どうもウハルです
今回はギャグとシリアスのバランスが絶妙で面白いアニメ12作品をご紹介いたします!
世の中には《ギャップ萌え》という言葉がありますが、自分が予想もしていなかった一面が見れたりすると嬉しくなることってよくある事です
見た目とのギャップや中身のギャップなど様々ですが、ギャップの二面性を知れたりすることって、相手の意外な一面を知れたようで得した気分になったりするんですよね
そういったギャップを知れる嬉しさや楽しさというのは人に当てはめるだけじゃなく、多くの創作物に対しても実は言えること
普段はダメ男なのにやる時はやる主人公や普段は泣き虫だけどいざとなるともの凄い力を発揮する男性キャラ
見た目は可愛いのに行動がカッコいいヒロインやギャルだけど超オタクな女性キャラといった様々なギャップを持った登場人物たち
そういったキャラクターのギャップというのもありますが、それと同じように作品全体としての内容のギャップと言うのも様々な創作物で見受けられます
特に、そのバランスが絶妙で笑いと感動が見事に同居した作品と言うのは多くの人の記憶に残りやすく、見た人にとって”特別な作品”へと変化していく割合も比較的に高い気もします(個人的にですけどね 笑)
そこで今回は、コメディ要素もありながらシリアス要素も持ち合わせているというギャグとシリアスのバランスが絶妙なアニメ12作品をご紹介いたします!
見たら思わずそのギャップに心震わせ、魂が燃えるような面白い作品を厳選させて頂きましたので、《ギャップ萌え》ならぬ《ギャップ燃え》するような作品を知りたい方は是非参考にしてみて下さいね!
なお、今回は作品紹介と合わせて、各作品のシリアスポイントとギャグポイントも紹介しています
その都合上、一部ネタバレに触れている部分もありますのでご了承ください
- ギャグとシリアスを一緒に楽しめるオススメアニメを知りたい
- ギャップがある作品が好き
- 感情の振れ幅が大きい作品を見てみたい
ギャグとシリアスのギャップに燃える作品12選
ゴールデンカムイ
明治時代後期。「不死身の杉元」の異名を持つ杉元佐一の元に、アイヌから奪われた莫大な埋蔵金という一獲千金のチャンスが舞い込む。埋蔵金の在りかは24人の脱獄囚の体に彫られた刺青が手掛かりになっているらしい。そんな中、アイヌの少女・アシㇼパと出会い、彼女と共に埋蔵金を手に入れる為に動き出すが、かねてより動いていた北の最強部隊・第七師団や刺青を持つ者達の動きも活発になり始める。
北の大地・北海道を舞台に繰り広げられる一獲千金サバイバル、ここに開幕ッッ!!
キャスト | 杉元佐一:小林親弘 アシㇼパ:白石晴香 白石由竹:伊藤健太郎 鶴見中尉:大塚芳忠 土方歳三:中田譲治 ほか |
原作者・野田サトル先生による金塊争奪冒険活劇で、略称は「金カム」
『週刊ヤングジャンプ』にて連載され、2022年4月に完結
2022年7月に最終31巻が発売され、2022年9月時点でのシリーズ累計発行部数は2300万部を突破しています
金塊争奪戦を主軸とし、そこで繰り広げられる生死を懸けた攻防戦は手に汗握る展開が非常に多い作品です
人vs人だけじゃなく、人vs獣といった人外との戦いも繰り広げられる迫力のある戦闘シーンもさることながら、互いの手を読み合う心理戦描写が見ていて非常に熱くなれます
この物音ひとつでさえ立てるのも憚れるような緊張感がヒシヒシと伝わる描写の数々にはかなり興奮させられました
また、仲間の裏切りによって状況が一変する緊迫感や、杉元たちや鶴見中尉率いる第七師団や土方歳三たちが金塊を手に入れる為に、戦闘時以外でも繰り広げられる心理戦の数々も非常に見所です
戦闘描写としては見ていて思わず痛くなるような流血シーンなどもありますが、そういったリアルさがシリアスな内容に深みを出し、没入感を与えてくれます
そんなシリアスから一転して、大声を出して笑わずにはいられないようなギャグ要素も満載なこの作品!
主に日常パートで繰り広げられるギャグ展開ですが、本人たちにとっては至って真面目に行動しているから顔は真剣そのものなんですが、やっている行動自体は奇行過ぎてそこがまた面白い
そして、それにツッコミを入れたりするならまだしも、その奇行に乗っかったりするもんだから、時に絵面が酷い事になったりするのがより笑いを誘ってくれますね
あと、この作品の登場人物たちは戦争を生き延びた屈強な戦士たち
その鍛え上げた肉体に自信があるからか、ちょこちょこ裸のシーンが映ったりします
しかもそれが決めポーズ付きだったりするから、そこがなお面白いんですよね(笑)
ただ、特筆すべきコメディ要素はやはり顔芸でしょうね!
特に、アシㇼパが味噌を初めて食べる時に「オソマ」(アイヌ語で”ウンコ”)だと思い込みながらも挑戦してみる時の変顔なんかは何度見ても爆笑w
内容のみならず、視覚でもキャラのギャップが楽しめる面白い作品ですね
2020年12月時点では3期まで放送され、4期に関しては放送延期を経て、2023年4月に改めて放送される作品
話数としてはボリュームはありますが、それだけの熱量と興奮と笑いを与えてくれる作品なので、どっぷり集中して楽しめる作品を見たい人にはオススメの作品です
また、アイヌ民族についても学べる作品でもあるので、見て勉強になる(タメになる)作品を見たい人にもオススメの作品ですね
ゾンビランドサガ
目が覚めると見知らぬ洋館にいた源さくら。記憶を失い、今いる場所もどこかも分からない不安の中で、目の前に現れたのは謎のアイドルプロデューサー・巽幸太郎と6人のゾンビたち!?その状況に驚いていたのも束の間、自身もゾンビになっていて大混乱!
ゾンビでありながらアイドルになって佐賀を救う奇跡の物語(サガ)。彼女たちの歌声が佐賀に響き渡る!
キャスト | 巽幸太郎:宮野真守 源さくら:本渡楓 二階堂サキ:田野アサミ 水野愛:種田梨沙 紺野純子:河瀬茉希 ゆうぎり:衣川里佳 星川リリィ:田中美海 山田たえ:三石琴乃 ほか |
MAPPA×エイベックス・ピクチャーズ×Cygamesの3社が手掛けたオリジナルアニメーション作品
”ゾンビ×アイドル”という奇抜な設定を見事に活かし、『死』よりも『生』に向き合いながら、前を向き進み続ける彼女たちの姿は見る人に勇気を与えてくれます
また、何度つまずいて転んだとしても立ち上がり続ける不屈さなどに関しても、ゾンビである彼女達だからこその筋の通った道理に心打たれます
そして、そんな彼女たちの前に立ち塞がる数々の試練を乗り越え、それを乗り越えた先に披露されるライブシーンの数々は圧巻
喧嘩したり、事件が起きたり、事故が起きたりしながらも、その度に絆を深め、その時出来る最高のパフォーマンスをするフランシュシュのメンバーたちのライブに何度涙が出そうになったことか…
さらに、生き方やライブシーンだけじゃなく、各キャラにスポットを当てた過去エピソードに関しても涙無くして見れないような内容ばかり
自身が生前に合ってきた不運の数々に絶望したり、死因がトラウマとなって歌えなくなってしまったり、大切な人の為に歌ったりなど、そういったバックボーンをしっかり見せてくれる
その上で、「何のために歌うのか?」を明確に提示してくれるので、より一層キャラクターへと感情移入しやすくなり、『フランシュシュ』というアイドルを応援したくなってくるんですよね
そういった数多くの感動と興奮を与えてくれながらも、しっかり笑わせてくるのがこの作品!
アニメなので普段はゾンビ姿も可愛らしく描かれていますが、時々リアルなゾンビ顔になる時があって、そのギャップが最高に面白いw
また、顔だけじゃなく、頭が取れたり腕が取れたりしながらも、誤魔化そうと必死になる描写なんかも「あきらかに無理があるw」という言い訳なども相まって、これもまた面白可笑しく描かれていますね
さらに、舞台が佐賀県と言うのもあって随所で登場する佐賀ネタも絶妙で、佐賀に行ったことがなく、佐賀の情報などを知らなくても楽しめるような描き方をしているのが良いです
ご当地グルメが登場したり、佐賀の名所が登場したりと、見ていると思わず行ってみたいと思ってしまうくらい、佐賀の良さを伝えようとする製作スタッフさんの熱意を感じる背景作画などは素晴らしいと思いますね
そして極めつけが、マネージャーの巽幸太郎の言動と行動の数々
言ってることもやってることもめちゃくちゃでツッコミどころ満載w
彼が登場するたびに毎回笑ってしまうんですが、その要因は奇妙奇天烈な言動や行動の数々だけじゃなく、巽幸太郎を担当している宮野真守さんの演技のマッチ具合も大きいです
この役は本当に宮野さんのハマリ役だと思いますね(笑)
奇抜な設定ながらもそれを見事に活かし、笑いあり感動あり興奮ありの面白い作品へと昇華させている作品なので、一見の価値ありです!
ぼっち・ざ・ろっく!
後藤ひとりは極度の人見知りの陰キャ少女。そんな陰キャでも輝けると思ってギターを始め、一日6時間練習し、ライブで盛り上がる妄想などを繰り広げているうちに気付けば中学卒業。バンドメンバーどころか友達も一人も出来ないまま卒業し、高校に進学しても変化することは無かった。
ギターの腕前だけは上達し、”ギターヒーロー”として動画にアップする日々を過ごしていると、”結束バンド”のメンバーである伊地知虹夏に声を掛けられた事でその日常に変化が訪れる。
キャスト | 後藤ひとり:青山吉能 伊地知虹夏:鈴代紗弓 山田リョウ:水野朔 喜多郁代:長谷川育美 ほか |
原作者・はまじあき先生によるガールズバンド作品
『まんがタイムきららMAX』にて連載されている作品で、略称は「ぼざろ」
2023年1月時点での電子版を含む累計発行部数は100万部を突破
円盤売り上げは初動で約1.7万枚を売り上げ、アルバム『結束バンド』に関しては初動で約7.3万枚を売り上げるほど人気が出た作品です
極度の人見知りで陰キャな後藤ひとり(通称:ぼっち)はソロとしての腕前はかなりのもの
にもかかわらず、他人と演奏をしたことがないというバンドとして最大の欠点を持ち合わせていた為、腕前に反してその実力を発揮できず、さらに陰キャ体質が災いして自身の内側の世界に目が行きやすく、夢や目標も自分の為に向かいがちでした
ですが、『結束バンド』のメンバーと出会い、友情を築き、自分の為だけではなく、メンバーの為に一歩ずつ外の世界へと足を踏み出していく姿は、確かな成長を感じることが出来て心に刺さります
また、成長していくぼっちの姿は他のバンドメンバーにも良い影響を与え、『結束バンド』としても成長を見せてくるのがこの作品
特に、ギターボーカル担当の喜多郁代の成長は目覚ましく、その努力と頑張りは目を見張るものを見せます
当初はギターとベースの見分けもつかず、コードすらよく分からないほどの腕前でしたが、練習を積み重ねていき、最終的にはぼっちの窮地を救う程の腕前を見せるシーンなどは鳥肌ものでした
そして、この作品で興奮するポイントにおいて最大の見所は圧巻のライブシーン
全て手描きで描かれる細かな動きのみならず、様々なアングルからのカメラワークも抜群で、その臨場感は一級品!
ライブで歌われる楽曲も良曲が多く、『あのバンド』『星座になれたら』も良いですが、『ギターと孤独と蒼い惑星』に関しては個人的にもかなり好きな楽曲ですね
【LIVE映像】
【リリックビデオ】
こちらの楽曲のリリックビデオはこの作品のOP&ED含め、劇中に登場する楽曲動画の中で一番再生数のある動画になっており、再生数に関しては1600万再生を突破するほど(2023年2月時点)
私も何度この動画を見たか分からないくらいです(笑)
ちなみに、LIVE映像で一番再生数が高いのは『あのバンド』という楽曲を披露した時の動画で、再生数は881万回を突破しています(2023年2月時点)
『あのバンド』LIVE映像
このシーンの作画やカメラワークも抜群ですが、ぼっちが見せる巧みなギターテクニックを見事に表現した作画が素晴らしいライブシーンですね
4コマ漫画であり、曲名やライブ自体は原作に描写はあったものの、それを見事に膨らませ、ここまで素晴らしいものを作り上げたCloverWorksには感服です
そんな感動と興奮を与えてくれる『ぼっち・ざ・ろっく』ですが、その内容の大半はギャグというのが凄いところ
ぼっちは陰キャだということを散々言ってきましたが、彼女が見せる本物の陰キャ具合が半端ないw
暗くて狭いところが落ち着くや働きたくなくて肝臓を売ろうとするなんてまだ序の口
友達いなさすぎてチケットノルマ達成のために妹と犬を人数として数えたり、夏とか青い海とか青春を感じさせるような歌詞を聞くと”青春コンプレックス”が発動して、周囲が心配になる程の痙攣状態に陥ったりと、色々ひどい状態になります(笑)
特にひどいのが顔!
もはや作画崩壊のレベルに達しているほどの崩れっぷりは大爆笑ですw
また、彼女はよく妄想もするんですが、その妄想内容もまた面白い!
バイト始めたら最終的に死刑判決まで行ったり、日本陰キャ協会と称して、陰キャが考える「陰キャトラウマ学校イベント」を脳内で発表したりと、その逞しい想像力は予想の斜め上を行きます
そして、その表現方法がアニメだけじゃなく、人形などを使った実写で表現されているから、そのカオス具合が異常なんですよね(笑)
ぼっちは特筆して面白いキャラクターですが、その他の登場キャラクター達も変わり種が多く、お金がなくて草を食べる山田リョウだったり、いつもお酒ばかり飲んでいる「SHICK HACK」のバンドメンバー・廣井きくりだったりと、ぼっちの個性に負けない面々も笑わせてくれるので、誰が登場しても笑えるところも良いところですね
内容良し、作画良し、多彩な表現ありと原作勢&原作未読勢を十二分に楽しませ、ギャグとシリアスのギャップ感をもの凄く感じることが出来、良曲も多い作品
話題性も高く、ニュースで取り上げられるほど人気になった作品でもあるので、何度見ても楽しめる良作を見たい人にはオススメの作品です
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~
将来を期待された者たちが集う秀知院学園。そこで出会った生徒会長の白銀御行と副会長の四宮かぐや。互いに両想いながらも、何も起きないまま半年が過ぎていた!プライドが高い上に恋愛経験に乏しい二人は「いかに相手に告白させるか?」を考えすぎて拗らせまくり!策謀のかぎりをつくして繰り広げる恋愛頭脳戦の勝者はどちらの手に?
新感覚”頭脳戦”ラブコメがここに開幕!!
キャスト | 四宮かぐや:古賀葵 白銀御行:古川慎 藤原千花:小原好美 石上優:鈴木崚太 早坂愛:花守ゆみり ほか |
原作者・赤坂アカ先生による学園ラブコメ作品
『ミラクルジャンプ』から『週刊ヤングジャンプ』に移籍し、2022年49号にて完結
2022年12月19日に最終28巻が発売され、2022年12月時点での累計発行部数は2200万部を突破しています
繰り広げられる”恋愛頭脳戦”もさることながら、それを盛り上げるような個性豊かなキャラクター達が非常に面白い作品です
相手に告白させる為に思考を巡らせながらも、予想外の方向へと向かっていくストーリー展開のみならず、主観的な視点と客観的な視点が入り混じって上手い事ボケとツッコミが成立しているコメディ要素に何度爆笑させられたことかw
また、白銀やかぐやの意外な一面が明かされながらもそれを隠そうと必死になったり、周囲のキャラたちがイマイチ空気を読めずに場の流れをどんどん乱していく感じもまた堪りません!
場の空気を乱していくのは大体が藤原か石上だったりするんですが、意外に的を射ている発言をしたりもするので、だからこそ身動きが取れない状況に陥っていく白銀とかぐやの二人は見ていて本当に面白いです
そして、登場するキャラだけじゃなく、絶妙な合いの手を入れてくるナレーションもまた素晴らしい!
『かぐや様』のナレーションは、『銀魂』の岡田似蔵や『宇宙兄弟』のJAXA理事長・茄子田シゲオなど数多くの役柄を演じられている青山穣さんが担当されているんですが、力強くもどこか余裕を感じさせるような落ち着きのある演技はこの作品にピッタリだと思っています
基本的にこの作品のナレーションはキャラの本心や解説をメインとしている部分があり、ただ平坦にナレーションを入れるのではなく、時に力強く、時に優しく語られるその言葉の数々は見事にその場の状況を表現しています
感情を乗せながらリアルタイムで繰り広げられる解説は、ナレーションと言うよりも実況に近いかもしれませんね(笑)
そんなコメディ要素をふんだんに盛り込みながらも、それぞれが抱える悩みやその悩みに対して生徒会の面々が行動を起こしていく様子には心打たれる場面も
特に、周囲の人たちの行動はあと一歩踏み出すための勇気を与えてくれるものであり、実際には当の本人が覚悟と決意を持って行動を起こしていく様子は、見ているこちらも勇気を貰えるような内容になっているのが良いですね
普段はふざけ合っていながらも、確かな絆を育んできているからこその信頼関係の強さ
今までは諦め続け、逃げ続けてきたことに対して真剣に向かい合い、壁を乗り越えていくその成長ぶり
その成長がまた新たな成長を生み出し、良い変化をもたらしていく生徒会の面々の姿は、自分自身も何か行動を起こそうという気にさせてくれます
また、恋愛要素においても胸キュンさせられるような名場面の数々がしっかりとあって、そのギャップもまたこの作品の良いところ!
白銀とかぐやの恋愛経験が少ないながらも、真っ直ぐで素直な愛情表現は見ているこっちが恥ずかしくなってしまうくらいです
ギャグあり、シリアスあり、恋愛ありと様々なギャップを楽しみたい方にはオススメの作品です
物語シリーズ
高校3年生の阿良々木暦は、ある日、階段を踏み外して落ちてきた少女・戦場ヶ原ひたぎを受け止める。しかし、その何気ない行動は彼女の誰にも知られてはいけない秘密を知るキッカケとなってしまった。怪異と関わったことでおよそ体重と呼べるものを無くした彼女だったが、暦もまた怪異にまつわる秘密を持っていた。
怪異を通じて世界と繋がる青春怪異譚!
青春に、おかしなことはつきものだ!
キャスト | 阿良々木暦:神谷浩史 戦場ヶ原ひたぎ:斉藤千和 羽川翼:堀江由衣 八九寺真宵:加藤英美里 神原駿河:沢城みゆき 千石撫子:花澤香菜 忍野メメ:櫻井孝宏 ほか |
西尾維新原作の青春怪異小説
”西尾維新アニメプロジェクト”の第一弾作品として2009年に『化物語』が放送され、その人気の高さから続編シリーズもアニメ化
その後もアニメ化が続き、「青春を、すべてみるまで終われない。」と銘打って『化物語』から『続・終物語』までの16作品(『終物語』上・中・下はそれぞれ一つとカウント)がアニメ化されました
この作品に関してはシリアスとギャグのポイントが表裏一体となっている作品ですね
その大きなポイントとしては3つ!
1つ目は、西尾維新独特の言葉遊び
その巧みな言葉遊びの数々に笑わされることが多いながらも、解決へと至る際に用いられる独特な言語表現はキャラの心情をストレートに表現しつつ、そのキャラクター性も見事に表現し、胸を打ってきます
ギャグに関してはやはり八九寺と阿良々木くんの掛け合いの一つである『嚙みましたシリーズ』が一番ですかね(笑)
”阿良々木”というワンワードに対して多彩に噛みまくる言葉だけじゃなく、そこから派生して繰り広げられる八九寺と阿良々木くんのやり取りの多彩さには感服しっぱなしでしたw
シリアスに関しては感動的なオチにふさわしい名言の数々がありますが、個人的には阿良々木くんのこのセリフは大好きですね
無理だったかもしれない。無茶だったかもしれない。でも無駄じゃなかった
無理、無茶、無駄の3つの言葉を巧みに使い分けながら、羽川の窮地を救いに来た阿良々木くんのこの言葉は本当に名言
言葉遊びの観点からも、非常に印象深い言葉ですね
また、必要以上に同じ言葉を連呼するのもこの作品ならではの手法
神原が猿に取り憑かれた際に発した「憎い」やブラック羽川の「死んじゃえ」、老倉育の「嫌い」など負の感情をこれでもかというくらい連呼させることで、危機と鬼気が混合するような迫力を演出していますね
ちなみに、八九寺の『嚙みました』シリーズや少しだけ紹介した《物語》シリーズの名言などに関しては、それぞれまとめたものがありますので、興味がある方は参考にしてみて下さい
2つ目が、日常と非日常のギャップです
1話丸々使っても話が進まないくらいキャラ同士でのお遊びが繰り広げられながら、話が進んだ後の真剣さのギャップはもの凄いです
キャラ同士のボケとツッコミも見事ながら、その空気感を一気に変えるように肉薄していく”怪異”の正体とその原因
深刻な家庭の状況や己の願いが招いた悲劇は残酷さや残忍さも感じられるほどのものまであるからこそ、ギャグでの和やかさとシリアスでの深刻さのギャップが大きく印象に残ります
コミカルな掛け合いから感動的なラストへと変化させるシーン転換は本当に見事だなと感じています
3つ目が、シャフトが織りなす多彩な表現の数々
「アニメ化不可能」と言われていた西尾維新原作の作品をシャフトの独創性あふれる多彩な表現力と原作を忠実に再現した文字表現の数々をも見事にアニメーションとして落とし込んだシャフトの実力には脱帽
セリフとしての音声表現のみならず、映像に文字としてキャラの心の声などを入れてくる文字表現も入れてくることで、1つのシーンで外と内の両方の声を知ることが出来る
アニメーションという限られた時間の中で、原作の良さを十分に発揮させてくれるこの演出はかなりオリジナリティに溢れた演出となっていて、原作勢も未読勢も楽しむことが出来る演出でしたね
また、映像表現に関してもアニメと実写の両方を組み合わせて回想シーンを展開させたり、パロディネタを差し込んできたりとその表現の仕方も多彩
こういったオリジナリティと多彩な表現方法によって、笑える部分はコミカルさを、シリアスな部分は深刻さをより深く、見ている人へと印象付けてくれます
言葉遊びや場面転換や映像表現と独特で多彩な表現方法がありながらも、それらが表裏一体となって笑いと感動を繰り広げてくれる『物語シリーズ』
エンタメ性に富んでいる作品となっているので、内容的にも視覚的にも楽しみたい人にはオススメしたい作品ですね
ノーゲーム・ノーライフ
”さぞ、世界が生きにくくないかい?”
都市伝説とまで囁かれている天才ゲーマー『 』の正体は、ニートで引きこもりの兄妹である空と白の二人だった。二人は世界を「クソゲー」と思っていたが、そんなある日”神”を名乗る少年・テトにより、全てがゲームで決まる世界《ディスボード》に異世界召喚される。空と白は、他種族に負け続け、最下位種族である『人類種』として、世界を相手に神話を作る。
さぁ、ゲームをはじめよう。
キャスト | 空:松岡禎丞 白:茅野愛衣 ステファニー・ドーラ:日笠陽子 ジブリール:田村ゆかり ほか |
原作者・榎宮祐先生による異世界ファンタジー作品で、略称は「ノゲノラ」
MF文庫Jより刊行中の作品で、2021年8月時点での電子版も含めたシリーズ累計発行部数は600万部を突破
2023年2月25日には「ノーゲーム・ノーライフ12 ゲーマー兄弟たちは『魔王』に挑むようです」が刊行予定となっています
全てが”ゲーム”で決まる異世界《盤上の世界(ディスボード)》
十六の種族が混在し、その魔法適正値や能力によって序列が定められているこの世界で、人間である《人類種(イマニティ―)》は最下位
魔法も使えないし、超人的な能力も持っていないため、相手の不正を見抜くことも出来ず、他種族に敗北し続ける
そんな弱者である《人類種》でありながら、弱者であることを認め、強者に対してゲームを繰り広げていく『 』(空白)の白熱の名勝負の数々には大興奮させられます
しかも、この世界で繰り広げられるゲームはただのゲームではなく、一癖も二癖もあるゲームだからこそ、相手の裏や心理を読み解きながら、勝ちへのルートを着実に築いていく二人の攻防戦は本当に熱いんですよね
コマが意志を持って動くチェスだったり、発言したものがその場にあれば消え、無ければ出現する『具象化しりとり』だったり、バーチャル空間を使用したシューティングゲームだったりとジャンルやルールは様々
一見すると魔法や特殊能力が使えない《人類種》には勝ち目がないようにも思える内容ばかりですが、圧倒的に不利な状況であっても、原理的に勝てないゲームでさえなければ”敗北”の二文字は無いと豪語し実行する
そのゲーム展開に何度手に汗握ったことか!
そして、ゲームの興奮もさることながら、《人類種》含め、人類を舐めているこの世界の住人たちに人類の底力を見せ、多くの希望の光を齎す『 』の生き様は心打たれます
ゲームでは勝つ事が出来ないから他種族と手を組んだり、生存するためにそもそも最初から勝負をしないという選択肢が横行している中で、空が放った戴冠式の時の言葉はかなり印象深く残っています
我ら二人は、弱者として生き、弱者らしく戦い、そして弱者らしく強者を屠ることをここに宣言するッ!かつてそうだったように、これからもそうであるようにッ!認めよッ!我ら、最弱の種族!何も持って生まれぬ故に、何モノにもなれる、最弱の種族であることをッ!
神だろうが魔法があろうがなかろうが、他人や世界や歴史が決めた限界を決して自分の限界だと決めつけずに、弱者として戦う覚悟を持っているこの言葉はかなり痺れました
そんな様々な興奮を与えてくれながらも、普段のダメ人間全開の描写は非常に面白いw
ニートで引きこもり、コミュ障、非モテの属性を存分に発揮し、それが見事に笑いへと昇華されているこの兄妹
この世界で有効な『十の盟約』を使って、自分たちに有利な方向へと運んでいくような盟約を取り付けることもあるんですが、その時に願望が入ってしまった時なんかは爆笑しましたねw
異世界に来たばかりの頃、住むところがなく困っていたところに現れたステフとゲームをして勝利を収めた空は「俺に惚れろっ!」と命令
盟約に誓って行われたゲームは絶対遵守されるため、自分の意思も関係なく作用する
惚れて貢がせることで、住処もお金も人材もゲット出来るパーフェクトプランだと空は言い放ちますが、それを聞いた白から「俺の所有物になれなら全部手に入った」とツッコまれ、己のミスに気付きます
このチャンスを逃せば一生彼女が出来ないというコンプレックスから、判断を曇らせ、「惚れろ」という命令をしてしまった空
「白がいればいい」と常々言っていながらも、その本心はやはり健康な男子で、盛大な土下座を見せながら謝罪をします
強がってましたああああスイマセンでしたああああ!
だって妹に手ぇ出せないじゃん!ましてや十一歳じゃん!兄ちゃんだってお年頃じゃん!性欲だって性欲だって性欲だって性欲だってあるじゃん!
この時のゲームはただのジャンケンながらも様々な心理戦が繰り広げられ、結構真剣な感じだったんですが、そこからのこの落差にはやられましたね(笑)
その他にも、日の光に弱かったり、東京の秋葉原に似たゲーム世界に降り立った時にトラウマが呼び起こされ「僕たちはもう役に立ちませんので申し訳ありませんが自分たちで何とかしてください…」とひたすら土下座を繰り返したりとか、普段の飄々とした態度はどこへやらのギャップは堪りませんw
また、空と白の行動に振り回されるステフの悲惨さも面白いポイント
惚れろと命じられてからの自身の葛藤だったり、一日二人の犬になってしまって散々な目にあわされたりと、見ていると本当に可哀想になってくる(笑)
しかも、空と白の要求がアウトギリギリのセーフを狙ったエロい要求だったりすることもあるので、そのマニアックさがまた面白いんですよねw
手に汗握る興奮を味わいつつも、随所に笑いが散りばめられている『ノーゲーム・ノーライフ』
暴力一切なしの心理戦による”ゲーム”を楽しみながら、一風変わったキャラの日常を楽しみたい人にオススメしたい作品です
ちなみに、こちらの作品に関しては原作既読で、原作小説の内容を感想と解説を交えて語った記事を書いていますので、興味がある方は是非ご参考ください
モブサイコ100
外見は至って普通の地味な少年・モブ。そんな彼は実は、強力な超能力者だった。平凡な日々を願うモブは、注目を避けて生活を続けていたものの、能力に目を付けたニセ霊能力者や不良番長、謎の組織などが次々現れ始める。果たしてモブは平穏な生活を手にすることが出来るのか?
衝撃のサイッキック青春グラフィティ、ここに開幕!
キャスト | 影山茂夫(モブ):伊藤節生 霊幻新隆:櫻井孝宏 エクボ:大塚明夫 影山律:入野自由 花沢輝気:松岡禎丞 ほか |
原作者・ONE先生によるSF青春コメディ作品
Webコミック配信サイト『裏サンデー』で連載された後、マンガアプリ『マンガワン』にて連載
2017年12月に完結し、原作コミックスは全16巻まで発売され、2016年7月時点の累計発行部数は120万部を突破しています
圧倒的な作画クオリティーで贈る超能力戦がとにかく熱い作品であり、”超能力”という人とは違う能力を持っていることに対しての苦悩や葛藤を描きながら、それとどう向き合っていくかに対しても問うてくる作品です
数多くの超能力アニメ作品を見てきましたが、その中でもこの作品は間違いなくトップレベルの戦闘作画を誇っています
動きのある超能力戦のみならず、舞い上がる土煙や破壊されつくす周囲の建物といった周囲に多大な影響を与えるほどの”超能力”の凄まじいパワーや白熱の攻防戦の様子が伝わる背景作画
さらに、効果音や浮遊感すら感じてしまうようなカメラワークなど、これらすべての演出が見ている人に臨場感と迫力を伝え、大興奮を与えてくれます
そして、人と違う個性を持っているということに対しても様々な考え方があり、それに対して一つの答えを教えてくれるのもこの作品の良いところ
”超能力”というのはある種の憧れの能力であり、それを手にしているということは自身が特別だと感じてもおかしくはないことです
しかし、その能力を持っているということは幸せなことではなく、不幸だと感じる人がいるのもまた事実
大多数の人間とは違う人、特に強大な力で他者には理解できない能力を持っているという人は周囲から気味悪がられ、敬遠されてしまう
また、周囲の人を傷つけてしまうかもしれないという事実は、本人にとっても気の休まらない大きな悩みとなりうる
モブ自身もそういった悩みを抱えていましたが、そんなモブに対して師匠である霊幻新隆が言った言葉は心に刺さる名言としてかなり印象深かったですね
いいか?超能力を持っているからといって、一人の人間であることに変わりはない。足が速い、勉強ができる、体臭が強いなどといっしょで、超能力も単なる『特徴の一つ』に過ぎない。個性として受け入れて、前向きに生きていくしかないんだ。魅力の本質は『人間味』だ。”いいやつになれ”。以上!
特殊な個性と言うのは悩みを生み出し、孤立させ、人との壁を作ってしまうというのはよくありますが、それでその人の本質が分かる訳ではありません
”魅力の本質は『人間味』”という霊幻の言葉は、個性に振り回されず、むしろそれを受け入れて、自分が出来ることをしていこうと考えさせてくれましたね
その他にも、人との繋がりの大切さや素直になる事の怖さなど、人間味あふれる内容が描かれている作品となっています
基本的にはモブ中心に描かれていきますが、師匠である霊幻やモブの弟の律、その他周囲の人間など様々な視点から描いた”人との繋がり”は心打たれるエピソードも多数あり、前向きな気持ちにさせてくれるのは良いところですね
そんな中、”個性”という点で深く考えさせられる部分がありながら、強烈な”個性”を発揮し、それが見事に笑いへと変化しているキャラクター達がいるのもまた事実
花沢輝樹(通称:テル)はモブと同じ超能力者でありながら、モブとの戦いに敗れて以降、ライバルであり友として登場してくるキャラクターなんですが、彼の頭頂部を抑える姿には笑わせてもらいましたw
モブとの戦いの際に、落ち武者スタイルに頭頂部を刈り上げられ、残念なイケメンへと変わってしまったかと思いきや、明らかにカツラを被っていると分かる程の変な髪形をして再登場
”テル頭頂部150%”と称されるほど不自然に伸びたその髪型を本人は不自然と思ってないのかもの凄く不思議なんですが、その長さは当然の如く風にめっぽう弱い
強風が吹いた時に、目を赤くしながら真顔で抑える様子は普段のギャップと相まって凄く面白かったですねw
その他にも、脳感電波部のダラダラでグダグダな部員たちや肉体改造部の面々の暑苦しいくらいの熱血っぷりもまた面白く、サブキャラ含めて強い個性持ちなのは見ていて本当に面白いです
ただやはり、特筆しているのは霊幻新隆の話術でしょうねw
インチキ霊能力者ながらも、お客にバレないように必死に取り繕ったり誤魔化したりしながらも、基本は適当なので穴だらけ(笑)
お客自身も変だと思う事しきりですが、霊幻の自信満々に話す様子に思わず信用してしまう
このお決まりのテンプレ展開を繰り広げながらも、話術のバリエーション自体は豊富な霊幻のリアクションには感心と共に、笑いが込み上げてくるんですよねw
また、そのインチキ霊能力者の霊幻新隆が繰り出す様々な技もまた面白い!
ただ食塩を巻き散らかすだけの『ソルトスプラッシュ』だったり、肩こり腰痛などを解消するマッサージ『呪術クラッシュ』だったり、米粒を使って糊付けする『米粒ビッグバン』だったりと技名に対して技自体はしょうもない感じが笑えますw(実際、しょうもないんですけどね 笑)
どちらかというと全体的にはシリアス多め、ギャグ少なめな作品ではありますが、だからこそストーリー展開のテンポ感も非常に良く、物語自体はサクサク進んでいきながら、ギャグで描く日常とシリアスな非日常の描き方が上手いので、見ていて飽きが少ない
完結した原作を最後までアニメ化しきっている作品でもあるので、3クール(全37話)という話数ではありますが、面白い作品を完結まで一気に見てみたいという人にはオススメの作品ですね
銀魂
天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人の襲来を受け、かつて『侍の国』と呼ばれたのも今や昔。侍は剣を捨て、天人たちは偉そうに町を歩き回る江戸で、万事屋を営む坂田銀時という男がいた。いい加減で無鉄砲で死んだ魚のような目をしている彼だが、彼の心には”侍の魂”がしっかりと宿っていた。笑って、泣いて、心温まるSF人情なんちゃって時代劇コメディ!
キャスト | 坂田銀時:杉田智和 志村新八:阪口大助 神楽:釘宮理恵 定春:高橋美佳子 お妙:ゆきのさつき ほか |
原作者・空知英秋先生によるSFギャグ作品
『週刊少年ジャンプ』にて連載された後、完結編が『ジャンプGIGA』&『銀魂公式アプリ』にて連載され完結
全77巻まで刊行され、第74巻までの国内累計発行部数は5500万部を突破しています
”ギャグ&シリアスが絶妙な作品”といえば間違いなく『銀魂』はその代表作!
それほどまでにギャグ回とシリアス回の差が激しく、さらに両方とも爆笑と感動を与えてくれる作品ですね
まずはシリアス面としてのポイントは3つ
地球にやってきた天人だけじゃなく、様々な強敵と戦闘を繰り広げる銀さんたちですが、その戦闘シーンがまずは1つ目のシリアスポイント
その作画も見所ではあるんですが、何より多数vs少数といった”数の不利”や1vs1ながらも相手が圧倒的な力を持っている”力量の不利”などをものともせず、敵を打ち倒していくその姿にとにかく大興奮!
当然、状況としては不利ではあるので苦戦を強いられることもありますが、己が信じた魂に従い、剣を振るう手を止めず、前へと進むための足も止めず、一瞬の呼吸や瞬きする暇すら与えないほどの攻防戦の数々は、見ているこっちですら呼吸を忘れてしまうほど
しかも、その戦闘の興奮は主役の坂田銀時のみならず、新八や神楽の万事屋メンバーだったり、真選組の近藤や土方や沖田だったり、さらには相対する相手に至るまでその曇りなき魂同士の戦闘を見せつけてくれるから、いついかなる時も熱くなれるのが本当に素晴らしいです
そんな熱い戦闘のみならず、感動的な名シーンの数々もあるのが2つ目のシリアスポイント
それぞれがそれぞれ戦う理由だったり、守りたいものだったりなど決して曲げることのできない”大切なもの”を持っています
それが信念であることは間違いないんですが、その信念の多くには”人”が関わっているというのが感動できる大きな要因の一つだと思います
笑い合ったり喧嘩したりしながらもずっと一緒に横を歩き続けてくれる仲間、孤独の中を救い出してくれた師、どんなに馬鹿をやっていても自分が間違った道を進んだ時には殴りつけてくれる友、かつての想い人との約束を果たす為にどんなに辛くても必死になってその約束を果たそうと生き続ける人達…
そういった互いが互いを支え合い、心の寄り所にし合い、そして自分の居場所にし合っているこの”強い絆”が見ている人の心にダイレクトに伝わってきて、それが感動的な名シーンへと昇華していると感じましたね
そして、そんな強い絆や曲がらない信念を持っているからこそ生まれる多くの名言の数々が3つ目のシリアスポイント
この作品に登場するキャラクターたちは、平然と嘘をついたりもしますが、自身の”心”には決して嘘はつかない
間違っていると思ったら勝てないと思っている相手にも挑んでいくし、時には国に喧嘩を売ることもあります
そんな自分の”心”を偽らないからこそ、着飾ることのない真っ直ぐな言葉の数々は本当に心に響きます
続いてギャグポイント
これに関しては以前書かせて頂いた『ギャグセンス抜群の笑えるアニメ29選』でも語らせて頂きましたが、大きく分けとポイントは3つ
まず1つ目は、放送ギリギリの豊富なパロディネタ
同じジャンプ作品のパロディをするだけじゃなく、有名な名作アニメやマンガ、ゲームなどもネタにし、さらには季節ネタや時事ネタもふんだんにパロディにしてくる
そして、有名な時事ネタなどもネタにしているからこそ、分かる人にとっては大爆笑でありながらも、分かるからこそ「これ放送して大丈夫?w」って思ってしまうような危うさも持ち合わせているというハラハラ感も凄く面白いです
実際、時事ネタで規制がかかったエピソードとかもあるんですが、その中でも黒塗りやピー音が付け加えられて放送されたり、中には放送を中止した局もあった『蓮蓬編』なんかはわりと有名な気がします(笑)(規制自体は関係各所の圧力とかじゃなく、実際は自主規制だったみたいですが)
また、見ていても面白い時事ネタですが、キャストの方々も演じながら笑ってしまうこともあるみたいw
そんな中でも、滅多に笑うことのない石田彰さんが思わず笑ってしまったというのが桂がウイルスを取り込んだことによって体が変化したウイルス・ミス回
放送バージョンは当然ウイルス・ミスに目線が入っていますが、アフレコの時はその目線がない状態での収録だったそうで、その絵面に石田さんも思わず笑いが抑えられなかったみたいですねw
(このエピソードに関しては『銀魂』ラジオ放送局で阪口大助さんが「アフレコ中一番ザワついた瞬間」として話していました)
そして2つ目が、ピー音やモザイク無しでは見れない下ネタ&ゲロネタの数々
この作品はギャグに走るととにかく絵面がヒドイw
銀さんは酒が好きなので、飲み過ぎた結果、ゲロを吐くことがあるのはまぁ百歩譲って分かるとしても、万事屋メンバーであり、この作品のヒロインの一人でもある神楽もゲロを吐くと言うのが中々凄いし、なんなら銀さんよりもゲロ描写多いんじゃないかな?(笑)
神楽はそんな印象もあるほどゲロを吐きまくるヒロインであり、”ゲロイン”なんて呼ばれるようにもなっていくほどの良い吐きっぷりを見せてくれます(当然、モザイクありでw)
また、下ネタに関して間違いなく筆頭なのは真選組局長の近藤勲でしょうね
近藤はやる時はやるし、部下思いの良い上司なんですけど、なにぶん生まれたままの姿の描写が多すぎる(笑)
だからこそ下半身に関してはモザイクがかかることめちゃくちゃ多いですし、なにより彼は全裸のみならず、上半身は服を着て下半身はなにも履いてないとか、事情があってゴリラになってしまった時も「フォースの力」ならぬ「汚いホースの力」を得て敵に立ち向かったこともありましたねw
近藤さんを思い出す時は大体下半身のモザイクとワンセットになって思い出すことが多い気がしますし、なにより彼は人気投票回の時に他のキャラは恥部を露出したことで順位が下がっていく中、唯一パンツを下げられても順位が下がらなかったほどの猛者でしたww
そして3つ目のポイントはOPやED、さらには前提供に至るまで細部にまで散りばめられた笑いです
多くの作品の場合、OPやED映像などと言ったものは基本的には毎回同じ
違ったとしても、それはその放送されるエピソード自体が特殊で、演出の為にあえて変えていると言ったパターンが多いと思います
『銀魂』でもそういったパターンもありますが、そうじゃなくて唐突に違う映像を流してくることがこの作品ではあるんですよね
例えば、第2期の206話で『銀魂』のタイトルに「’」が付いた時は銀さんがOPで唐突に登場してきて「これ大人の事情だから」と説明したり、224話のOPでは最後に事故って「23回もおんなじことやってたらミスることもあんだろ」って言い訳したりと、急にいつもと違う流れを入れてくるから、その不意打ちな笑いが本当に面白いんですよねw
他にも提供画像の内容を本編に引っ張ってきたりしているエピソードとかもあるので、TV放送が終了し、動画配信がメインになっているにもかかわらず、提供映像がしっかりと配信されている『銀魂』だからこその笑いがあるのも良いです
こういった不意打ちな笑いなどは回数としては多くないですが、だからこそそれを見つけた時の快感は最高ですよ
余談ですが、OPの映像変化に関して”笑い”として紹介しましたが、「金魂篇」に関しては別で、金さんから銀さんになる映像は感動しますので、もしも『銀魂’延長戦』のこのエピソードを見る際は金さんバージョンを見てから本編を見て、「金魂篇」最終話の最後に流れる銀さんバージョンを見る流れを強くオススメします
今回この記事で紹介してる作品の中でもダントツで話数が多い作品ではありますが、その話数の多さは多くの人を魅了し続け、多くの人を虜にしたという人気のある作品の証でもあります
さらに、話数が多いからという理由で見るのを躊躇うには勿体なすぎる作品でもあるので、魂を燃やし、心から笑いたい作品を見たい方にはオススメの作品です
慎重勇者~この勇者が俺TUEEEのくせに慎重すぎる~
難度Sクラスの世界の救済を担当することになった新米女神のリスタルテ。数ある勇者候補の中からチート級の能力を持つ竜宮院聖哉の召喚に成功するが、彼は異常なまでに慎重だった!?
アイテムや装備の異常なストック数、レベルMAXになるまで自室で筋トレ、スライム相手にも万が一の為に全力を出すなどその慎重ぶりはもはや病気の域。それでも確かな実力を誇る彼に世界の命運が託される!
慎重勇者と駄女神による異世界救済活劇が今、始まる!
キャスト | 竜宮院聖哉:梅原裕一郎 リスタルテ:豊崎愛生 アリアドア:山村響 マッシュ:河西健吾 エルル:古賀葵 ほか |
原作者・土日月(つちひらいと)先生による異世界召喚ファンタジー作品
小説投稿サイト『カクヨム』にて連載を開始し、カドカワBOOKSから書籍化
原作小説は2023年1月時点では7巻まで刊行されています
なお、この作品は小説投稿サイト『カクヨム』発の作品の中では初のアニメ化作品になります
この作品はギャグとシリアスだとギャグ寄りな内容ではありますが、そのギャグの数々は面白く、そしてそれが見事な前振りとなって、感動できる最高のシリアスへと昇華させている作品です
ギャグに関しては、『慎重勇者』というタイトル通りの異常なまでに慎重すぎる竜宮院聖哉の行動の数々が非常に面白く、またこの作品に登場するリスタルテも含めた女神たちの奇行や顔芸の数々に笑わせられます
勇者召喚の際に使われる勇者候補リストのプロフィール欄にすら「ありえないくらい慎重」と書かれるほどの慎重さを誇っている竜宮院聖哉
その慎重さは、鎧を買うのにも着る用・スペア・スペアが無くなった時のスペアの3つを買おうとしたり、序盤の街で子供でも倒せるくらいの強さのスライムにすら全力で魔法を繰り出し、完全消滅させなければ気が済まないほど(笑)
度を越した彼の慎重さは周囲からも「病気」と言われ、その病気具合に驚きを隠せないだけじゃなく、中にはノイローゼになってしまう神すらもいましたねw
そして、そんな聖哉に振り回される神々たちですが、これがまた個性派揃い!
軍神のアデネラは抜群の剣技を誇っているものの見た目は根暗でまるで女神っぽくないし、弓の女神のミティスは勇者とみると性的に美味しくいただこうとするほどの変態野郎だったりと一度見たら忘れないであろうその個性はかなり笑えます
ただ、やはり一番笑えるのは女神・リスタルテ
女神という立場でありながら、足蹴にされたり、体臭がくさいと言われたりと雑に扱われるだけじゃなく、可愛い見た目でありながらも女神らしさ皆無の顔へと変化する顔芸の数々
このインパクト大の設定や絵面を見せつけられながら、リスタルテを演じている豊崎愛生さんの見事な名演技が最高のツッコミを見せてくれるので、毎回毎回本当に爆笑させてくれますね
そんなおバカなやり取りが繰り広げられながらも、後半では辛く悲しい事実が明かされ、かなりシリアスな展開へと発展していきます
しかも、それが急な展開という訳ではなく、見ているとしっかりと伏線が張られた状態で展開しており、時々感じていた違和感を一気に回収していって感動のシリアス回へと昇華しているからそのギャップが堪らなく良かったですね
竜宮院聖哉がありえないくらい慎重な理由、女神・リスタルテが聖哉に惹かれている本当の意味
ここまでギャグとして見ていたものに明確な理由付けがされるこの盛大な前振りからのドストレートな感動には、見た時に心が締め付けられて切なくなった記憶をかなり印象深く残してくれましたね
キャラにせよ内容にせよ、ギャグとシリアスの両面において見た人にかなり強烈な記憶を植え付けてくれる作品になっているので、他の作品とは一風変わった異世界転生ファンタジーが見たい人にはオススメしたい作品ですね
Angel Beats!
何らかの理由で最期を遂げた少年・音無は記憶が無いまま目覚めると、そこは見知らぬ学校だった。ゆりと名乗る少女と出会った音無は、ここが死後の世界であり、天使と日夜戦闘を繰り広げていることを知る。そして、その天使は一人の可憐な少女だった。
麻枝准×P.A.WORKSが贈る、時に理不尽ながらもそんな人生の尊さを描いた学園ファンタジー!
キャスト | 音無:神谷浩史 ゆり:櫻井浩美 天使:花澤香菜 ユイ:喜多村英梨 日向:木村良平 ほか |
麻枝准×P.A.WORKSによるオリジナルアニメーション作品
『Air』や『CLANNAD』などと言った多くの感動作品を生み出してきた麻枝准さんですが、その作品の多くはギャグとシリアスで構成されている作品が多いと感じています
そんな中で、個人的に明確にギャグとシリアスが分かれ、かなり面白いと思っているのがこの『Angel Beats!』という作品です
そして、これもまた個人的にですが、もしもこの作品を見たことがないという人がいたら一度は必ず見た方が良いと思えるほど名作だと思っている作品の一つでもあります
物語が繰り広げられる舞台は”死後の世界”
まるで学校のようなその世界で目を覚ました音無は、ゆりが率いる「死んだ世界戦線」のメンバーになり、様々な経験をしていきながら、この死後の世界の意味を知り、人生の尊さを知っていく作品です
舞台が学校というのもあって、「死んだ世界戦線」のメンバーたちが繰り広げる抗争の数々はある意味、青春の一ページのような楽しい時間のように思えます
仲間とバンドを組んでライブをしたり、球技大会で野球をしたり、川に行って魚釣りをしたり
時にはテストの時にバカをやってクラスメイトから冷たい目線を送られたりも(笑)
そんなバカなことをしながらも、楽しく笑いあって送る日々を”青春”と言わずに何という
その青春の数々を個性的なキャラクターたちが大いに盛り上げながら、様々な演出で面白可笑しく演出しているギャグの数々は本当に面白いです
そして、その楽しい日々の中で描かれていく登場人物たちの過去
”死後の世界”ということからも分かるように、ここで登場する人物たちはみんな死んでおり、さらに言えば何かしらの理不尽や後悔を抱えたまま死んだ人たちがやってくるのがこの世界です
その理不尽と後悔の数々は、聞いているだけでも切なくて辛くなるようなものばかり
大切な家族を強盗に奪われたもの、不慮の事故により夢半ばにしてこの世を去ってしまったもの、ベッドで寝たきりだった少女が叶えたかった幸せ
そんな彼ら彼女らがこの世界に来て迎えたそれぞれの結末は涙無くして見れないほどに感動的
特に第10話「Goodbye Days」のユイと日向の名シーンに関しては、これまで何回も見てきましたが、何回でも泣いてしまう程に最高の神回だと思っています
この作品は、シリアス面でも抜群の演出と素晴らしい劇伴で各シーンを盛り上げてくれましたが、このシーンで使われているLisaさんが歌う「一番の宝物」が感動をより感動的なものへと変えてくれているので、この話数を見る時はハンカチどころかバスタオルでも足りないんじゃないかと思えるくらい泣いた記憶があります
青春という明るく楽しい日々で大いに笑わせてくれながら、辛く切ない過去を生きていても必死に抗い向き合っていく姿に感動させられる
”人生”をテーマに作られたこの作品を見て、たくさん笑ってたくさん泣いて、生きることの尊さを知ってみてはいかがでしょうか?
ちなみに、こちらの作品は濃い内容ながらも全13話とかなり視聴しやすい話数となっているのでそこもオススメのポイントですね
甘城ブリリアントパーク
眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群と自分でも認めるナルシストの可児江西也は、謎の転校生・千斗いすずに銃で脅され、遊園地でデートする事になった。しかし、連れてこられた場所は日本一残念な遊園地である《甘城ブリリアントパーク》。さらに、本物のお姫様であるラティファに引き合わされ、再建を委託されることになるが、そこはただの遊園地ではなく…
閉園の危機を乗り越えるべく、奮闘する日々を描いたドタバタ群像劇!
キャスト | 可児江西也:内山昂輝 千斗いすず:加隈亜衣 ラティファ・フルーランザ:藤井ゆきよ モッフル:川澄綾子 マカロン:白石涼子 ティラミー:野中藍 ほか |
『フルメタル・パニック!』の原作者・賀東招二先生によるライトノベル作品を京都アニメーションがアニメ化した作品
原作ライトノベルは富士見ファンタジア文庫より刊行され、8巻まで発売されています
また、原作に関しては2016年6月以降続刊が発売されておらず、未完結になっています(2023年2月時点)
2014年時点でのシリーズ累計発行部数は40万部を突破しており、原作ライトノベル以外にもスピンオフ作品や漫画版なども発売されています
なお、原作ライトノベルとアニメでは展開が違っているようなんですが、原作未読なのでアニメ版の内容に触れていきます
施設はボロボロ、客(この場合はゲスト)も休日になってもほとんど来ないというどうしようもない状況で、もはや閉園寸前の甘城ブリリアントパーク(通称:甘ブリ)
しかし、この甘ブリには閉園させる訳にはいかない重大な秘密と理由がありました
それは、この遊園地で働いているキャスト全員が魔法の国「メイプルランド」の住人であり、この遊園地が無くなってしまえば住む場所も生きる力も失ってしまうということ
その再建を任されたのが、本物の姫であるラティファの神託によって選ばれた可児江西也なんですが、その再建のためにキャストのみんなと奔走するドタバタ劇が本当に面白い
イケメンで何でも出来る可児江西也のナルシストっぷりだったり、千斗いすずのクールながらも少しズレた感性だったりとメインの二人も十分笑えるポイントを突いてくるんですが、一番笑えるポイントとしては遊園地のマスコットキャラなのに全くマスコットらしくない可愛くなさ
当然、見た目はマスコットキャラなので可愛いんですが、ゲストの居ないところでやってることや言ってることが全然可愛くないんですよね(笑)
この点に関して特筆しているのは猫の姿をしたお花の妖精・ティラミーと羊の姿をした音楽の妖精・マカロンの二人
この二人が結構クズw
ティラミーに関しては女好きで若いキャストの女の子をすぐ口説こうとする上に、セクハラまがいの言葉も普通に言うし、マカロンに関してはギャンブルが好きで気が乗らないと平然と仕事をサボるというクズっぷり
この二人が何かしらの騒動を持ち込んだりするんですが、大体が本人たちが痛い目を見るという散々な結果になるのもお約束で面白いですね
そして何より、本編中でこの二人が一番マスコットらしくない顔を見せるのがなお面白い
特に、何か企んでる時のゲスイ顔は本当に面白いです(笑)
この表と裏のギャップ感は現実でも通じる所があって、共感出来るから好きですねw
そう言ったおふざけがありながらも、遊園地再建に関してはかなり真剣
自分たちのためというのもありますが、なによりゲストのことを大切にし、自分たちの仕事に対しても真剣に取り組んでいるその姿は心打たれます
甘ブリは閉園寸前のテーマパークではありましたが、そもそも可児江自身が甘ブリの支配人になる際、キャストをわざと怒らせるという演技をして仕事に対する真剣さを見たことがありました
「お前らの客はバカだ」って言っただろう。連中は本気で怒った。客をバカにされて本気で怒るのは、自分の仕事に真剣だということだ。それならまだ希望はある。
3ヶ月という短い期限の中で、自分たちが出来る精一杯のことをキャスト一丸となって取り組み、一人でも多くのゲストを喜ばせようと努力する
可児江の戦略と言うのもありますが、彼が来る前とは比べ物にならないほどの変化を見せたのは、皆が持っていた”真剣さ”の影響も大きかったんだと分かります
そしてそれは、施設の修繕や客足などと言った部分だけじゃなく、生き生きと仕事をするキャストの顔がそれを物語っています
また、遊園地再建のためにもう一つ重大な理由が隠されているのも見所の一つ
その理由と言うのが、ラティファにかけられた呪いが大きく影響しています
魔法の国の住人は地上の人の”楽しい”という感情《アニムス》が得られないと生きていくことが出来ません
その感情を得るためにこのテーマパークがあると言っても過言ではないんですが、キャストの場合は仮に駄目でも一からやり直すという選択肢もある
しかし、ラティファの場合は特殊で、強力な魔法使いによって《アニムス》が欠乏していく呪いをかけられたせいでラティファは《アニムス》を得られないと衰弱してしまい、「テーマパークの閉園=死」という直接的な問題を抱えていました
この秘密を知っているのはモッフルといすず、そして後から聞かされた西也のみで、他のキャストは知らない
この呪い以外にももう一つラティファには呪いがかかっているんですが、皆の前ではそんな呪いがあるなんて微塵も感じさせないような明るい笑顔を振りまき続ける心優しいラティファが迎える結末
それは非常に感動的であり、その演出も見事なものとなっています
京都アニメーション制作ということで文句なしの作画も非常に素晴らしく、作品自体も見た目と中身のギャップだったり、ギャグとシリアスのギャップだったりと様々なギャップでも楽しませてくれる作品
こちらの作品も全13話と視聴しやすい作品となっているので、忙しい人にもオススメ出来る作品ですね
ハコヅメ~交番女子の逆襲~
公務員試験を片っ端から受けて、合格したのは警察官だけという最も浅い理由で警察官になった川合麻依は辞表を握りしめ、第二の人生を歩もうと決意していた。そんな矢先、新しい指導員としてやってきたのはミスパーフェクトの異名を持つ元刑事課エースの藤聖子だった。
新人警察官と元刑事課エースの凸凹ペアを中心に、個性豊かな面々が繰り広げるお仕事コメディ!
キャスト | 川合麻依:若山詩音 藤聖子:石川由依 源誠二:鈴木崚太 山田武志:土屋神葉 牧高美和:花澤香菜 ほか |
原作者・泰三子先生による交番で働く女性警察官の内情を描いたお仕事コメディ作品
『モーニング』にて連載されていましたが、2022年6月に第一部が完結し、それに併せて新作連載の為に一旦休載しています(2023年2月時点)
原作コミックスは第一部完結となる最終23巻まで発売されています
コメディ作品と銘打っている通りギャグの多い作品ですが、笑いに関してはシュールな笑いがメインとなっているので、淡々と繰り広げられる面白い会話の数々はやたらリアルに聞こえるw
だからこそ、漏れてしまう本音の信憑性やその本音の黒さ加減が際立っていて面白いんですよね
例えば、車の取り締まりなどで文句を言う市民と言うのは多かれ少なかれいると思います
でも、警察官だって人間ですし、文句を言われて腹が立たない訳じゃない
だからといって表情や態度に出すわけにもいかない中で、藤は何を思いながら違反切符を切っているか…
それは、「クソ野郎来い」と願いながら、そのクソ野郎に対して気持ちよく切符を切りたいと思っているw
実際にはこういう警察官の方はいないと思いますが、この警察官らしくない感じだったり、激務だからこそ言っててもおかしくないなと思えるような微妙にリアルな感じのネタがふんだんに登場してくるので、それが絶妙に笑いのツボを突いてきます
また、警察の仕事になぞらえながらも、思わず共感してしまうような「あるあるネタ」があるのも面白いポイントですね
藤に変わって捜査一課に配属された牧高が、「男の気持ちが分からない」と男の同僚に聞いた時に、その同僚全員の解答が「何も考えてない」か「食べる事とエロい事」の二つだけだったというのには爆笑しながらも、同じ男として心も痛みましたよね(笑)
こういったギャグのやり取りもテンポ感の良い会話で展開されていくので、聞いていて飽きないのも笑えるポイントとしては大きいと思います
そして、そんなコメディ要素がありながら、心を揺さぶられたり感動できる人間ドラマもあるのでそのギャップ感が素晴らしいです
原作者の泰先生自身が元女性警察官で、10年間働いていたからこそ知っているリアルな内情は警察官の大変さを描きながら、市民の安全の為に日夜頑張ってくれているというのがよく分かります
特にアニメ10話の「トラウマ」に関しては、一生忘れないだろうと思えるほどに心に残るエピソードでした
これは是非とも語っておきたいエピソードだと思っているので、要約したものと感想を書かせていただきますが、飛ばしたい方は行間を開けてあるのでそれを目安にスクロールしてください
急遽、車の事故現場に向かうことになった藤と川合
現場に到着し、周囲の状況と現場の状況から大きな被害はないかもと川合は考えながら、障害物になりそうなタオルケットを見つけますが、すぐ退かす必要はないと判断し、目線を他へと移します
そのすぐ後ろからやってきた藤も同様に周囲を確認し、同じようにタオルケットを見つけます
しかし、川合とは違って藤は今までにない焦った様子でそのタオルケットの元に駆け寄りました
その姿を見た川合は、そこで初めてそのタオルケットはただのタオルケットではなく、タオルケットにくるまれたまま車外に投げ出され、後続車に轢かれた赤ちゃんだったと気付きます
その赤ちゃんは一目見ただけでも助からないと分かる程の状態で、それを見た川合は藤の指示で体はなんとか動かせたものの、頭の中では一刻も早くこの場から逃げ出したいと考えてしまう程にその光景は衝撃的でした
その後数日間の川合は食事ものどを通らず、寝ても十分に睡眠がとれない状態
初めて死亡事故を目の当たりにしたことでどんどん元気がなくなっていくものの、ペアの藤もなんて声をかけていいのか分からない
そんな時、交通課の宮原がやってきて、川合に「こじらす前に辞めちまえよ。警察なんて」と声を掛けます
それを聞いた藤は「冗談でそんなこと言うのやめてください」と反論しますが、宮原は大真面目
ただそれは、川合が弱いからなどでは決してなく、人間らしさを残しているからこそ言った言葉でした
冗談じゃねえよ。こいつが”まとも”だ。俺やお前がイカれてるだけだ。赤ん坊の遺体見た後に、三食食ってぐっすり寝られる奴のほうがおかしいんだ。警察じゃそれが多数派だが。
その言葉を聞いた川合は、まだ赤ちゃんの姿が脳裏に焼き付いていることや、なぜ自分は何も出来なかったのかを考え続けているということを話します
それを聞いた宮原は「そりゃそうだ」と言ってこう続けます
俺は県警一の交通警察官だから死亡事故現場にいくつも立ち会っているが、何も出来るもんか。鉄の塊と人間だぞ?あと数分って人間も何人も見送った。息を引き取るまで、俺はバカみてぇに「頑張れ」を繰り返すだけだ。なんで警察の制服を着て、ここに立っているのが俺なんだって…何度自分の制服を呪ったかしれねぇ。見せてやりたいだろ?違反してごねるヤツにお前の頭にこびりついた光景を。「何も知らねぇくせに」ってムカつくよな?でも…知らなくていいんだ。あんな光景。あんなのは当事者にならない限り知らなくていい。その当事者を増やさないための…俺らの仕事だ。
この宮原の言葉にやる気をもらった川合は元気を取り戻し、公務に励んでいくと言うのがこの「トラウマ」という話の内容です
事故というものは大変身近なものでありながら、実際にあったことがないとどこか他人事のように感じてしまう
だからこそ「自分は大丈夫」という訳の分からない傲慢さが怠慢を生み、取り返しのつかない事柄へと発展する
その”取り返しのつかない事柄”を誰よりも身に染みて知っているからこそ、市民に嫌われようが当事者を増やさないために日夜公務に励んでいる警察の方々には頭の下がる思いになったし、何より自分自身が当事者になってはいけないと心の底から思えたエピソードでしたね
こう言った教訓として心に残るようなエピソード以外にも、3話の「遺体は語る」は感動できるエピソードですし、5話「VS.チカン」や8話「正義の暴走」などはスカッとするようなエピソードだったりと多くの感情を与えてくれる『ハコヅメ』
笑えて感動して心揺さぶられながら、警察官の大変さや苦労も分かるお仕事系アニメなので、作品のギャップを楽しみながら、見てタメになる作品を見てみたい方にはオススメの作品ですね
ちなみに、11話~13話は続きものになっていますが、それ以外は基本1話2本立ての内容になっているので視聴しやすいのもオススメポイントですね
まとめ
ギャグとシリアスのギャップが絶妙なアニメ12作品でした!
人気があり、かなり有名な作品の紹介が多くなってしまいましたが、気になる作品はありましたか?
1クール作品から長期で放送された作品までご紹介しましたが、どの作品にも言えることは内容が濃く、非常に面白いということ!
ギャグならギャグ、シリアスならシリアスと一点突破の作品も良いですが、やはり両方を持ち合わせ、その両面とも面白いと思える作品は多くの人の心を揺さぶる作品が多い気がします
なので、もしも見たことない作品や気になる作品があれば、一度視聴してみて、その内容のギャップに是非とも燃えてみて下さいね
それでは今回はこの辺で!
また会いましょう