〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン

『撫物語』「なでこドロー 其ノ肆」感想&解説!”媚び撫子”との約束&”神撫子”登場に胸アツで激アツな展開目白押し!

どうもウハルです!

今回は〈物語〉シリーズのオフ&モンスターシーズン『撫物語』の「なでこドロー 其ノ肆」の感想&解説を語っていきたいと思います!

今回の「なでこドロー 其ノ肆」に関しては、感動あり、ギャグあり、そしてボスキャラ降臨ありと胸アツや激アツな展開が目白押しでした!

”媚び撫子”との会話とそこで交わされた約束には思わず涙が零れそうになりましたし、ブルマ姿の”ルマ撫子”の伏線には知ってはいつつも、強烈なビジュアルに笑ってしまいましたよねw

そしてついに、〈物語〉シリーズにおけるボスキャラの一人である”神撫子”がその姿を現しました!

あの圧倒的な存在感はやはり見事な狂気性を帯びていますし、彼女の無邪気さゆえに恐怖を感じてしまうキャラクター性は何年経っても変わらないなと感じてしまいました

ということで今回は、そんな胸アツで激アツな展開目白押しの『撫物語』「なでこドロー 其ノ肆」の感想と解説を語っていきたいと思います!

なお、前回の〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズンの『撫物語』「なでこドロー 其ノ參」の感想&解説も語っていますのでよろしければそちらも是非!

また、〈物語〉シリーズのアニメや原作小説についてまとめた記事もありますので、他の〈物語〉シリーズに触れてみたいと感じた方はそちらも参考にしてみて下さいね

『撫物語』今回はどこまでアニメ化した?

著:西尾維新, イラスト:VOFAN
\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場

”夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ、恥ずかしい”
かつて神様だった少女・千石撫子。夢を追い、現実に追いつめられる彼女は式神童女・斧乃木余接の力を借りて、分身をつくることに成功する。しかし4人の「撫子」達は、ばらばらに逃げ出してしまい・・・?
自分さえ、手に負えない・・・・・・のが青春だ。

『撫物語』巻末より引用

『撫物語』は全31章で構成されているシリーズ作品になりますが、その内、「なでこドロー 其ノ」は21章から26章までの内容を軸とした話になっています

『撫物語』「なでこドロー 其ノ肆」感想&解説

過去の自分を乗り越えるとき

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより

北白蛇神社で余接の修復を終えた二人は、作戦タイムと小休止の意味も込めて、一度千石家へと戻ることにします

そして、家に着いた二人はまず、余接のアヴァンギャルド過ぎる服装は目立ちすぎるため服を着替えてもらい、撫子はその間にご飯を用意することにします

といっても、ご飯を作ることは出来ないのでカップラーメンを作り、余接にはアイスをあげることにしました

余接が着替えを終え、1階のリビングにやってきたところでご飯を食べつつ、改めて北白蛇神社で言っていた作戦の確認をします

現状、”神撫子”と”おと撫子”がペアで行動しているため、それに対抗するために”媚び撫子”と”逆撫子”を調伏した”今撫子”も三人で対決に挑もうというのが今回の作戦です

撫子自体、その作戦の言わんとしていること自体は理解出来ますが、ただこの作戦が上手く行くとは思えませんでした

なぜなら、この「式神に頼って状況をクリアにしよう」というのはすでに朝の段階で失敗しているからです

そのことを口にした撫子でしたが、余接はそれは重々承知した上で、撫子にこんなことを言います

しかし千石撫子、失敗して、それで終わりでいいのかい?
一回チャレンジして、失敗して、じゃあもう二度としないというのは、夢を追う人間として正しい態度とは言えないだろう

その言葉に思わず考えてしまう撫子ではありましたが、ただ、余接自身もそこまで強くこの案を押すわけではなく、「もしも嫌ならもう一つの案を実行する」と話しました

しかし続けて、撫子に「当初の目的を忘れていないかい?」とも話しました

その当初の目的というのは臥煙伊豆湖から無害認定を貰うこと

それを聞いて改めて考える撫子は決意を固めて、余接の作戦を実行することを決めました

余接自身、一度失敗していながらも再び同じような作戦を立ててはいますが、それでも「同じ失敗を繰り返す」のではなく「失敗からは学ぶべきだ」と話します

今回の作戦にあたって朝と大きく違う点は、”今撫子”がしっかり”媚び撫子”と”逆撫子”と向き合ったうえで調伏しているため、主従関係が明確になっていること

そこを考えれば、今度こそ主人である”今撫子”に二人が従ってくれる可能性は高いと考えていますが、しかし、”媚び撫子”と”逆撫子”が”神撫子”側に行ってしまうという最悪の展開も考えられる

そういったケースを考え出すとキリが無いし、今回は運に頼った勝負という訳でもないため、「最終的には”今撫子”の胆力次第だ」と余接は話します

続けて、「青春マンガみたいな言いかたをするならば…」と話し、余接は撫子にこう言いました

千石撫子、お前が過去の自分を乗り越えるときが、遂に来たんだよ

前を向かない”おと撫子”、周囲に迎合する”媚び撫子”、すべてに荒れ狂う”逆撫子”、神聖を無邪気を装う”神撫子”

だからこそ、すべての彼女達を自分に繋げるべく、撫子は戦いの場へと赴いていきます

感想&解説

ここに関しては小休止というのもあり、説明パートにも近いような感じではありましたが、だからこそ、撫子がこれから進んで行かなければならない一つの道筋がしっかりと描かれているようにも感じました

漫画家という夢を追っていく中で、一回失敗したから諦めてしまっては、それこそ”今撫子”に対して申し訳が立たない

こういった失敗に対しての考え方というのは、青春マンガに限らず多くの作品でも散見するような内容ではありますが、これまで失敗し続け、諦めるのではなく逃げてきた撫子だからこそ、過去の自分と向き合い、戦いに行く描写になっているのは心に刺さりましたね

そしてここのパートでまさかの斧乃木余接の衣装チェンジが入るというね(笑)

もともとビジュアル自体は良い余接なので、どんな格好をしても似合いそうではありましたが、あのダボッとした服装もとてもよく似合っていました

なんか個人的にはDJにしか見えなくて、それこそ撫子のDJ撫子とセッションして「YO~」とかやってそうとか思っちゃいましたw

ここでの解説は原作から2つしていきます

まず1つ目は、余接のファッションのモデルです

今回披露された余接のダボッとしたファッションですが、これは元締めである臥煙伊豆湖をイメージしてコーディネートしたと原作では語られています

ただ、そもそもの話をしてしまえば、今回の服を選ぶにあたって、撫子の服だと”神撫子”にバレてしまうかもしれないから、撫子の父親か母親の服から選んでいるのでサイズ的にダボダボにはなってしまうんですよね

そこを考慮した上での臥煙伊豆湖スタイルにはなっているので、納得と言えば納得のチョイスではあるんですが、しかし、このラフな感じの服をあの両親が持っていたというのもまた意外だった気がしますけどね

ちなみに、アニメだとニット帽を被っていましたが、原作だと撫子が「そのファッションならニット帽が似合うと思うよ」と言っているだけで被ってないと思います

「思います」って表現しているのは、原作でそういった描写が無いから

この作品、基本的にキャラクターの外見に対する細かな描写ってほぼ無いので、その辺は原作からだと読み取り難かったりするんですよね

そういった意味だとアニメもそうですが、原作のキャラデザを担当しているVOFANさんって本当に凄いなと毎回思わされたりしています

次に2つ目ですが、今回の作戦に関しては以前に忍野扇が提案した100人の撫子によるローラー作戦が一つの参考になっています

参考というと語弊があるかもしれませんが、ただ少なくとも、余接自身、扇の案自体はことの本質を突いていると原作では語っていますね

さらに言えば、扇の案自体は馬鹿げているとも言っているので、さすがに100人で挑もうとはしませんでしたが、この扇の案を実行した人物がこの後登場するのを考えると、扇の案は伏線にもなっていたというのが分かる描写でもありました

決戦の地は”本屋”

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより

作戦会議を終え、余接の右手を追って”神撫子”が居る位置に向かった先は、かつて撫子が呪いを解くための参考に何度も立ち寄った場所である本屋でした

そこに二人で向かう撫子ですが、今更ながら余接が考えていたもう一つの案が気になって余接に聞いてみました

余接が言うには、もう一つの案というのは旧キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードにお出まし願うというものであり、彼女に残り二体の式神を食べてもらうというものでした

ただ、この作戦自体は実効性は高くとも実現性は低く、何より、彼女に来てもらうということは主従関係でもある”彼”にも来てもらうことになるため、それは撫子にとって都合が悪い

そこを考慮した上で、実行しなかった作戦ではありますが、もしも撫子が命の危機に瀕する状況になったと判断した場合は、撫子の意思に関係なく実行するし、臥煙伊豆湖や現在の神様である八九寺真宵にも助力を願うことも辞さないとも余接は話しました

そうなった場合、余接の進退にも影響がある結果となるため、撫子はなんとしてでも現在遂行中の第一案を成功させるしかありませんでした

そう覚悟を決めて本屋に入店してみると、なんと店内は無人

客だけじゃなく店員すらもいないこの状況に撫子は困惑しますが、余接が言うにはこれは式神の特殊技能の影響だろうとのこと

そして、それは”おと撫子”の特殊技能であり、これは彼女が持つスキル『人見知りゆえの人払い』とでも呼べる代物だと判断しました

そんな無人の店内で余接は改めて、起動させる式神は何があっても一体ずつだと撫子にアドバイスします

4対1になる状況を避けるためもそうですが、2体同時にコントロールすることは今の撫子には難しいため、3対2を1回で行うのではなく、2対1を2回行うことが今回の作戦となっており、2体同時に使うことは禁じていました

そのアドバイス後、上の階に”神撫子”がいる気配を感じた余接に導かれながら、上へと向かう階段を昇ろうとしたところ、撫子はオカルト本コーナーで立ち読みをしているスクール水着姿の撫子を発見します

慌てて余接に声を掛けようとした撫子ですが、声を出しては気付かれてしまう可能性があるため口を閉じ、こっそりと撫子一人で水着姿の撫子を捕まえようと近づいていくことにしました

”おと撫子”には戦闘能力がなくとも恐るべき社交性を持つ”媚び撫子”と共に戦おうと考える撫子は、同時に、他の撫子達から多くの物を奪われ、流されやすくて言いなり状態の”おと撫子”にはそれで十分とも考えましたが、そこで一つの違和感を感じました

しかし、その違和感の正体が分からず、それでいて何か根本的な見落としをしていると感じましたが、その結論が出ることなく水着姿の撫子に近づくことができた撫子は、彼女を捕まえる為に白紙の紙を取り出し、あともう少しというところまでやって来ました

しかし、それは不測の事態によって”おと撫子”を捕まえることができませんでした

突然、倒れ出す本棚の数々

ドミノ倒しのように1階にある本棚が倒れてくる中、撫子がいる場所にもそれは襲い掛かり、位置取り的に避けることは不可能でした

感想&解説

この辺りに来てまた一つの伏線が回収された感じですね

”おと撫子”が持つ『人見知りゆえの人払い』というスキルがあったからこそ、上半身裸のブルマ姿でも警察どころか誰にも捕まることがなかったというのは、言われてみれば確かにって感じてしまうような部分でした

というか、この作品の場合、そもそも登場人物が少なすぎるというのもあって、その”誰か”という発想自体が思い浮かび難かったりもするんですけどね(笑)

そして、ここでは伏線の回収だけでなく、伏線が張られた部分でもありました

以前の感想&解説でも少し話しましたが、今回の『撫物語』に関しては撫子が感じた疑問というのはそのまま伏線に直結していることが多いです

その正体が一体何なのかは明かされるまで考えつつ、楽しみにして頂ければいいかなと思いますね

ここでの解説は原作から1つしていきます

その1つというのは、余接が考えていたもう一つの腹案について

ここのパートで余接は、旧キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに助力をお願いしようとしていましたが、もしかしたら過去のシリーズ作品を見ている人は少し疑問を感じたかもしれません

というのも、吸血鬼にとって蛇毒は非常に相性が悪く、さらにいえばキスショットは過去に”神撫子”に何度も殺されかけています

それを思い出した方は「それは悪手なのでは?」と思ったかもしれませんね

ただ、原作だと撫子自身もそこには気付いており、余接もしっかりと考えがあった上でこの腹案を考えていました

確かに、”神撫子”はキスショットを何度も殺しかけるほどの強敵ではありましたが、それはあくまで式神ではない”神撫子”の話です

今回の”神撫子”は神である以前に紙であり、戦う場所も神域である北白蛇神社ではなく本屋なので、以前と今回とでは状況として全く違う

そこを踏まえた上で、勝算があると考えて余接はもう一つの腹案として、これを立てたという訳です

”媚び撫子”との約束

倒れてくる本棚を前に、死を覚悟して目を閉じる撫子

しかし、いつまで経っても本棚に押し潰されることはなく、不思議に思って目を開けると、そこには”媚び撫子”が一生懸命本棚を支えてくれている姿が目の前にありました

どうやら”おと撫子”との交渉の為に準備していた”媚び撫子”の紙を本棚が倒れてきた時に落としてしまい、そのはずみで”媚び撫子”を起動してしまったらしく、”媚び撫子”はそんな極限の状況下で本棚を支えて撫子を助けてくれたようでした

驚きのあまり”媚び撫子”の名前を呼ぶ撫子ですが、当の”媚び撫子”はその名前はイケてないと感じており、さらに言えば、「その名前じゃなければあなたの味方をしてあげても良かったかも」と話します

かなりの重量を誇る本棚を支えながらなので苦しそうではありつつも、愛想笑いを続ける”媚び撫子”は撫子が着ている服を可愛いと褒めた後、限界に近いから早く隙間から抜け出してほしいと撫子に言います

式神とはいえ、パワータイプではない”媚び撫子”のその訴えに嘘はなく、本棚の隙間から抜け出そうとする撫子は、”媚び撫子”に「なんで助けてくれたの?」と質問しました

すると”媚び撫子”からは「さあね。むかついたからじゃない?」と返事が返ってきました

その言葉に自身の未熟さを痛感した撫子は”媚び撫子”に対して謝りますが、”媚び撫子”はその謝罪に対しては特に気にしておらず、代わりに一つの約束をします

いいんだってば!謝んないでってば!
その代わり、次はもっと可愛く描いてよね。今度はそういう服、着させて。ああそうだ、このパンプスがいい例だけど、今撫子ちゃん、靴の描き込み、甘いからさ。今度は服と合う奴、履かせてよね。約束

それを聞いた撫子は「必ず描き直す」と約束し、全身が本棚から出たその瞬間、支えなど何もなかったかのように本棚が倒れました

”媚び撫子”との約束を胸に、改めて周囲の状況を確認すると、地獄絵図とも呼べるような大惨事となっていました

その状況の中、余接が無事かどうか気になった撫子でしたが、どうやら無事だった様子

階段のところにいた余接は、本を踏まないように撫子に近づいていき、この状況でも無事であるということを考えて、「式神を使ったみたいだね」と声を掛けます

それを肯定する撫子ではありますが、心の中の暗い気持ちは隠すことが出来ませんでした

その心情を読んだかのように余接は「式神は主人を守るのが本懐」といいつつ、「式神の僕が言うんだから間違いない」と慰めてくれました

その言葉に慰められつつ、”媚び撫子”だけでなく囮として使われた”おと撫子”も同じく本棚に潰されてしまっているこの状況を作り出した”神撫子”に怒りを覚えた撫子は余接と共に、”神撫子”がいる2階へと向かうことにしました

感想&解説

今回の話において、感動的な胸アツ展開です

過去の自分に対して「乗り越える」とか「繋がっている」といった表現がここまでされてきていましたが、ここの”媚び撫子”とのパートに関しては「友達になった」と表現するのが一番適しているように感じました

”媚び撫子”は”今撫子”の元から逃げ出した後、七百一中学校のクラスに行き、友達たちと会話を繰り広げていましたが、その会話の最後も「約束」という言葉でした

あの時は中身のない空っぽのような中で展開され、上っ面だけの約束のようにも思えましたし、口癖のようなものなのかもしれませんが、それでも友達だと感じているからこそこの言葉を使っていたようにも思います

その辺りを考慮した上で、今回最後に撫子と約束をしたという展開は、”今撫子”のことを友達として認識した証のようにも感じました

ここまでの展開やこのシーンで流れた劇伴も含めてかなり感動的なシーンとして描かれてきましたが、そこも踏まえながらこのシーンを見るとさらに感動して、涙が零れそうになりましたね

そしてその感動的なシーンも相まって、”神撫子”の非情性も高まったのがこのパートの描写としては良かったようにも感じます

ここでの解説は原作から1つしていきます

その1つというのは、”媚び撫子”が本棚を支えていたシーンについてです

本棚と一言で言ってもその種類は多様に存在し、大きい物から小さい物までありますが、本棚にはそれに加えて片面のものや両面のものも存在します

さらに言ってしまえば、学校の図書館でよく見るような反対側が見えるような本棚もあったりしますが、今回”媚び撫子”が支えていた本棚は両面とも本が収められるタイプのものであり、且つ前面と裏面が空いてないタイプのものになります

つまり、”媚び撫子”が支えていた方を前面とした時、前面は倒れた拍子に本が下に落ちてはいましたが、裏面には本がびっしりと詰まっている状態で”媚び撫子”は本棚を支えていたんですよね

大型書店にあるようなあのサイズ感の本棚一つでもそこそこの重さがあると思いますが、それが多くの本も合わせた時の重さとなれば、それはとてつもないもの

原作だと「その重量は軽く1トンを超えているでしょう」と表現していますね

正直、そんなもの支えられる気がまったくしませんが、逆に言えば、その重さの物を撫子を救うために”媚び撫子”はパワータイプでもないのに支えたということ

式神としての役割という点もあるかもしれませんが、先程の自身の感想でも書かせて頂いた”友達”だから救ったのかもしれないという点も考えると、この”媚び撫子”の式神としても友達としても貫いた矜持には拍手を送りたくなります

ただ、アニメを見たら本棚の裏面も本が崩れていたので、もしかしたら制作サイドで「さすがに1トンは支えるの無理」と判断した結果、量を少なくしたのかもしれませんね

”神撫子”との対峙

画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより

余接と二人で2階にやってきた撫子は、衝撃の光景を目にすることになりました

その光景というのは2階のフロアを歩き回る100人の”ルマ撫子”たち

衝撃過ぎる光景に思わず二人とも絶句してしまいますが、それと同時に、”ルマ撫子”の目撃証言が多かった理由もこれで判明しました

単純にいっぱいいただけというオチではあったものの、それでもこれだけの”ルマ撫子”を作った人物が分かりませんでしたが、「100体の式神を制御できるのは10万匹の蛇を使役できる神でもなければ無理」と余接が言ったことでこれをやった犯人は”神撫子”だと分かりました

それでも、100体の式神を描き分けること自体が難しいと思った撫子でしたが、その答えは”ルマ撫子”たちを見てすぐに分かりました

なぜなら、100体の”ルマ撫子”は全く描き分けられておらず、まるでゲームのNPCのように判で押したような行動しかしていなかったからです

どうやら”神撫子”は式神を1枚描いた後、コピー機を使って式神を作ったみたいですが、それでも1体1体に指示を出すことは”神撫子”だったとしても難しく、あくまで撫子に対する『人の壁』としての役割が大きい様子でした

それでも圧倒的な人数さには変わりなく、これだけの人数の中から”神撫子”を探すのは困難だと考えた撫子でしたが、そこは全く問題が無く、”神撫子”には余接の右手が付いているので、どれだけ『人の壁』を作ろうと追跡自体は可能でした

さらに言えば、”神撫子”は二人が本屋にやってきた事は知っていても、二人の位置にまでは気付いていないという利点を考慮して、戦略を立てることにしました

そしてその戦略は、月火と関わったことで不調になった余接が立てるのではなく、撫子が立てることになり、現在の状況を余接と擦り合わせていきます

今の継ぎはぎだらけの体では余接は1回だけしか『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』は使えないこと、どれだけ多くの”ルマ撫子”がいようとも大元である”神撫子”を倒せば”ルマ撫子”も消えること

そこを考慮し、撫子は戦略を立ていき、そして”逆撫子”が描かれた紙を取り出して、彼女には今の撫子と同じくらいの髪型になってもらうことにしました

そして作戦開始

黒歴史である「僕はキメ顔でそう言った」を思わず口に出してしまいながらも、余接は『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』を2階のフロアの内部に向けてぶっ放します

それによって”ルマ撫子”たちのみならず、本棚も見事に吹っ飛ばしてくれましたが、当の余接本人も体のコンディションの悪さも相まって、反動によって吹っ飛ばされてしまいます

ただ、そのおかげではっきりと見ることが出来るようになった”神撫子”の姿

あれだけの攻撃ではありながらも、全くの無傷を誇るその神は「ふふふ」と不気味に笑っていました

ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ――ぶっ殺すんだ♪

ゲシュタルト崩壊したその笑いを浮かべながら、神はそう仰いました

感想&解説

ここでも伏線が一つ回収されましたが、まさかの”ルマ撫子”大量生産

神原に電話した時に言っていた「あっちこっちから報告が上がっている」というのはこういうことだったんですよね

また、前回の話で撫子が「”おと撫子”がブルマ一丁で街を徘徊するのとスクール水着姿で登山するのはどっちが先か?」という疑問を感じていましたが、それも解決しましたね

答えは、ほぼ同時

原作でもここの時系列的なものは書かれていないので「ほぼ同時」と書かせて頂きましたが、結局のところ、”ルマ撫子”がたくさんいたのでどっちが先も何もかったというのが正解でしょうね

撫子がこの疑問を感じた時に言っていた”重要なファクター”というのは”ルマ撫子”大量発生を意味していたわけですね

ちなみに、この100人の”ルマ撫子”のシーンですが、原作だとこの光景を目にした余接が「今回の一冊ばかりは本当にアニメ化できないということが、今まさに確定したね」と言っています

この〈物語〉シリーズはそういう発言結構多いんですけど、それでもちゃんとアニメ化するので本当に凄いですよね(笑)

そして、ついに降臨する”神撫子”ですが、この圧倒的なボスキャラ感は何年経っても顕在!

ロールプレイングゲームでもなんでも、こういうボスキャラが登場するシーンってなんでこうも興奮するんですかね(笑)

こういう展開はまさに激アツな展開となっている中で、”今撫子”が考えた”神撫子”を倒すための戦略というのも気になる所だと思いますが、それは次回のお楽しみということで

そして、ここでも花澤香菜さんの演技がめちゃくちゃ光って激アツでした

ここのシーンでの色味だったり、劇伴だったりもそうですが、”神撫子”の笑い方の不気味さが異常(笑)

この状況でも楽しく笑っていられる”神撫子”の何を考えているのか全く分からない感がもの凄かったですし、それでいて笑いながら「ぶっ殺すんだ♪」という様子もまた狂気性抜群でしたね

そんな多くの激アツを見せてくれた今回の締めは、次回でいよいよフィナーレとなる『撫物語』への煽りとしては最高だったと感じました

ここでの解説は原作から1つしていきます

このパートで撫子は初手から余接に『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』を放ってもらっていますが、その戦略意図を少し語っていきます

ある種の必殺技でもあるこの技ですが、撫子が初手からこのカードを切ったのは”神撫子”に対する攻撃というのもゼロではありませんが、そもそもの理由は”神撫子”までの最短距離を余接に作ってほしかったからです

というのも、1階もそうですが2階も本棚がひしめき合っており、さらに言えば100体の”ルマ撫子”たちが”神撫子”の前に立ち塞がっていました

これらは一つの壁となっており、”神撫子”を隠すための壁としての役割も担っていましたが、あくまで目くらましや囮である”ルマ撫子”たちよりも厄介だったのは本棚のほう

とてつもない重量を誇る本棚をどかすには余接の力を借りるしかなく、さらに、嫌でも目についてしまう”ルマ撫子”たちを無視して攻撃できるのは、感情を切り離すことができる余接だからこそ出来ることでした

だからこそ撫子は、早々に余接に必殺技を使ってもらって、”神撫子”までの道筋を作るいわば道路工事をしてもらいたかったというわけですね

では、どうして最短距離を作りたかったのかというのは次回で分かることになりますので、そこは「なでこドロー 其ノ伍」を楽しみにお待ちください

まとめ

『撫物語』の「なでこドロー 其ノ肆」の感想&解説でした!

感動するような名場面があったり、笑えるような迷場面があったりしながらも、やはり最後に持って行くのは神でしたね(笑)

ただそんな神様と言えども、やっていいことと悪いことはある

最後のまとめで少し解説を入れますが、原作では撫子は”神撫子”に対してそれ相応の覚悟を持って挑もうとしています

 いくら神様でも、やっていいことと悪いことがあるのです。
 私はかつて彼女だった者として、そして彼女を生み出した描き手として、神撫子にそれを教えてあげなくてはいけません――そんな資格がないのはわかってますけれど、でも、その義務があると思います。

原作『撫物語』より引用

”今撫子”が見せる本気の覚悟を是非とも見届けていきたいですね

そして、残りの章数を考えると次回が『撫物語』最終話となるでしょう

話の内容もそうですが、これまでの描写表現を考えると”神回”になる可能性も十分に考えられるので、大いに期待しながら撫子の成長の物語を楽しみたいと思います!

そして次回はいよいよ『撫物語』の最終話「なでこドロー 其ノ伍」になります

【決戦ver.】

斧乃木余接の力を借り、ついに神撫子と相見えた千石撫子。不気味な笑みを浮かべる神撫子の前にいたのは、『二人の今撫子』だった。その後、物語を終わらせるために撫子が向かったその先は、かつて阿良々木暦がいたあの場所で――。

〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより

それでは今回はこの辺で!

また会いましょう

こちらの記事もおすすめ!