個人的に大好きな作家である西尾維新さん原作の「刀語」
西尾維新さんらしい設定や、世界観。独特のセリフ回しなど非常に好きな作品で何度も何度も見直している作品です
以前まとめ記事を書かせていただいたのですが、今回はその第1巻である「絶刀・鉋(かんな)」のあらすじと感想をかたらせていただきます
ただ、今回はネタバレ有りのお話になってしまいますので「刀語ってどんな話?」と思った方はまとめ記事をご覧ください
関連記事
さらに、Blu-ray&DVDの初回限定盤に付いていた朗読活劇「虚刀・鑢」の第一章の内容と感想も併せてかたらせていただきますので、気になる方は是非ご覧ください
刀語 絶刀・鉋(かんな)
あらすじ
刀を使わない剣術・虚刀流七代目当主「鑢 七花」とその姉「鑢 七実」は父・六枝の流刑地であり、無人島の不承島で暮らしていた。そこへ幕府の役職者・奇策士を自称する「とがめ」という女性が訪ねてくる。彼女の目的は、伝説の刀鍛冶「四季崎 記記」が人生をかけて作った完成形変体刀・十二本の蒐集の依頼だった。依頼の話をしている彼らのもとに暗殺専門の忍者集団「真庭忍軍」十二頭領の一人「真庭 蝙蝠」の影が忍び寄る。
登場キャラクター
- 鑢七花(やすりしちか)・・・本作の主人公。刀を使わない剣術である虚刀流の七代目当主。
- とがめ・・・本作のヒロイン。自称「奇策士」。
- 鑢七実(やすりななみ)・・・七花の姉。ある体質の為、病弱。
- 真庭蝙蝠(まにわこうもり)・・・真庭忍軍十二頭領の一人。真庭獣組に属し、「冥土の蝙蝠」と言われている。
絶刀・鉋 解説と感想(ネタバレ)
ぎゃふん!

無人島である不承島(ふしょうじま)に住む鑢七花と七実
20年間誰も訪れず、二人で暮らしていましたが、二人が住む無人島にとがめが訪れます
七実と父親以外の人間を見たことがない七花は、とがめに対して定例的な対応を取ります
七花の父親である虚刀流六代目当主・六枝に用があって来訪したとがめでしたが、すでに亡くなっていることを知ります
もともとは虚刀流の当主に用があったとがめは用件が七代目当主の七花に変わります
そして、虚刀流の実力を知る為、とがめが持ってきた刀で七花に切りかかろうとしますが転がっていた小石につまづいて「ぎゃふん!」ととがめが悲鳴を上げます
この時のナレーションでも語られますが、まだ「ぎゃふん」という言葉が古くなかった時代であるこの時が、今後の刀集めを共にする二人の出会いのシーンです
所々抜けていて、そこが魅力的なとがめですが、最初から飛ばしてきてます
そして、とがめと会った七花自身は、初めて見る本土の人間に対して「めんどうだ」とは思いつつも、驚き等の感情もなく、淡々としています
これは姉以外人間を知らない七花が、私たちで言う「普通」とは違う認識を持っている面の一つになります
真庭蝙蝠の忍術

四季崎記記の変体刀の経緯と在りかの話をし、刀集めの報酬として「私に惚れて良い」と語るとがめ
その直後、真庭蝙蝠の技により無数の手裏剣が飛んできます
攻撃を仕掛けてきた蝙蝠を追って、七花は島の端の海岸まで追い詰めます
そこで七花は蝙蝠と対峙し、初めて四季崎の変体刀が一本「絶刀・鉋」を見る事になります
ただ、刀の取り出し方がかなり変わっていまして、自分の口に手を突っ込み、そのまま体内から引き抜きます
蝙蝠は体内に色々なものを収納でき、無数の手裏剣や変装用の衣装など出し入れが自由です
その様子を見た七花も「人間てそんなことが出来たのか」と言っていますね
蝙蝠のビックリ人間ぶりはこれだけでなく、外見から声音まで自在に作り変える忍法が使えます
これは変装ではなく、変身の域に達しており、絶刀・鉋の収集の際にも一役買っていたようです
口から刃物を出し入れしたり、変身出来たりと「まるで一人サーカスだな」と思いながら当時見ていた記憶があります(笑)
絶刀・鉋の特性

四季崎記記が作った変体刀の一本「絶刀・鉋」
その特性は「頑丈さ」
刀は消耗品という考えに反し、使っていても折れず曲がらずよく切れる
直刀でありながら何をしても刃こぼれ一つしない
象が踏んでも折れない日本刀です
特性上、切ることよりも突くことの方が向いています
蝙蝠はその特性を生かし、「報復絶刀(ほうふくぜっとう)」という限定奥義を使います
アニメ版では語っていませんでしたが、蝙蝠は絶刀・鉋を「永久機関のような刀」と言っています
刀を使えない剣士&七花の決断

手刀や足刀を駆使しながら戦い、刀を使わない剣士・虚刀流
一度、蝙蝠と対峙するも逃げられ、とがめも連れていかれてしまった七花
蝙蝠ととがめを探しに向かいます
一方、とがめを連れ去った蝙蝠は、とがめを木に縛り付け身動きが取れない状態にします
そこで、過去にとがめから刀集めを依頼されたが裏切った理由を語り、その上で手を組まないかと持ち掛けます
当然、蝙蝠の提案を断るとがめ
特に気にした風もなく、七花を殺すため忍術でとがめに変身して七花を襲おうとします
しかし、近づいた瞬間、七花に足刀を食らい驚きます
姉以外の人間を今まで見たことがなかった七花にとって人の区別がついていなかった蝙蝠は動揺し、とがめの野望と過去を七花に語ります
とがめの父は過去に起きた大乱の首謀者である飛騨鷹比等(ひだたかひと)の娘であり、その父を殺した敵である鑢六枝の息子である七花に刀集めを依頼してきた事実を知り、とがめの手伝いをすることを決意します
語り終えた蝙蝠は、七花に変身し、絶刀・鉋を持って七花に襲い掛かります
しかし、刀を振り下ろそうとした瞬間に手から刀がずっぽ抜けてしまいます
なんと、虚刀流は剣の才能が全くなく「刀を使わない剣士」ではなく「刀を使えない剣士」だったのです
刀を「使わない剣士」という設定で、すでに「変わっているな」と思っていましたが、実は「使えない剣士」だったというのは西尾維新さんらしい発想だなと思いましたね
こういう言葉遊びのような設定は個人的に大好きです
七花の考えた最終奥義

蝙蝠を倒すため、とがめから「派手な技で頼む」と言われていた七花は、考えたばかりの最終奥義を繰り出します
必殺の奥義を一気に七つ食らわせて、一瞬で相手を八つ裂きにする最終奥義
その名も「虚刀流・七花八裂(しちかはちれつ)」
最終奥義にて蝙蝠を撃破し、「絶刀・鉋」の回収に成功する
拘束されたとがめも助け出し、七花は「とがめに惚れる事にした」と宣言し、刀集めを手伝う事となります
「派手な技」に恥じない最終奥義です
演出やBGMなども手伝って、初めて見た時は「カッコいい!」と素直に思いました
というか必殺技とか最終奥義とかある時点でテンション上がりますよね(笑)
姉・七実の最後の一言

刀集めの為に、とがめと一緒に初めて島を出る七花
島を出る船上でとがめは刀集めに際して、七花に「刀を守れ」「私を守れ」「刀集めの目的達成の為に、己を守れ」「とがめが七花自身の事を想ったうえで、七花自身を守れ」と4つの約束をさせます
島を出る前に見送りに来た七実は、七花が島を出るきっかけを与えてくれたとがめに感謝し、二人を見送ります
そして、見送る七実は二人の背中を遠めに見ながら一言呟きます
「だけどあの子、あんなに弱いのに大丈夫かしら?」
「おい!」と思いましたよね
1話の終わりまで見ていて、七花は決して弱くはないというのは十分わかっていました
にもかかわらず、「最後のこの一言で終わるとか続きが気になるだろう!!」と切実に思った記憶があります
当時は、1ヵ月に1話と変わった放送の仕方をしていたので待ち遠しくて待ち遠しくてしょうがなかったです
虚刀・鑢 第一章(朗読者 田村ゆかり)
朗読活劇 虚刀・鑢とは
各巻のBlu-ray&DVDの初回限定版の特典として、特典CDが付いており、その中に収録されたものの一つです
こちらは、原作者の西尾維新さんが書き下ろしのものを、各話に登場したキャラクターを担当した声優さんが朗読すると言ったものになっています
いまでは、声優さんが朗読したり、音声で小説が聞けるといったことが出来るようになりましたが、2010年にすでに行っていたのはすごいですよね
刀語を見る上で「絶対に聞かなければいけない」というものではありませんが、「聞くことでより深く楽しむことが出来る」のは間違いないと思います
ただ、こちらは各巻の初回限定盤にしか収録されておらず、聞けるのはそちらだけになります
そこで、こちらでは刀語第1巻「絶刀・鉋」を購入している私が、第1巻に収録されている「虚刀・鑢」第一章の内容をまとめましたのでご紹介いたします
登場人物
- 鑢六枝・・・虚刀流六代目当主。情報が一切世に出ていなかった先代とは違い、情報が出すぎていて逆に謎に包まれていた。見るものによって、情報が違い「強い」というものがいれば、「弱い」というものがおり、「怖い」というものがあれば「優しい」というものもある。一つの意見があれば、必ずそれに反する意見もある。その理由として、六枝は六人で一人であるというのがあげられる。
- 僕・・・手足、さらに全長も長いが、細身の為、巨体という印象がない。遠目にはナナフシという昆虫に似ている
- 俺・・・どこから見ても球体に見えるほど丸い体をしている
- 私・・・体を刃物が通さないほどの筋肉を持っている。剣先で寝ることが出来るほど
- あたし・・・綺麗な女性だが、肌が青白く、血管に青い絵の具が流れているのではないかと思えるほど
- 拙者・・・見た目は少年だが、喋り方や佇まいがまるで千年を生きた老人のよう
- 儂・・・人間の頭を容易くかみ砕けるほど牙を持つ、まだら模様で巨大なしゃべる犬
第一章 内容
数えきれないほどの大量の刀剣が四角四面に保管された尾張城地下の武器の保管庫
そこで一人で語るものがいた
「刀っちゅうんは鞘に収まっとる状態がいっちゃん強いと思うんよね。まぁあくまで僕に言わせたらいう事やけれど」
そう語る僕はこの武器庫の管理人であった
刀は刀身が見えない状態であれば、無限の可能性を秘めている。虚刀流は闇に紛れているからこそ、最強を名乗れる。そんな自論を語りながら、
「最強ゆうんは戦こうたらあかんのよ」
そうまとめるが、独り言である
管理人というのは、時間を持て余す管理職ではあるので独り言も出ようものだが、
「なぁ、俺はそう思わへん?」
と一人しかいないのに、背後に呼びかけると
「思わないなぁ。僕」
と返答があった
僕と俺はそれぞれの『刀についての自論』を語りながら、
「日本刀ってのは切った数程鍛えられるもんなんだぜ。そういう所、私はどう思う?」
俺は、そう語りながら視線をやや上に向けると大量の刀剣の刃先にごろりと眠る私がいた
「僕や俺のようにごちゃごちゃ理屈をつける行為が無駄だ。刀が意思を持つ行為に意味がないのだから」
眠りを妨げられた私は不快そうに語る
そんな私の否定的な意見に不快感を示すことなく俺と私が話をしていると、唐突に声が発せられる
発せられた方に目を向けると、あたしと拙者が立っていた
とりとめもなく、暇つぶしのような独り言を5人でしていると、唐突に犬の姿をした儂が独り言の終結を告げにやってくる
『秘められた虚刀流の技を大いに振るい、首謀者「飛騨鷹比等(ひだたかひと)」を討ち取り、反乱を収めてみせよ』という指令が下ったとの事
その言葉を聞き5人と1匹、いや6人は隊列を組み、足並みを揃えて歩き出す
「じゃ、いっちょう国でも救おうか」
誰かが言ったが、それは全員が言ったのと同じである
6人は武器庫のカギも締めずに出ていく
「虚刀流・鑢六枝。参る」
感想
西尾維新さんらしい設定ですよね
六人で一人。しかも屈強な男だけでなく、女、子供。さらには犬までもいるというのは設定が飛んでいると思いました
だからこそ、「どうまとめるのか」「この設定がどう生きてくるのか」
先の読めないストーリーは、ワクワクしますよね
そして、これを読んでいる田村ゆかりさん
キャラクターの使い分けや聞き取りやすい言葉のおかげでややこしい設定もすんなり頭に入ってきます
何より耳が幸せすぎる(笑)
最後に

出典:Amazonプライム
刀語
まとめ
10年以上前に放送された刀語ですが、独特な設定とストーリーには引き込まれます
その第一話である「絶刀・鉋」のお話をさせていただきましたが、その魅力が伝わってくれていれば幸いです
刀語に関しては、動画配信サービス(Amazonプライム、U-NEXT、dアニメストア)でもご覧いただけますので、「まだ見てないよ」という方は是非ご覧いただければと思います!
それでは、今回はこの辺で!ちぇりお!!
『刀語』次回予告
次回対戦相手:宇練銀閣(うねりぎんかく)
蒐集対象:斬刀・鈍(なまくら)
決戦舞台:因幡・下酷城(げこくじょう)
関連記事はこちら