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『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ伍」感想&解説!スーサイドマスターがミイラ化した理由がついに判明!事件解決も目前に迫る!?

どうもウハルです!

今回は〈物語〉シリーズのオフ&モンスターシーズン『忍物語』の「しのぶマスタード 其ノ」の感想&解説を語っていきたいと思います!

前回はスーサイドマスターが復活し、忍との六百年ぶりの再会を祝うかのように互いにその嬉しさを分かち合っていましたが…

この超重要情報をずっと待っていた人もいたかと思うので、そういう方にとってはかなり待ち遠しかった回だったと思います

そして、その「ミイラ化した理由」というのも中々に驚きの内容ではありましたが、そこから一気に”謎”の真相へと近づいていくかのように話が進んで行く展開もまた見所が多かったです!

特に阿良々木くんによる考察に関しては中々説得力のある部分ではありましたし、何より、改めて今回の”謎”に対して情報を整理してくれたので、視聴者側も一緒になって今回の”謎”を改めて見直す機会を貰えたのは、こんがらがった情報を整理するという意味でも凄く助かる部分ではありました

この『忍物語』も終盤戦へと入り、これほどまでに”謎”の部分が明らかになっていくと、いよいよ事件解決に向けて手が届く位置まで来たなと思わせるエピソードとなっていたようにも感じました

ということで今回は、そんな『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ」の感想と解説を語っていきたいと思います!

なお、前回のお話である『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ肆」の感想と解説も語っていますので興味がある方は是非!

また、〈物語〉シリーズのアニメや原作小説についてまとめた記事もありますので、他の〈物語〉シリーズ作品に触れてみたいと感じた方はそちらも参考にしてみて下さいね

『忍物語』原作情報&アニメ化章数

著:西尾維新, イラスト:VOFAN

”たまには縁(えん)も縁(ゆかり)もない女子を助けてみるのも乙だろう”
直江津高校の女子生徒が、相次いで失踪する事件が発生した。ミイラ化した状態で発見された少女達の首筋には、特徴的な傷跡があって・・・?大学一年生になった阿良々木暦は、犯人を突き止めるべく走り出す!
青春は、眩しいだけ・・だと思ってた?

原作『忍物語』巻末より引用

『忍物語』はシリーズ通巻23冊目の原作小説で全50章の作品となり、今回アニメ化された「しのぶマスタード 其ノ伍」は36章から45章まで描かれた形になります

「しのぶマスタード 其ノ伍」あらすじ

六百年ぶりの再会を果たした忍とスーサイドマスター。喜び合う二人の一方、伊豆湖は暦に新たなニュースを知らせた。現状に焦りを隠せない暦は、忍に呼ばれスーサイドマスターとの対面を果たす。そこで明かされる衝撃の事実とは……?

〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより

『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ伍」感想&解説

悪いニュースどころか最悪のニュース

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイト

スーサイドマスターの復活に成功し、六百年ぶりの再会を果たした忍野忍

二人はその再会を懐かしむように楽しくお喋りをしていましたが、その光景を見届けるかのように阿良々木暦、臥煙伊豆湖、八九寺真宵の三人は神原の屋敷の縁側から眺めていました

その最中に、臥煙伊豆湖はこの場は八九寺に立ち合いを任せて、阿良々木くんと共にこの場から一旦席を外しました

というのも、臥煙伊豆湖は阿良々木くんに事件に関する報告をしておくことが2つあり、それを伝える為に席を外したんですが、その2つというのはどちらも悪いニュースでした

まず1つ目が、5人目の行方不明者である木石総和(きせきそうわ)の所持品が直江津高校の女子バスケットボール部の更衣室から見つかったということ

鞄や電源の切れた携帯電話もそうですが、彼女のロッカーからは制服とユニフォームも見つかり、もしもこの状態でこれまでのミイラも見つかっていれば身元を判明することは難しくなり、捜査が難航していただろうことを臥煙伊豆湖は明かしました

そして木石総和に限ってこの隠蔽工作が行われたという事実は、ある一つの推測へと辿り着き、それは2つ目の悪いニュースへと繋がっていきます

つまり、臥煙伊豆湖たち捜査陣側がミイラの所持品から個人を特定していることが犯人(もしくは犯鬼)側にバレており、それは捜査陣側の情報が洩れている可能性があることを示唆していました

悪いニュースどころではなく最悪のニュースとも言える情報を聞いた阿良々木くんでしたが、臥煙伊豆湖は続けて、それ以外にも分かったことを阿良々木くんに話しました

現在保管されている四体のミイラのDNA鑑定をしてみたところ、その四体は同じ吸血鬼から血を吸われたことが判明し、さらにそのDNAは臥煙伊豆湖がこっそりと採取したスーサイドマスターのDNAとほぼほぼ一致したということが分かりました

その事実はスーサイドマスターの容疑が濃くなったことの証明でもありましたが、だからといって連続吸血魔であるという決定的なものとは成り得ませんでした

というのも、今回見つかった木石総和の所持品をわざわざ女子更衣室に隠す必要性がスーサイドマスターにはないし、何よりその間、スーサイドマスターは乾眠していて隠すという行為自体を行うことが出来ませんでした

また、そもそも乾眠していた理由やそのプロセスが分からないし、第四のミイラである官宮鶚(かんぐうみさご)が貯水湖に沈められていた理由に関しても、所持品を隠していた時同様にスーサイドマスターがそれを行う必要性が感じられない

容疑は濃くなっても信憑性が薄くなったこの情報に緊張感だけは増したものの、結局のところスーサイドマスターから話を聞かなければいけない事実に変わりないと阿良々木くんが考えていたところに、突如現れた忍から声を掛けられ、忍はスーサイドマスターからの伝言を阿良々木くんに伝えました

お前様。スーサイドマスターがお前様と話がしたいようじゃ。会ってやってくれるか?

感想&解説

六百年ぶりの再会を果たしたスーサイドマスターと忍

この二人の光景と言うのは見ていて非常に微笑ましい部分ではありましたが、二人の笑い声が飛び交い、さらには楽しそうに会話をしている描写がより一層、その微笑ましさを増していたように感じます

実際原作でもこのような描写はありますし、会話に関しては阿良々木くんには分からない異国の言葉で話していたようなので、会話の内容自体が視聴者側も分からないようになっている表現はお見事でしたが、それを「嬉しい時の笑い方」を被せてくるようにしたのは本当に良かったです

正直、ここに関しては会話している様子を見せつつ、劇伴を乗せるか阿良々木くんの語りを被せるかのどちらかだと思っていたので、やはりプロの表現力は偉大です

そして、ここのパートでは2つの悪いニュースが明かされました

確かにどちらも悪いニュースではありましたが、情報が漏れていたというニュースは阿良々木くんが言う通り、まさに最悪のニュースと言えるでしょうね

ただ、それ以上に最悪のニュースと言えるのが、吸血されたミイラとスーサイドマスターのDNAがほぼほぼ一致したという事実

この事実だけを考慮すると多くの人は「連続吸血魔はスーサイドマスターで確定なのでは?」と思うかもしれませんが、そうは問屋が卸さない

動機と言う部分に関してもそうですが、これまで起きてきた事件の流れそのものがスーサイドマスター自身にとって全く必要性のない事柄が多く、明らかに不自然な点が多すぎる

新たな情報がより多くの”謎”を生み出しているような感じはしますが、その”謎”自体はこの後に語られるスーサイドマスターの話によって解きほぐされていくので、かなり興味深い内容ではありましたね

ここでの解説は原作から1つです

その1つというのは、今回行われれDNA鑑定についてです

まず、臥煙伊豆湖がDNA鑑定をした理由は同一犯の犯行である可能性を特定するためではあったんですが、そもそも彼女はこの街に四体、または五体の吸血鬼がやってきていて、それぞれが吸血していた可能性も考慮していました

その可能性はかなりゾッとする可能性ではありましたし、結論としては同一犯の可能性として特定されたわけですが、そもそも吸血鬼のDNAが現代の科学で分かるのかと言うと答えはYESです

吸血されミイラ化した状態はいわば吸血鬼化の状態ではありますが、この状態は現代の医者から見れば”奇病”として扱われる部類の物であり、これが知られてしまえば病院がパニックになりかねません

そもそも阿良々木くん自身、ほぼ人間とは言え吸血鬼性も帯びている状態ではあるので、それがバレないように健康診断すら逃げていたりします

しかし、これは逆を言ってしまえば、吸血鬼化した状態の遺伝子を解析すること自体は可能と言うことになり、今回のDNA鑑定に関しても行うこと自体は出来たというわけですね

ちなみに、細かい部分ではありますが、臥煙伊豆湖が四体のミイラとスーサイドマスターのDNAが「ほぼほぼ一致した」という慎重な言い方をしたのにはしっかりと意味があって、それは臥煙伊豆湖自身が、『DNAが一致した=犯人』という決めつけた考え方を避けているためです

『DNA鑑定=絶対』みたいな考え方と言うのは自分自身もしてしまう時はありますが、実際問題、DNA鑑定による失敗というのはありますし、それによる冤罪というのも実例として存在します

そういった理由から臥煙伊豆湖は「ほぼほぼ一致した」という事実を伝えつつも、だからと言ってイコール犯人とは決めつけないように言い方を選んだというのがこの一言に含まれていました

スーサイドマスターがミイラ化した理由

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイト

俺様が決死にして必死にして万死の吸血鬼、デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターだぜ。近うよれ。

スーサイドマスターに呼ばれた阿良々木くんは忍野忍を隣に、臥煙伊豆湖&八九寺真宵は縁側から見届ける中、スーサイドマスターが復活した庭で彼女と初めて会話をすることとなりました

スーサイドマスターはまず、ミイラ化した状態から回復してくれたことに礼を言い、それ以上に自身の眷属であったキスショットを生き永らえさせてくれたことに深く感謝しました

続けてスーサイドマスターはお願いとして、この国からの出国を手伝って欲しいと阿良々木くんにお願いします

阿良々木くん自身はそれに関してはやぶさかではないと話しつつ、そのまえにはっきりさせなくてはいけないことがあるとスーサイドマスターに一つの質問をぶつけます

その質問を受けたスーサイドマスターは地中に潜っていた理由は知らなかったものの、ミイラ化した理由だけははっきりと覚えていました

千年以上生きてきてこんな死に方をしたのは初めてだと語る彼女は、一週間前の出来事を語り始めました

一週間前に日本にやってきたスーサイドマスターは、来日してすぐに上空からの落下死によって木っ端みじんになって死んでしまいましたが、死ぬことに関してはもはや慣れっこで、そのこと自体は特に気にしてはいませんでした

しかし、スーサイドマスターにとってショックだった出来事はしっかりとその時に起こっており、その出来事と言うのはこの街の結界がスーサイドマスターに対して反応しなかったということ

八九寺が張っていた結界というのは攻撃的な結界ではなく、触れたものを迷わせる結界の類であはあったものの、その結界の効力ですらスーサイドマスターには反応しなかった

それはイコールで結界がスーサイドマスターを脅威だと感じていない証拠でもありました

また、見た目が幼女である八九寺よりも幼い見た目となっていたスーサイドマスターは、もはや見た目だけでも完全体の姿を維持できないほどに弱体化しており、その弱体化の事実こそがスーサイドマスターに大きなショックを与えることとなりました

また、その事実を知った状態で、かつての眷属であるキスショットに再会するというのはプライドとして許すことが出来ず、それは自身の食に対する矜持ですらもブレてしまうほどでした

とどのつまり、見栄を張りたかったスーサイドマスターは、現地調達として偶然出会った女子高生を食べてしまい、そして『食中毒』にあたった結果、ミイラ化してしまったというのが経緯のようでした

スーサイドマスターが話した内容は明らかに自白しているような内容ではありましたが、阿良々木くんはそこまで聞き終えて、一つの疑問が思い浮かびます

しかし、その疑問に関してはスーサイドマスターの話を一緒に聞いていた臥煙伊豆湖がしっかりと答えてくれて、彼女曰く、例としては貴重ではあるものの、吸血に失敗してミイラ化する吸血鬼というのもいるらしい

そして、その可能性を考慮すると、”吸血鬼化に失敗してミイラ化した女子高生””吸血に失敗してミイラ化した吸血鬼”に加えて、”吸血鬼化に成功した女子高生がいる”という可能性が浮上してきました

その可能性を考えた時、途中から吸血鬼が入れ替わっていたことが分かり、これまで腑に落ちていなかった点も腑に落ちるようになりました

また、これまでの流れとしても女子バスケットボール部員が女子バスケットボール部員を襲っているという構図こそが、動機と言う点も含め、一連の犯行としてしっくりくる可能性だと阿良々木くんは考えます

そこまで思い至った時、たった一人だけ監視の対象になっていない人物がいることに気付きました

彼女が吸血鬼化に成功している可能性を考慮して、阿良々木くんはこれまでの状況を整理することにしました

感想&解説

ついに明かされたスーサイドマスターのミイラ化の原因はまさかの『食中毒』

ここに関しては原作を読んだ時からあまりに意外な原因過ぎて、一回思考が止まった記憶があります(笑)

それでも、この原因自体が特別なものかと言われるとそうではなく、「食べる側が食べた側の毒にやられた」と考えるとしっくりくる内容ではありますよね

例えるなら、毒を持っているフグを食べてしまったとか、毒キノコを知らずに食べてしまったとかそんな感じです

今回はそれが偶然出会った女子高生だったわけですが、ここまで見た時に少し思ったのが、この毒性と言うのは”心”のあり様で決まるのかもしれませんね

スーサイドマスターが食した女子高生は女子バスケットボール部員だったわけですが、彼女たちはある意味、心に病を抱えているような状態であり、それは病んで痛んでいたとも言えます

もしも食材が痛んでいれば、当然それを食べれば腹を壊してしまうし、体調もこわしてしまうので、それは”毒されている”とも言えなくはありません

一方で、美食の極みとも言えるアセロラ姫はこれ以上ないほどの心の美しさを持ち合わせている人物だったりもするので、同じようなことを当てはめるのであれば、食材としては常に”新鮮さ”を保っているとも言えます

その辺りが吸血鬼と食材との関係性を関連付けているのかなと思わせる描写となっていて、今回スーサイドマスターが『食中毒』にあたった理由と言うのも納得出来た気がします

そして、ついにこれまでの事件の犯人と思われる人物の名前が浮上してきました

まだ見つかっていない残りの行方不明者である木石総和が、今回の一連の事件の犯人の可能性が見えてきましたが、その辺りに関してはまだあくまで可能性としての話

結論を急ぐにはまだ早いですし、この後の阿良々木くんの状況整理を踏まえながら、一緒に考察していくのが良いかもしれませんね

ここでの解説は原作から1つです

その1つは、スーサイドマスターが原作で語った女子高生を吸血したもう一つの理由です

アニメではスーサイドマスターが吸血した理由は「見栄を張りたかったから」という部分が語られていますし、それ自体に嘘はないんですが、原作ではもう一つだけその理由が語られていました

それは、弱体化してしまった姿を見せて忍に心配かけさせたくなかったからです

これに関してはスーサイドマスター自身は原作で「格好つけだな」と言っていますが、個人的にはそうは思えない理由だったので少し紹介したいと思います

弱体化の件に関してはアニメ本編でも語られている内容ではありましたが、かつてその弱体化した姿は『業物語』「あせろらボナペティ」でも描かれていました

アセロラ姫を食すために他の食材を一切口にしなかったスーサイドマスターはどんどん弱体化し、今と同じような幼女の姿へと変わってしまいましたが、その際にその姿を心配した眷属が一人いました

その眷属の名前はトロピカレスク・ホームアウェイヴ・ドッグストリングス

彼は見る見る弱体化していく主人をずっと心配していましたが、その結末としてトロピカレスクは主人の言いつけを破ってまでアセロラ姫に襲い掛かり、そして木っ端微塵になってしまいました

この出来事はスーサイドマスターにとってはトラウマとも言える出来事となっており、この時の失態を再び繰り返すわけにはいかないと感じていました

だからこそ、弱体化した姿をかつての眷属である忍に見せるわけにはいかず、吸血行為を行ったというのが原作では語られています

スーサイドマスター自身はトロピカレスクに対して友情とも愛情とも呼べるような深い情を持って接しており、この時のトラウマがあったからこそ弱体化した姿を見せて心配をかけさせたくなかったというのはかなり納得できる部分なような気もします

ただ先程も少し語りましたが、スーサイドマスター自身はこの理由は「格好つけ」とは言っていますし、結局のところは「見栄を張りたかった」とは言っていますが、『業物語』でのあのトロピカレスクを食べる食事シーンを見ている側としては、この理由自体も弱体化した姿を見せたくなかったという理由として十分な気もしますね

阿良々木暦が考える今回の事件のあらまし

木石総和が吸血鬼化に成功している可能性を考えた阿良々木くんは、今回の事件を一旦整理することにしました

これまで木石総和のミイラの捜索をしていた捜査陣でしたが、そのミイラ自体がそもそも存在していないのであれば見つかるわけもない

どころか本人が連続吸血犯であり、捜査を攪乱させるために自身の私物をロッカーに押し込んだと考えれば、自身はすでに被害に遭っていると装うことも出来る

そして捜査が自分に向いていない間に、好きに動こうとした

これに関してはこれまで残されてきた暗号でも同じことが言えて、スーサイドマスターが相手を襲う際に自ら名乗ったであろうことは、先程の挨拶からでも予想は出来る

つまり、自分を襲った相手の名前を知っている木石総和は、スーサイドマスターの名前を使って一連の犯行を彼女になすりつけようとしていたのではと考えることも出来る

「D/V/S」は被害者である口本教実(くちもときょうみ)が残したリビング・メッセージの可能性は捨てきれないものの、少なくとも「F/C」に関しては捜査陣を攪乱するためのフェイクであることは間違いない

「F/C=神原駿河ファンクラブ」という別の方向へと捜査を誘導するかのような暗号ではあったし、何より女子バスケットボール部員であればそのファンクラブの存在を知らないはずはない

そして、それらの暗号のみならず、貯水湖にミイラを沈めたり、工作をしたり、隠ぺいをしたりと言った凡そ吸血鬼らしからぬ人間らしい行動の数々も、吸血鬼になりたての人間が行ったと考えれば全て腑に落ちる

ここまで考えた時に臥煙伊豆湖から「第二のミイラと第三のミイラの発見順と襲われた順が入れ替わっていたように順序が違かった」ということを言われ、改めて発見順と被害に遭った時系列も考えてみることにしました

ミイラの発見順
  1. 一番目のミイラ…貼交帰依
  2. 二番目のミイラ…本能あぶり
  3. 三番目のミイラ…口本教実
  4. 四番目のミイラ…スーサイドマスター
  5. 五番目のミイラ…官宮鶚
  6. 六番目のミイラ(仮)…木石総和

そして、未だに見つかっていない木石総和をスーサイドマスターに襲われた第ゼロの被害者とすると、

被害に遭った順
  1. 第ゼロの被害者…木石総和(吸血主・スーサイドマスター)
  2. 第0.5の被害者…スーサイドマスター(食中毒)
  3. 第一の被害者…貼交帰依(吸血主・木石)
  4. 第二の被害者…口本教実(吸血主・木石)
  5. 第三の被害者…本能あぶり(吸血主・木石)
  6. 第四の被害者…官宮鶚(吸血主・木石)

ということになる

ここまでを考えると、確かにスーサイドマスターは連続吸血犯ではないものの、その発端を作り出した本人であることには間違いなく、最初に血を吸われた木石総和が被害者から加害者へと切り替わった構図になったのが、今回の事件の真相なのだと阿良々木くんは考えました

そして、次に木石総和が狙う人物が誰かと言うのを考えると、阿良々木くんは女子バスケットボール部員の誰かだろうと考えますが、そこに思い至った時、非常にマズい状況になっていることにも気付きました

後輩たちにとっては今の女子バスケットボール部員の軋轢を生みだしたとも言える神原駿河を含めた三年生のOGたちが一堂に会している場所があり、それは連続吸血犯にとっては絶好の狩場

現在、三年生のOGたちが集まって日傘家でパジャマパーティーが開かれていることを思い出した阿良々木くんは、臥煙伊豆湖を連れてその場を後にするのでした

感想&解説

スーサイドマスターが起きただけでもの凄い勢いで”謎”の部分が明らかになっていきましたが、この辺りはあくまで可能性の部分

実際のところ、確たる証拠と言うものはまだ出ていない状態ではあるんですが、説得力自体は非常にある考察だとも言えます

時系列や発見順との違いから生じた勘違いの部分だったり、これまでミイラ化してきた女子高生を見ていたからこそ「吸血される=ミイラ化する」という思い込みが視野を狭くしていた部分などが明らかになり、改めてこうやって状況を整理すると一つの道筋が生まれてきますね

そして、これまで残されてきた暗号だったり、犯行なんかを考えた時に、吸血鬼が行った行為と言うよりも人間が行った行為と考えた方がしっくりくるというのも視聴者側としても腑に落ちる内容だったように思います

以前に忍が「吸血鬼が証拠隠滅で死体を隠すなら、自身の腹の中が一番」とも言っていましたが、改めて事件を整理すると、そういった吸血鬼らしさよりも人間らしさの方が今回の事件では前面に現れていたようにも感じますね

ただ、先程の解説で少し触れたDNA鑑定の話ではないですが、思い込みと言うのは今回の事件では非常に危険な考えの一つでもあります

現に、これまで吸血鬼化に失敗してきたミイラやスーサイドマスターのミイラを見てきたからこそ、吸血鬼化に成功した女子高生の可能性を考慮することが出来ていなかったわけですし、時系列と発見順の相違に関してもスーサイドマスターの話があったとはいえ、入れ替わりと言う可能性を考慮することが出来ていませんでした

たしかに可能性ばかりを考えていたらキリはありませんが、それでも全てを鵜呑みにしてこの先の展開を見届けるというのはもう少し待ってほしいですね

阿良々木くんや臥煙伊豆湖の推測自体は腑に落ちる部分もありますが、それでも違和感のある部分と言うのも確かに存在するので、最後まで自分自身の推測を持ちながらこの先の展開に待ち受ける結末を見届けて欲しいと思います

ここでの解説は原作から1つです

今回の事件において、女子高生がミイラ化するという事件も吸血鬼が人間を吸血するというのも由々しき事態ではありますが、実はこれら以上に由々しき事態となっていることが今回の考察から明らかになっています

それは、今回の案件は下手したら『くらやみ』が発生しかねない案件になり始めているということ

というのも、今回に関しては期せずして吸血鬼パワーを手にしてしまった女子高生が、その力を使って連続吸血魔と化している状態ではありますが、それは普通の吸血鬼と違って食欲という生理現象によるものではなく、ただの鬱憤晴らしと言う人間らしい考えの元で行われている行為になり、その行動理念は非常にマズい

今回行われている吸血行為と言うのは、言うなれば、人間だった頃の価値観のままで、吸血鬼の力を使っているのと同義になり、それは怪異の在り方を偽った行為とも呼べます

そして『くらやみ』は”己の在り方を偽った怪異”の目の前に現れる存在となっているので、まさに今回の一件は『くらやみ』が登場する条件とピッタリ一致してしまう可能性が非常に高いんですよね

原作では阿良々木くん自身もその事に気付き、由々しき問題の一つとして今回の事件を考察していましたね

いざ!女バスOGのパジャマパーティーへ!

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイト

ニュービートルに乗って急いで日傘家へと向かう阿良々木くんと臥煙伊豆湖

その車中で木石総和が吸血鬼化に成功していた場合、元に戻せるのかどうかを聞いた阿良々木くんでしたが、それに関して本人に戻る意思があるかどうかにもよると臥煙伊豆湖は話します

そして、その話をしながら臥煙伊豆湖は持っていたタブレットで木石総和の写真を加工して金髪金眼にし、信号で一時停止したタイミングを見計らうようにその姿を阿良々木くんに見せました

それを確認した阿良々木くんは、神原には近づけない臥煙伊豆湖に変わって神原の元へと行くことになり、臥煙伊豆湖はニュービートルを借りて別のアプローチから捜査にあたることになりました

日傘家へと到着し、一瞬部屋の前で躊躇いながらも、阿良々木くんはパジャマパーティーの場へと足を踏み入れますが、そこでまさかの阿良々木コールが湧き上がるほどの自身の大人気ぶりに驚きと動揺が隠せませんでした

そしてそんな動揺の中、日傘星雨が指揮を取るように今回のパジャマパーティーの参入に関しては緊急に話があるという理由から許可はしたものの、それでも「ドレスコードだけは守ってもらいたい」と阿良々木くんに話します

パジャマパーティーにおけるドレスコードとはまさにパジャマであり、それを着ること自体は了承した阿良々木くんでしたが、それでもまだ挨拶もしていない日傘の父兄からパジャマを借りるというのはやはり気が引ける部分ではありました

しかし、神原から日傘には父兄はいないといわれ、続けて日傘からこんなことを言われてしまいます

我が家には今現在、女物のパジャマしかありませんが、ご心配なく!女子バスケットボールOG会はご覧の通り、身長には自信があるのです!

そう言われた阿良々木くんは「あるから何?あるから何かな?」と疑問を抱きつつも、明らかにこの後に待ち受ける展開が分かっている中、パジャマパーティーへと参加することになるのでした

感想&解説

ここまでのシリアス雰囲気はどこへやらw

いきなり展開に明るさが増したパジャマパーティーパートですが、阿良々木くんが部屋に入る前に躊躇ってしまう理由も分かる気がします

そもそも神原だけならいざ知らず、会ったばかりの日傘や会ったこともないOGたちがいる部屋に足を踏み入れるというのは中々に勇気がいることですよね

実際、アニメで少し描写はありましたが、原作でも阿良々木くん自身は月火を見習わなければならないほどの精神的なタフネスさを持ってこの場に臨んでいるので、かなり勇気を振り絞ったと思われます(笑)

ただ、このパジャマパーティーに参加したことでしっかりと真相へと辿り着ける展開になっているので、阿良々木くんの努力と勇気も決して無駄ではなかったということですね

まあ、その阿良々木くんの勇姿に関しては「(笑)」を付けたくなるような姿になるであろうことは想像に難くないですけどねw

ここでの解説は原作から2つです

まず1つ目が、神原がネグリジェ姿だった理由です

これに関しては本編では「常時情事の邪魔にならないパジャマこと、ネグリジェを知らんのか」という神原の説明で終わっていましたが、ちゃんとこのネグリジェを着ていた理由が原作では描かれていました

その理由と言うのはまさに神原らしい理由ではあるんですが、単純に彼女は普段は裸なのでこの日の為に借りたというのが真相です

そもそもボーイッシュな神原がネグリジェを着ていること自体に不思議に感じていた阿良々木くんが彼女を問い詰めたところ、そう答えたようです(笑)

それを聞いた阿良々木くんは「誰だ、貸したの」と原作では語っているんですが、そこに関してはツッコミと言う意味でもの凄く同意見の語りの部分でした

次に2つ目ですが、日傘に父兄がいないという部分についてです

ここに関してはある意味そのまんまの意味ではあるんですが、一応解説として語らせて頂くと、日傘の家庭はシングルマザーであり、母ひとり、子ひとりの家庭となっています

なので、日傘の家には男性もののパジャマと言うものは存在せず、阿良々木くんはあそこまでOGたちに追い込まれていたというわけですね

まとめ

〈物語〉シリーズのオフ&モンスターシーズン『忍物語』の「しのぶマスタード 其ノ伍」の感想&解説でした!

スーサイドマスターが今回の事件について語ったことで欠けていた大きなピースが埋まり、全体像がやっと見えてきた今回のエピソード

ここまで来るのに「ついに!」と思うか「やっとか」と思うかは人それぞれな気もしますが、それでも今回の事件に関してはもう残すところは解決編というところまでやってきました

とどのつまり、これまで登場してきた事柄を繋ぎ合わせれば今回の事件の”謎”は視聴者側でも分かるだけの材料は揃っていることになります

もしかしたら、視聴者の中にはもうすでにこの事件の真相に近づいている方もいるかもしれませんね

そして、多くの”謎”の可能性自体は阿良々木くんや臥煙伊豆湖が語ってくれましたが、それでもまだ明かされていない”謎”というのがあるのも事実

例えば、捜査陣側の情報が犯人側に漏れていた理由とかですね

実はこれに関しては過去の感想ブログでもちょろっとヒントみたいなものを出したことがあるんですが、それ以前に、この「しのぶマスタード」内でもしっかりとその描写は描かれています

「え?どこ?」と思った方は次回の「しのぶマスタード 其ノ陸」を見る前に再度「しのぶマスタード」の其ノ壹~其ノ伍を見直すのも良いかもしれませんね

そうすると解決編を見た時に「あれか!」っていう新鮮な驚きが得られて、さらに楽しめるかもしれませんよ!

また、次回の「しのぶマスタード 其ノ陸」がこの『忍物語』の最終回となるので、秋アニメとして始まった〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズンも次回が最終回になると思われます

現状では「実は2クールだった」とか「次クール制作決定!」みたいな情報は無いので何とも言えませんが、これで終わりと言うのも中々寂しいものがあります

なので、次回のお話だけでなく、新情報の発表があるかどうかにも期待しながら『忍物語』「しのぶマスタード 其ノ陸」を楽しみに待ちたいですね!

それでは今回はこの辺で!

また会いましょう

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