氷とそれぞれの魔法しか使えません(原作3巻時点では)
そして『神々の遊び』に勝利し、現実世界でも神呪(アライズ)を使えるようになることで、人類は発展することが出来るんですが、その詳細に関しては省きます(現状、内容を語る上でも、感想を語る上でも、そこまで重要ではないので)
さらに、完全攻略の報酬の『神の栄光』
これは「願いを叶えてくれる」というものになりますが、その数は百でも千でもOKという大変太っ腹なもの(笑)
フェイもこれを聞いた時は驚きますが、この報酬は実に見合った報酬であることに気付きます
なぜなら、今まで達成した者がいないから
神に10勝するという超難題に対して、全ての願いを好きなだけ叶えることが出来るという報酬
確かに釣り合いは取れていますね
1巻登場人物
- フェイ・テオ・フェルス
- 『神々の遊び』において、三勝0敗と近年稀にみる「最高の新入り」として注目されているゲーム好きの少年。ゲーム好きのキッカケであり、幼少期の頃に一緒にゲームをしていた「赤い髪のお姉ちゃん」の行方を探している。
- 竜神レオレーシェ
- 三千年もの間うっかり眠り続けて、永久氷雪地帯から発掘された「元」神様。神だけあって、ゲーム好き。神の座に戻るために、フェイと共に『神々の遊び』に挑戦する。
- パール・ダイアモンド
- 「空間転移」が使える魔法士型・転移能力者。思い込みが激しく、ちょっと残念な少女。”とある事情”により遊戯が怖くなってしまい、引退しようとしていたところをフェイに止められ、一緒にチームを組むことになる。
『神は遊戯(ゲーム)に飢えている』 1巻 感想&遊戯解説
1巻での遊戯内容&対戦相手
元神・レーシェに指名され、一緒に『神々の遊び』に挑むことになった少年・フェイ。神が仕掛ける様々なゲームは気まぐれで、理不尽で、理解不能。でも、そんな高難易度のゲームだからこそ面白い!ゲーム好きの二人に転移能力者のパールも加わり、3人は神々の「究極頭脳ゲーム」攻略に挑む!
自己紹介「三次元」神経衰弱
レーシェが「この時代で一番ゲームが強い人間を連れてきて?」と言った結果、半強制的にレーシェの元に連れてこられたフェイ
互いが互いのことを知るために、自己紹介をしようとしたところから始まったゲームが『自己紹介神経衰弱』になります
こちらのゲームのルールは以下の通り
ルール1:名前、出身、性別、趣味などといった文字が手書きで書かれたカードが合計80枚。
ルール2:ターン時に二枚めくって、組が揃った内容に応じて相手に質問することが出来る(例:自分が『出身』を揃えた場合は、相手は『出身』を答える)。組が揃わなかった場合は、答える必要はない。
ルール3:揃った組の質問には必ず素直に答えること。
ルール4:組が揃ったとしても、もう一度自ターンにはならない。つまり『1ターン絶対制』。
さらに、このゲームはただの神経衰弱ではなく『「三次元」神経衰弱』になります
そもそも『「三次元」神経衰弱』とは何?ってなると思うんですが、とどのつまりカードが空中に浮いた状態で神経衰弱を行うので『「三次元」神経衰弱』と呼んでいます
ゲーム好きであり、”近年最高の新入り”と呼ばれるフェイのゲームに関する腕前は天才的
レーシェがゲームを始める際にルール説明の為に表向きに並べたカードの配置を全て覚え、そこからのカードの動きを目で追いかけてしまう
昔からゲームで鍛えられていたレーシェにとって神経衰弱でのその行動は癖になっていました
カードをシャッフルするレーシェにそのことを伝えて、神が相手でも”イカサマなし”で勝負するフェイに興味を持ったレーシェが「狭い机でやるにはもったいない」と言う理由から始まった結果生まれたのが、この『自己紹介「三次元」神経衰弱』になります
しかもこの浮遊ですが、ただ同じ場所に浮いているのではなく、それぞれが違った速さ、違った軌道で空中回転しています
その軌道はレーシェ本人にも分からない
カードの配置のみならず、その軌道すらも覚えなければならないこのゲーム
難易度爆上がりのこのゲームですが、本当の醍醐味はカードを揃える事では無く、【欲しい情報を手に入れることが出来るか】という事
というのも、通常の神経衰弱なら、組を揃えてどんどん自分の手札を増やしていくというのがセオリーですが、今回の『自己紹介「三次元」神経衰弱』ではそうはいかない
なぜなら『1ターン絶対性』がルールにある事により、一つ一つの情報に価値が生じてくるからです
例えば、相手の名前を知っているにも関わらず、『名前』の組を揃えたところで1ターン無駄にするだけの行為
いかにして必要な情報の組を揃えるかと言う情報選別を強いられるこのゲームは本当に上手くできているなと思いましたね
神ごっこ vs巨神タイタン
フェイのことを気に入ったレーシェが、ゲームに対する好奇心を抑えられずに、フェイを連れて急遽参戦したのがこの『神ごっこ』になります
『神ごっこ』というのはようするに「鬼ごっこ」のこと
「神々の遊び場」にて作り出された街の中を、フェイとレーシェ以外にもすでにゲームに参加していた人類側16人を含めた、総勢18人で神から逃げるというのがこのゲームになります
ただし、『神々の遊び』はそんな単純で生易しい遊戯じゃありません
なぜなら、『神々の遊び』は勝利条件、敗北条件を考察しながら攻略していく遊戯になるからです
今回の遊戯において、開始時に分かった条件は以下の通り
【勝利条件】?????
【敗北条件①】全員が神に掴まること
【敗北条件②】?????(逃げ切っても敗北する場合がある)
この条件下の元、遊戯をしつつ、言葉や行動などの散りばめられたヒントをかき集め、攻略を目指していきます
今回の遊戯の相手は知と力を兼ね備えた巨神・タイタン
遊技場内にあるビルを破壊し、攻撃を仕掛けてきながら人類側に近づいてくるタイタンから逃げつつ、勝利条件や敗北条件を模索していくフェイ達の姿は面白かったです
そして、『神々の遊び』には隠しルールというものも存在します
今回の「神ごっこ」に関してもいくつか存在し、その内の一つが「神を真似る」
基本的に『神々の遊び』中に負傷した場合、現実世界でその影響は受けません
もしも遊戯中に死んだ場合は、脱落扱いになり、強制的に現実世界に戻されます
しかし、今回の「神ごっこ」においてはそうではありませんでした
自らの巨体を奮いながら、ビルを倒壊させて近づいてくるタイタンの攻撃力は折り紙付き
そんなタイタンに踏みつけられたら即脱落となるはずが、『神々の遊び場』内に留まっている
それどころか、攻撃された使徒は体の自由を奪われ、仲間を攻撃し始める
その様子を見たフェイは「これが隠しルールか」と見定めます
隠しルール①:神に捕まった者は、神の手先となって襲い掛かってくる
こういった風に、遊戯をしながら「この遊戯にはどういった条件のものが設定されているのか?」と言うのを考察しながら繰り広げていくのが『神々の遊び』
いわゆる”謎解きゲーム”の側面も持ち合わせているんですよね
これに関しては、次の遊戯の時のセリフになりますが、フェイがこんな風に語っていました
神さまの遊戯ってのはどんなに難解でも不可能はない。これもそうさ。巧妙に手がかりが隠されて、注意深く観察すれば攻略が進むカラクリになってる。完璧に計算された謎解きゲームだ。
「神は遊戯に飢えている」原作 1巻より
散りばめられたヒントを元に読者も考察しながら楽しめる
同じプレイヤー気分を味わえるのもこの作品の魅力ですね
禁断ワード vs無限神ウロボロス
パール参戦の無限神・ウロボロス戦になります
こちらで繰り広げられる遊戯は『禁断ワード』
そのルールは以下の通りです
【勝利条件】ウロボロスに「痛い」と言わせること
【敗北条件】参加者全員の脱落
【隠しルール①】?????
【隠しルール②】隠しルール①達成時、一定時間のみ■■を■■できる
実はこの無限神ウロボロスですが、『三大不可能』の一つと言われるほどの高難易度の遊戯になります
それゆえに、過去においてこの遊戯の達成者は0
”この神を引いたら敗北以外あり得ない”と言われるほどの《絶望の神》です
「1巻からそんな神登場させていいの?」と思ったんですが、この遊戯が熱かった!
まずこのウロボロスはかなりの巨体になります
過去に挑んだ者が計測した所、全長は10km、横幅は300m
この神が登場するまでの人類が挑んだ神の最大全長が600mだったらしいので、この巨体はもう規格外のレベル
これは原作でフェイ自身が説明してくれているんですが、全身2mの人間とウロボロスを比較した場合、ウロボロスにとって人間はダニとか埃程度のレベルだそうです(笑)
そしてこのゲームの勝利条件は「痛い」と言わせることですが、過去に遊戯に挑んだ者達の記録にウロボロスが人語を話したという記録は無い
とどのつまり「痛い」と言うかどうかが分からない
そもそも神さまの「痛い」が人間と同じ感覚のものかどうかすら分からない
そう…この遊戯は勝利条件が分かっても、勝利方法が分からない遊戯になります
(ちなみに、『禁断ワード』の内容に関しては、念話が使える超能力者がウロボロスの思念のごく一部を読み取って判明したものになります)
そして、この遊戯は力技で何とかするものでは無く、れっきとした知能ゲームであるというのが面白い!
実際、元神であるレーシェが使徒とは比べ物にならないほどの力で殴っても「痛い」と言う言葉は発しませんでした
それを見たフェイはこの遊戯は”頭を使う遊戯だ”と考察しています
「これは歴とした知略ゲームです。『神に痛いと言わせること』が何を意味するのか。神(ウロボロス)は、俺たちに頭を使えって言ってきてる」
「神は遊戯に飢えている」原作1巻より
判明している事実や事象から検証と考察を繰り返して、遊戯攻略を目指していく姿は面白かった!
何よりこの遊戯を楽しむフェイとレーシェ、そしてパールの勇姿が熱い遊戯でした
まとめ
好きなことに対して、情熱と好奇心を持って全力で挑んでいく作品である『神は遊戯に飢えている』
現実的な死やリスクと言った部分が薄いのでひっ迫感や緊張感というものも薄い印象がありましたが、だからこそ神もヒトも純粋に勝負を楽しんでいるような印象もありました
”やり直しのきかないデスゲームのハラハラ感”と言うのも読んでいて緊張感があり面白いですが、”楽しむ姿を自分と重ねて純粋に楽しむドキドキ感”と言うのは初心に帰るようでこれもまた面白かったですね
それこそ子供の時の気持ちに戻ったみたい(笑)
『純粋に、そして全力で何かを楽しむ』という事の”楽しさ”を改めて思い出させてくれた作品でした!
こちらの作品はまだまだ刊行が続いておりますので、引き続き読み続けたいと思います!!
なお、『神は遊戯に飢えている。』2巻は2021年5月25日に発売され、こちらも読ませていただきました!
ヒトvs神だけでなく、ヒトvsヒトとのゲーム対決や数の理不尽による『追いかけっこ』
そして、個性的な新キャラ・ダークス登場と面白さがレベルアップした内容でしたね
こちらに関しても今回同様、遊戯内容に沿って感想を語っていますので、興味がある方は是非ご参考くださいね
それでは、今回はこの辺で!
また会いましょう