どうもウハルです!
今回は〈物語〉シリーズのオフ&モンスターシーズン『撫物語』の「なでこドロー 其ノ貮」の感想&解説を語っていきたいと思います!
まず、今回の「なでこドロー 其ノ貮」を視聴して最初に感じたことですが…
今回”神回”ですか!?
いやこれに関しては、カッコ書きで(個人的に)と付けたい気持ちでいっぱいではありますが、それでも一人の〈物語〉シリーズファンとして、散りばめられた描写による心情表現の細かさやふんだんに盛り込まれたパロディネタなど、言葉としてではなく絵として伝えて魅せるシーンの数々が本当に素晴らしかった!
この”絵で魅せる作風”は過去のシリーズ作でも存分に堪能させて頂いた事柄でもありますが、今回はより一層、原作の内容とリンクしつつ、オリジナリティ溢れる表現になっているように感じましたね
また、これまた〈物語〉シリーズ恒例のキャラソンが解禁されたのもまた非常に嬉しかったですし、何より可愛かった!
まさかの撫子&余接のデュエットというのも驚きがありながら、こちらの楽曲も非常に良かったですね
そして今回は懐かしの神原駿河の再登場というのもありますが、何よりあの老倉育が再登場したというのが嬉しすぎる!
もともと人気のあるヒロインの一人ではありますが、私自身も老倉は好きなキャラの一人
さらに言えば、この『撫物語』の時の老倉は高校生の時とは違う容姿と性格を見せてくれるのでかなり期待していたんですが、それが想像以上に良かったので本当に嬉しかったですね
なんか感想を書けば書くほど(個人的に)と付けたくなってきますが、それでもやはり今回の「なでこドロー 其ノ貮」に関しては、一人の〈物語〉シリーズファンとしては”神回”だと言いたくなるほどに素晴らしい内容でした!
ということで、今回はそんなテンション爆上がりになった『撫物語』「なでこドロー 其ノ貮」の感想と解説を語っていきたいと思います!
なお、前回の〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズンの『撫物語』「なでこドロー 其ノ壹」の感想&解説も語っていますのでよろしければそちらも是非!
また、〈物語〉シリーズのアニメや原作小説について語らせて頂いたまとめ記事もありますので、他の〈物語〉シリーズに触れてみたいと感じた方はそちらも参考にしてみて下さいね
『撫物語』今回はどこまでアニメ化した?
”夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ、恥ずかしい”
『撫物語』巻末より引用
かつて神様だった少女・千石撫子。夢を追い、現実に追いつめられる彼女は式神童女・斧乃木余接の力を借りて、分身をつくることに成功する。しかし4人の「撫子」達は、ばらばらに逃げ出してしまい・・・?
自分さえ、手に負えないのが青春だ。
『撫物語』は全31章で構成されているシリーズ作品になりますが、その内、「なでこドロー 其ノ貮」は8章から14章までの内容を軸とした話になっています
008~014
オープニング『caramel ribbon cursetard』
歌手 | 千石撫子・斧乃木余接 (花澤香菜・早見沙織) |
作詞 | meg rock |
作曲・編曲 | ミト(クラムボン) |
〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズンでは初お披露目となったキャラクターソング『caramel ribbon cursetard』
作詞はmeg rockさん、作曲はミトさんともはや〈物語〉シリーズにおいて最強の布陣の一つとも言えるほどの盤石さを誇るお二人ですが、今回も見事に名曲を作ってくれましたね!
全体的に可愛さと甘さが溢れるような曲調と「石の上にも三年」からの「恋愛サーキュレーション」という流れの歌詞や「きみはキメ顔で」という余接の黒歴史の名言まで登場する歌詞は懐かしさに溢れており、そういった部分を踏まえても今回の『撫物語』の雰囲気にピッタリな楽曲でした!
そして、曲調に関しては作曲を担当されたミトさんがXにてポストされていましたが、どうやらこの曲は曲の音源を神前暁さんが作曲された『恋愛サーキュレーション』から9割ほどお借りしてアレンジした究極の”オマージュ”アレンジ曲らしいです
「なんか雰囲気似てるな…」と感じた方は大正解でしたね!
そんな中で、一番の驚きはやはりこの曲のタイトルですかね
歌詞の中で「甘くてほろ苦いキャラメルのように絡まるリボン」というこれまでの撫子を表している部分があり、その後にそれは「呪いの鎧だけど」と言っているのが最初に聴いた時は非常に印象的でした
これらの歌詞ですでに千石撫子を表現しているような内容だったんですが、この曲のタイトルでもその危うさはちゃんと表現されていて、タイトルの「カスタード」の部分の綴りが「custard」ではなく「cursetard」となっていて「curse(呪い)」の文字が入ってたんですよね
一見すると見落としそうな部分ではありますが、こういう細かな点もしっかりとこだわっている辺り、〈物語〉シリーズに対する愛や熱量が伝わってくるようで非常に良かったです
『撫物語』「なでこドロー 其ノ貮」感想&解説
ついに一人目発見!
画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより
忍野扇と共に公立七百一中学校にやってきた千石撫子でしたが、逃げ込んだ場所が場所なだけに、校門前で入るのを躊躇っていると、扇から「変わりに中に這入ってきてあげようか?」と提案されます
しかし、その提案はどう考えても状況を悪化させる未来しか生み出さないので、ありがたく却下させてもらい、扇と共に学校内へと入っていきました
そして学校内へと入り、撫子はそこで意外な展開を2つ、目の当たりにすることになります
まず1つ目は、扇が見た「制服姿の撫子」というのは、”おと撫子”ではなく”媚び撫子”だったということ
撫子自身が描いた際は、確かに”媚び撫子”にはキャミソールを着させていたんですが、どうやら”おと撫子”と服装を変えたらしい
一番根暗でおとなしい”おと撫子”に対して、強硬に衣装を交換したと思われる”媚び撫子”ですが、”おと撫子”の性格上、それを断ることも出来なかったであろうことを考えると少なからず同情してしまう撫子でしたが、今はとりあえず目の前の”媚び撫子”を優先させます
そして2つ目は、その”媚び撫子”がこの学校で起こしている問題行動です
学校に来ているということは、この”媚び撫子”時代の自分を考えたときに、行く場所としては2年生の時のクラスということになりますが、そもそも撫子は不登校とは言え、進級はしているため、当時の2年生のクラスは存在していません
なので、それ以外で行きそうな場所を考えようとしたところ、扇から「あまり『当時の私」みたいに、式神と今の自分を切り離さないほうが良い」と言われます
確かに、描いたのはあくまで”今の自分”なので、描かれた”撫子たち”もまた”今の自分たち”でもあるわけです
そうなると自分が通っていたはずの3年生のクラスにいる可能性が非常に高いため、撫子は自身のクラスである3年5組へと向かいます
クラスへと向かった撫子はそっと教室の中を覗いてみると、ちょうど学校に着いた頃が休み時間に入っていたというのもあり、各々のクラスメイトが談笑中でした
そして、その教室の中でカチューシャを付けた”媚び撫子”がクラスのみんなと一緒に楽しく会話をしている姿を目撃し、衝撃を受けてしまいます
その光景はあまりに今の撫子には眩しすぎて、目が眩むどころか、目と共に志も潰されてしまいそうほど見ていられないものでした
感想&解説
仮にですが自分の分身がいて、その分身が自分が出来なかったことを平然とやってのけている姿を目の当たりにした時ってどう感じるでしょうか?
しかもそれが自分自身が「そうありたい」と憧れていた姿だったりしたら…
正直、この話を見た時に私はそれを考えてしまって、もの凄く虚しくて切ない気持ちになった記憶があります
見た目も能力もさほど変わらないのに、心掛け一つ、やり方一つで”もう一つの明るい現在”をむざむざと、しかも現実として可能だったと証明させられているようで、それが出来なかった今の自分を情けなく感じてしまうように思います
別段、今の自分の今の生き方が間違っているとまでは思いませんが、過去に抱えていた後悔や間違いに対して、もう一人の自分が一つの正解を見せつけてくるというのは心にくるものがあります
そう考えると、今の撫子がここで抱えてしまった劣等感には非常に共感出来ましたね
ここでの解説はアニメでの描写から1つと原作から1つです
まずアニメでの描写ですが、扇が撫子に「変わりに中に這入ってきてあげようか?」と言われて、撫子が悩んだ末に断った描写がありましたが、あれは原作通りの描写になります
というかこれは、このシーン自体が原作通りの描写と言う意味ではなく、悩んでいる撫子が10人いたというのが原作通りの描写と言う意味ですね
ここのシーンでは撫子が悩む際に、2人→5人→10人と脳内の小さな撫子が増えていきましたが、原作ではこうなります
扇「なんだったら、僕が代わりに中に這入ってきてあげようか?制服姿の千石ちゃんを捜してくればいいんだよね?それくらいは、任せてもらって構わないよ」
撫「………………」「………………」「………………」「………………」「………………」「………………」「………………」「………………」「………………」「………………」「いえ、結構です」
頭の中で十人くらいの撫子が会議を開き、一人も一言も喋らないまま、静寂というにはあまりにも重い沈黙状態が繰り広げられたのちに、優柔不断な私は本来あり得ないことですが、扇さんからのありがたい申し出をきっぱりとお断りしました。原作『撫物語』より引用
こっちはこっちで「………………」で10人を表しているんですが、その細かな描写ですらもちゃんと表現する辺り、これまでのシリーズ作品でもあった「一字一句原作通りに」の精神を感じれますね
ただ、どっちの表現が好きかと言われると、アニメの方がやっぱりわかりやすくて良かったですかね(笑)(あと可愛さ的にもw)
次に原作からですが、今回、撫子と扇は3年5組のクラスに直接向かっている描写(厳密には3年生の階に行く描写)になっていますが、原作だとそこに行くまでの経緯が描かれています
その経緯の結論から話すと、撫子のクラスが3年5組というのは神原駿河が知っており、それを扇が聞いて知っていたから、自分のクラスに行くことが出来たというのが結論です
そもそも撫子は3年に進級する前に不登校になっているので、自分のクラスを知りませんでした
では、なぜ神原はそれを知っているのかというと、神原は撫子のことをずっと気にかけていたからです
まあ、それにしても他校の後輩のクラスまで知ることが出来る情報網を持っているというのは凄いですし、これは原作でも撫子が言っていることではありますが、ストーカーっぽいですよね(笑)
ただ、それを神原が知っていなければ、こうして3年5組の教室に行くことも出来なかったので、正直助かったとも撫子は原作で語っています
ちなみに、この後のシーンになりますが、撫子が神原と電話をした時に「生きてます」と言った伏線は原作だとここの扇と撫子のやり取りで張られていました
扇「死んだ子の歳を数えるような真似はやめてくださいって申し上げてるんだけどねえ」
撫「死んでないです、生きてます。今のところ五人」
あの電話のシーンは久しぶりの会話という意味合いの「生きてます」とも取れるので、特に違和感も無かったですが、「死んでいると思われているかもしれないから」という意味合いもあったので、そこを知っておくとあの時の撫子は結構本気で生きてることを伝えようとしていたんだと分かって面白味が増すと思いますよ
”媚び撫子”のスキル
画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより
「うん、そう、わかるわかる。だよねー。あー、そうなんだ、ぜんぜん知らなかった。へー。感心しちゃうなー。やだそれ、可愛い。いけてるいけてる。どうなってるんだろ、不思議だねー。すっごーい。それどっかで聞いたことあるかも!それどこで見つけたの、そういうの昔っから好きなの、好き好きー。いつもそうだった。いやこうやって話すのマックス楽しい。盛り上がるよねー。こんな幸せなことって人生にあっていいのかな。奇跡だよ。え、もうこんなに時間経ってるの、あっという間じゃん。あるあるあるある。感激!今までで一番なんじゃない?やだもう、受けるー。そういうこと言わないでよー。毎回そうなんだから。えっ!それネットで見た!うんうん、それでそれで?まったくおんなじこと考えてた。前から欲しかったんだよね。なんでわかるの?今度教えてよー。まるで魔法みたいだね、うちだったら絶対無理!だけどいつか一緒にやってみようよ、できたらいいよね。じゃ約束!」
会話の内容は空っぽであり、とりあえず会話に合わせていますみたいな八方美人のような受け答えをしている”媚び撫子”ではありましたが、それは今の千石撫子にも、そして過去の千石撫子にも出来なかったことです
それを見事にやってのける”媚び撫子”は、まさしくその名の通りの行動(媚び)をしている訳ですが、その行動は「ぬるま湯のようなものだ」と扇は話しました
「『今が幸せだったら、わざわざ夢なんて追ってない』と言うのは、ひとつの真実なんだろうねえ。不平不満があるから、夢も希望もある。夢を叶えて、目標を達成して、出世して、偉くなって、満たされることが目的だって言うのなら、遊ばず弛まず今を捨ててストイックに努力して、生きるか死ぬかで生きなくっても、ぬるま湯の中でゆるーく生きて、ぬくぬく楽しく満たされていても、結局同じなんじゃないかってわけだ。
もっともあれはあれで刹那的だよ。ぬるま湯はいずれ、冷めた冷たい水になる。今はいいかもしれないけれど、将来への不安は、どうしたって隠しきれないだろう」
その刹那的な生き方をしている”媚び撫子”の眩しさにやられていた撫子は、扇からそんなことを言われつつ、また扇から「逆に”媚び撫子”からすれば、ひたむきに頑張る今の千石ちゃんのほうが輝いて見えるだろうね」とも言われます
そして、「だからこそ、”媚び撫子”を早く始末してあげるべきだ」とも言われ、さらに、それが”媚び撫子”の術下からクラスメイトを解放してあげることにもつながるとも言われます
それを言われて本来の目的を思い出した撫子は、斧乃木余接から伝授された【式神の調伏方法】を実行に移そうと身構えます
その方法と言うのはスケッチブックの白紙ページを直に式神に叩き込んだ後、挟み込むように紙を折り畳むという方法です
ただ、その方法を実行に移そうにも、”媚び撫子”の周囲には人だかりが出来ており、それはまさしく「人の壁」とも言えるものになっていました
その可能性に気付いた撫子でしたが、扇もそれには同意であり、またそれをやってのけている”媚び撫子”は成長すれば退治対象にもなりえてしまうほどの脅威性を持っていることも話しました
それを聞いた撫子は一刻も早くクラスメイトを解放するためにも、大声を張り上げて教室へと入っていきますが、その声は誰にも届きませんでした
そこから生じる虚しさや目の前に広がる憧憬から、「本物である自分自身がいなくなったほうが良いのでは?」と感じてしまいましたが、その時突然、学校中に火災報知機のベルが鳴り響きました
その音によって我に返った撫子でしたが、このベルを鳴らした犯人は忍野扇
とんでもないことをしている扇でしたが、そのおかげで”媚び撫子”の周囲に出来ていた人の壁は消え、そこには一つの道が出来ていました
そこに特攻をかける撫子でしたが、当の”媚び撫子”はそれを見ても逃げすらしないどころか、身じろぎすらもせず、ましてや表情すらも崩さずに自嘲的な笑みを浮かべながら向かってくる撫子にこう言い放ちます
「夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ、恥ずかしい」
その言葉を聞きながら、白紙のページを叩きつける為に走る撫子は、”媚び撫子”に対して明確にそれに対しての言葉を返しました
「やなこった!」
感想&解説
今回の『撫物語』において激アツだと思っていたシーンの1つがこの”媚び撫子”が言ったことに対して「やなこった!」と咄嗟に返す撫子のシーンだったんですが、もう期待以上で最高でしたね!
原作を読んでいた時もこの明確に自分の夢を諦めない意志表示をしたシーンは、撫子の熱量も合わせて大好きだったんですが、そこに映像と花澤香菜さんの演技力が加わってさらに素晴らしいシーンへと昇華していたように感じます
”自嘲的に”というのは原作で表現されていた一文ではあるんですが、それを見事に表現し、さらにはその前のクラスメイト達に媚びを売っているような喋り方とのギャップも相まって、皮肉的にも聞こえつつ、だからこそ”媚び撫子”の本心だとも思わせる言い回しが本当に最高でした
また、同じ撫子でも”今撫子”の明確な意思をたった一言とは言え、あれだけ力強く言ってくれたのだから、さらにそのギャップでもやられてしまいましたね
このシーンはPVでも流れていたワンシーンではありますが、やはり一連の流れとして見た方がより心に刺さるシーンとなっていたように感じます
それ以外にも、”媚び撫子”の危険なスキルが判明したり、扇が話す”ぬるま湯”についての語りは名言だったりと、このパートとしては短いですが、描かれた内容としては非常に濃いパートとなっていましたね
ここでの解説は原作から3つとアニメ描写から1つです
まず1つ目は、”媚び撫子”の危険度について
アニメでもそれについては少し語られていましたが、原作だともう少し詳しく書かれています
もしかしたら中には違和感を感じた人もいるかもしれませんが、そもそも”媚び撫子”がいきなり3年5組のクラスメイトたちとこれだけ仲良く出来ているというのは異常です
なぜなら、今の撫子はこの3年5組に一度たりとも足を運んだことはないし、カチューシャ姿で登校したこともないので、言葉を選ばずに言うなら、完全に学校の制服を着た不審者以外の何ものでもありません
たしかに、”媚び撫子”の明るさや社交性だからこそというのもありますが、だとしてもそれだけで、生まれたばかりの”媚び撫子”がクラスメイト達の心をこの短時間で掴めるわけがない
となればそれは一種の「怪異現象」であり、その攻撃をクラスメイト達は受けていたという訳ですね
その人心掌握にも近い「怪異現象」は”媚び撫子”のスキルであり、そういう点も含めて扇も「退治対象になるかもしれない」と言っていたという訳です
次に2つ目は、斧乃木余接が逃げ出した”撫子たち”に対して行う対処法です
特殊な力を持たない撫子は余接から「白紙ページを使った調伏法」を伝授されましたが、余接は別の手段で”撫子たち”の対処にあたっていました
その手段というのは『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』にて式神を木っ端みじんにする方法です
そもそも、撫子は伝授された調伏法自体、原始的で暴力的という印象を持っていましたが、余接のほうがよっぽど暴力的な手段を取ろうとしていたので、原作で撫子は余接と遭遇してしまうであろう”撫子たち”に同情していましたね
最後に原作3つ目は、撫子が感じてしまった失敗です
この失敗というのは、クラスメイトたちの目を覚まさせるために教室に乗り込んだ撫子が精一杯大声を張り上げたものの、誰にも気づいてもらえなかったシーンの部分になります
これに関してはアニメでも描かれ、明らかに説得に失敗していますが、原作だと撫子はそのこと以上に「クラスメイトの一員であることに失敗した」と感じていました
私は怪異現象に囚われているクラスメイトの皆さんの、目を覚まさせることができませんでした――人の壁を崩すことができません。
ただ、屈辱的でした。
そこはかとなく悔しかったです。
そうか、私は失敗したんだということを、改めて思い知らされる感じでした――私は、説得に失敗したんじゃなくて、クラスメイトの一員であることに失敗したんだ。『成功していたパターンの自分』みたいなのを正面からまざまざと見せられて、正面からまじまじと見てしまって、すごくみじめな気持ちになりました。原作『撫物語』より引用
少し自分の感想でも書きましたが、そうなっていたかもしれない現実というのを見せつけられるというのは非常に辛いですし、何より劣等感が半端ないと思います
撫子自身もそのことを感じたからこそ、この後に「私が消えたほうがいいんじゃないかな」と思ったわけですね
この説明がなくても内容としては成立していましたし、これまでの流れを見れば察することの出来る事柄でもありますが、やはり撫子自身の言葉として改めて認識したうえで、この失敗したシーンを見ると、より深く撫子の劣等感に共感も出来ると思いますよ
そしてアニメ描写ですが、ここのパートで扇が”媚び撫子”の危険性を話すシーンがありますが、あそこの描写は千石撫子のキャラクターソングである『恋愛サーキュレーション』と『もうそう♡えくすぷれす』の時のオープニング映像のオマージュになります
これは『恋愛サーキュレーション』と『もうそう♡えくすぷれす』の映像とここのシーンを見比べると分かるんですが、自分が説明できる範囲で類似ヵ所をざっくり羅列するとこうなります
これは少し考察になってしまいますが、『恋愛サーキュレーション』から『もうそう♡えくすぷれす』へと切り替わっていくのは、「なんの変哲もない一人の女の子が神様へと変化した様子=”媚び撫子”の怪異としての今後の危険性」を表しているのかなと感じた部分もありますが、それ以外にも”媚び撫子”が持っていた魔性性を表現しているのかなとも感じました
もともと「もうそう♡えくすぷれす」自体、「恋愛サーキュレーション」のアンサーソングであり、この曲を作曲した神前暁さんは「『なでこメデゥーサ』で出ているダークな面を表現した」と〈物語〉シリーズのヒロイン本の一つである八九寺真宵のヒロイン本で、西尾維新先生との対談で語られています
神前「原作の「なでこメデゥーサ」は、撫子のダークな面が出ているので、これは音楽も応えなきゃいけないなと思いまして、やるならとことん、撫子の汚いところと言いますか……」
西尾「怖いところとか?」
神前「そうです、怖いところ。魔性ですね、その魔性を表現するのに、ああいうちょっとラテン的な怪しい曲調に。」『アニメ〈物語〉シリーズヒロイン本 其ノ貮 八九寺真宵』より一部引用
”媚び撫子”が巻き起こした「怪異現象」はそれこそ人を虜にするような魔性味のある能力でした
そういった諸々を考えると、怪異として危険な化け物へと変化するという表現や、そういった魔性をこの”媚び撫子”は持っていたという描写表現がこのワンシーンで描かれていたのかもしれませんね
もしも「どれくらい一緒なの?」と気になった方は公式がアップしているノンクレジットOP集と今回の「なでこドロー 其ノ貮」の扇が”媚び撫子”の危険性を話しているシーンを見比べて見ると面白いかもしれませんね
【〈物語〉シリーズノンクレジットオープニング映像集 其ノ貮】
※1.動画を再生すると「もうそう♡えくすぷれす」から流れます
※2.『〈物語〉シリーズノンクレジットオープニング映像集 其ノ壹』は制限の都合で再生出来ないのでyoutubeから直接視聴してください(または本編の「なでこスネイク」を見てください)
一人目の捕獲と二人目の情報
画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより
無事に”媚び撫子”の調伏に成功した撫子でしたが、非常ベルが鳴り響いている学校は大混乱状態が続いていました
そして、そんな中から逃げ出さなければならないために、教室を急いで出て廊下に出てきたものの、どこに逃げて良いかも分からずに慌てていたところ、学校内にも関わらず自転車に跨って扇が撫子の目の前にやってきました
撫子は、とりあえず目の前にやってきた扇に捕まり、そのまま自転車で学校から無事に逃走できたものの、その行動もまた学校中で大騒ぎになってしまい、撫子が学校に行けなくなった理由がもう一つ出来てしまいました
ただ、当の扇本人は特に気にしている風でもなく、撫子の暗い表情を見て「何か嫌なことでもあったのかい?」と自身の叔父の口癖を別バージョンで言う始末
しかし、撫子自身が暗い表情をしていたのは事実で、それは学校に行けなくなった理由が新たに出来た事にではなく、”媚び撫子”が見せてきたあのクラスでの光景が原因でした
あの輝かしい光景は、撫子に自分が消えてしまった方がいいんじゃないかと思わせるには十分であり、そこから生じてしまった”媚び撫子”に対して劣等感を感じてしまった自分が嫌だった
最後に言われた言葉も今回は咄嗟に突っぱねることが出来たものの、次以降もそれが出来るかと言われると確信も持てなかった為、まだまだ残っている調伏に、自身が招いてしまったこととは言え、荷の重さを感じていました
そんな時、扇の携帯に着信が入り、それに出ると、どうやら電話の相手は神原駿河のようでした
神原は七百一中学校で騒動があったことをいち早く聞きつけ、その犯人として疑わしい扇に電話をかけてきたようですが、扇自身はすっとぼけていました
それを側で聞いていた撫子は、電話を変わってもらい、神原に今は元気でやっていることを伝えつつ、そして逃げ出した撫子の情報を持っていないか聞き出そうとしました
さすがに式神を作ったとは言えなかったので、ぼんやりと聞いた撫子ですが、神原自身は情報を持っていない様子
ただ、別の情報を持っているようで、その情報を撫子に教えてくれました
「そう言えば、それは千石ちゃんとは一切関係のない事案だと思うんだけれど、上半身裸のブルマ姿で徘徊している前髪の長い女子中学生の姿を見たっていう報告が、町中のあっちこっちから私のところに上がってきているな」
それを聞いた撫子は絶叫しつつ、確信を持って言えることがありました
馬鹿もーん、そいつが撫子だ!
感想&解説
閑話休題とまでは言いませんが、今回の「なでこドロー 其ノ貮」の中では一番笑える要素の多い面白かったパートだったように感じます
忍野メメの口癖を真逆の意味で使う扇だったり、銭形のパロディをぶっ込んできたりと比較的に分かりやすいネタが多かったのがそう感じた大きな理由かもしれませんね
そしてそんな中で、やはり神原駿河の登場も大きかった!
彼女が出てくると場が一気に明るくなるから不思議ですよね
電話しつつの登場ではありましたが、「なんて体勢しながら電話してんねんw」と思わずツッコミを入れたくなる彼女の身体能力の高さに驚きを隠しきれませんでしたが、そもそも彼女の身体能力の高さは折り紙付きですし、何よりあまり電話中にジッとしてるイメージもないので納得感もありました
また、ここで登場したブルマ撫子ならぬ”ルマ撫子”の登場もまた懐かしかったです
この姿は大いに話題を呼びつつ、ある意味で大問題の姿ではありましたが、この姿を見て「懐かしいw」と思ったのはきっと自分だけではないはず(笑)
ただ、その大問題の姿で街ぶらをかましているとなると、”今撫子”としては確かに気が気じゃないですよね
逮捕されかねないその姿に対して、銭形パロで返す撫子は本当に面白かったです
ここでの解説は原作から1つです
アニメでは扇が神原から電話を受けて、そこから撫子が電話を変わってもらうという流れになっていましたが、原作だとその理由がしっかりと描かれています
これに関しては少し前のパートでも解説しましたが、そもそも撫子が自分のクラスが分かったのは神原の情報のおかげでした
そのお礼を言うために電話を変わってもらったというのもありましたが、なにより今までずっと自分のことを気にかけてくれていた神原にお礼を言いたかったからというのもありました
だからこそ、撫子は神原に「ありがとうございました」とも言っていた訳です
ちなみにですが、元々神原が扇に電話をしてきた理由が七百一中学校での騒動に扇が関係していると思ったからですが、撫子と一緒にいることでより一層その疑いが強まったと原作では話しています
そして、撫子も撫子で「不登校の引きこもりだから、学校に行ったりなんかしませんよ?」とあたふたしながら嘘を吐くという流れになっているんですが、そのあたふたしている撫子を見ていた扇は共犯者を見るような笑みを浮かべているんですよね
その笑みを見た撫子は、「その笑顔をぶん殴りたいです」と心中穏やかでなかったことは言うまでもありません(笑)
老倉育の登場
画像出典:〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン公式サイトより
神原によると、どうやらブルマ姿の撫子はあっちこっちで目撃情報があるとのことなので、扇とはここで別れて別行動をすることになった撫子
そこに少し喜びを感じつつ、別れ際に扇から良い案があると「百人の”今撫子”を描いてもらって、ローラー作戦で”ルマ撫子”を探すというのはどうだろう」と言われましたが、あまりに泥沼過ぎて却下しました
そしてそこから扇が乗っていた自転車を借りることが出来た撫子は、目撃証言のあった浪白公園へと向かいました
無事に公園に着いた撫子は、一通り公園内を探してみましたが”ルマ撫子”を見つけることは出来なかった為、再び自転車に乗って走り出そうとしたところ、一人の女性から声をかけられます
「よかった!撫子ちゃん、あなたの服、ちゃんと見つかったのね!」
最初は誰か分からなかったものの、その女性はかつて阿良々木家で見たことのある老倉育だと気が付きました
老倉は一度この町を離れたものの、大学進学に伴って4月頃から再びこの町に訪れることになったらしく、そして今日に関しては、なんだか馴染めない大学をサボって公園で読書をしていたらしい
あまりに意外過ぎる人物ではありましたし、出会ったのは小学校二年生以来のことになるため、どう接して良いか分からなかった撫子でしたが、当の老倉からは「育お姉ちゃんで良いわよ」と以前と変わらぬ呼び方を求められたので取り敢えず呼び方はそうすることにしました
ただ、それでもやはりほぼ初対面に近かったですし、何よりコミュニケーション能力がほぼない撫子でしたが、老倉は貴重な”おと撫子”の情報を持っている人だった為、なんとかその情報を引き出そうと会話を続けます
そして、会話を続けている内に、かつて引きこもり生活をし、その後曲がりなりにも社会復帰を果たした老倉に、現役の不登校児として教えを乞いたいと思うようになりました
今は学校に行ってないこと、親に中学を卒業したら働きに出ろと言われたこと
それについて相談した撫子は、老倉の自戒と心のこもったアドバイスを聞き、嬉しくなりましたが、それ以上に、自分のことのように親身になってアドバイスしてくれたことに嬉しくなりました
話し終えた老倉は「撫子ちゃんと話して少し元気をもらったから午後から大学に行くことにするわ」といい、そして二人は連絡先を交換してその場を別れました
撫子としてはもう少し話もしたかったですし、”おと撫子”の情報を得ることは出来ませんでしたが、ヒントを得ることは出来ました
久しぶりの再会で話をしたわりにディープな会話をした二人でしたが、二人は共通して”ある人物”の名前だけは避けるようにずっと会話をしていました
火憐や月火の名前は出ていても、その人の名前だけは避け続けていました
そこから、神原の「あっちこっちで目撃情報が上がっている」という情報に2つの解釈を付けた時に、1つ目の解釈が目的意識もなくふらふらしているだけであるとしたもの
そして、2つ目の解釈は本当は行きたい場所があるのに、敢えてその場所を避けているというものでした
その2つ目の解釈を考えたときに、これまでの目撃情報の点を線で結び、その図形の中心地となる場所が本当の目的地なのではないかと撫子は考えました
そう考えた撫子が向かった先
導き出した答えによって向かった一軒家の表札には「阿良々木」という名前が掲げられていました
感想&解説
ついに老倉育が来たぁぁ!!
PVの段階から登場するのは分かっていたキャラではありましたが、やはり本編でしっかりとその登場を拝みたかったので、彼女が登場した時は歓喜してしまいました(笑)
阿良々木くんの前で見せる老倉育と撫子の前で見せる老倉育のギャップ感が堪らないながらも、根っこの重たい部分は一緒というのが懐かしくもありましたね
そして、老倉自身は「失敗した」とは言っていましたが、こちらからすれば「どこが?」と言いたくなるようなビジュアル変化がまた良かったですね
高校時代はツインテールにしていましたが、大学生の老倉はボブカットになっており、非常に可愛らしかったです
そんな老倉ですが、撫子にアドバイスしている時の優しい雰囲気もそうですが、経験談から生じるアドバイスがまた心に刺さる
彼女の過去に関しては「そだちリドル」や「そだちロスト」にて語られていましたが、そういった過去を知っているからこそ、その言葉自体にも重みがあったようにも感じます
そんな老倉との会話から得たヒントによって撫子が次に向かった先はなんと阿良々木家!
不登校中の学校に行くというのも中々辛いものがありますが、撫子にとって阿良々木家に行くというのもかなりの試練
その試練を無事に乗り越えることが出来るのか?
千石撫子に待ち受ける”大冒険”にご期待ください!
ここでの解説は原作から2つです
1つ目は、撫子がまず最初に浪白公園に来た理由です
神原からの情報によれば、”ルマ撫子”の目撃情報はあっちこっちから来ていたので、最初に浪白公園に来ることもなかったはずです
ではなぜ最初にこの公園に来たかというと、それは扇から謎の猛プッシュがあったからです
老倉自体はこの町に4月からやってきていたので、確かに遭遇する可能性自体はありましたが、このタイミングで会うにしてはあまりに都合の良い偶然でした
原作では撫子もそのことを考えており、そしてその偶然が起こった経緯をこう言っていますね
私が式神を捜しているというこのタイミングで、育お姉ちゃんと出会ってしまうなんて、なんという偶然でしょう。
考えられません。
強いて言えば、
「千石ちゃんはこっちの方向に、おと撫子ちゃんを捜しに行ったほうがいいよ。絶対にそのほうがいい。なぜかそんな予感がしてならないんだよ。はっはー、ひょっとすると、素敵な出会いがあるかもしれないね!」
という、雑誌の占いページのような、扇さんからの謎のプッシュがあったから、私はまずこの公園のほうにやってきたのですけれど――まさかその先で、育お姉ちゃんに声を掛けられるとは。原作『撫物語』より引用
なんかもう扇の悪意しか感じない(笑)
ただこの老倉との出会い自体、撫子にとって良い出会いとなったので、扇の言う”素敵な出会い”というのはあながち間違いではなかったということですかね
そして2つ目ですが、老倉が本をこの公園で読み続けていた理由です
アニメでは「大学をサボった」という形で描かれ、原作でもその通りのことが書かれてはいます
ここだけを見れば特に違和感はないかもしれませんが、ただよく考えてみると、老倉はサボっている最中に上半身裸のブルマ姿である撫子を一度見掛けた後、その後もこの公園に居続けていることになるんですが、それは少しおかしい
あれだけ奇抜な姿をした撫子を見た後に、今の撫子を発見した老倉がすぐに声を掛けに行くほど彼女は行動的だったにもかかわらず、平然と公園で本を読んでいたというのは老倉の性格上、少しズレているような気もします
ただ、これにはちゃんと理由があって、その理由というのは逃げてしまった撫子がまたこの公園に戻ってくるかもしれないと思ったからです
これは原作で書かれていることになりますが、そもそも老倉はブルマ姿の撫子を見掛けた時点で今の撫子に会った時と同じく、すぐに声を掛けに行っています
ただ、”おと撫子”はブルマ姿とかに関係なく、『声を掛けられたら全力で逃げる』が基本スタンスなので速攻で逃げ出しました
この逃走っぷりは『化物語』の「つばさキャット」の時に、羽川に声を掛けられて全力で逃げた時の姿を想像してもらえれば分かりやすいと思います
そして、そのまま逃げられてしまった撫子がひょっとしたらここに戻ってくるんじゃないかという可能性を考えて、公園で本を読み続けていたというのが老倉がこの公園にいた一連の流れですね
一応、老倉の中ではどちらの撫子も同じ撫子なので認識上は間違っていないですし、何より今の撫子も「読み続けてくれていただけでも感謝すべき」と原作では語っていますね
ちなみに、撫子は”おと撫子”が全力ダッシュしたというのを聞いて、その時に手がどうなっているのか非常に気にしていましたね(笑)
確かに手ブラで街ぶらしているのにダッシュしたら胸がどうなっているのか、当の本人としては非常に気になる所ですからね
とりあえず、「手ブラ状態でのダッシュだけは、本当にやめてください」と原作でも切実に嘆いていました
まとめ
『撫物語』「なでこドロー 其ノ貮」の感想&解説でした!
今回の感想において、出だしで「一人の〈物語〉シリーズファンとしては”神回”」と言わせてもらいましたが、まとめるにあたって、何となくその理由も分かった気がします
というのも、今回は過去作で登場した老倉育や神原駿河、そして強烈なインパクトを与えたブルマ姿の撫子の再登場など、懐かしさ溢れる描写が非常に多かったですし、何より新オープニングや本編中の映像描写などは過去作をリスペクトするようなオマージュもふんだんに使われていました
その為、今回の「なでこドロー 其ノ貮」に関しては至る所に過去作を想起させるような表現が多く、そこに気が付いた時に歓喜させられていたように感じました
なのでもしかしたら、今回の話は内容として同じ「面白い!」という感想を他の人と共有できたとしても、「神回?そこまでか?」と感じた人も中にはいたかと思います
それはそれで個人的には良いと思ってますし、分かってくれとも思いませんが、ただ今回の話に関しては過去作を知っているからこそ楽しめた部分が多かったとはまとめてて思いました
そしてそれがリスペクトにも近いような形でそれぞれ表現されていたのがより刺さった結果、”神回”とも思えるほどに楽しめたのかなと感じましたね
なので、もしも今回のオフ&モンスターシーズンから〈物語〉シリーズに入った方がいれば、『化物語』の「なでこスネイク」と〈物語〉シリーズ セカンドシーズンの『囮物語』は今後の為にも見ておいた方が良いかもしれませんね
また一度見たことある方も、今後もオマージュされた演出がある可能性もあるので、時間のある時にでも上記の2つは復習しておいても損はないかもしれませんよ!
そして次回は『撫物語』「なでこドロー 其ノ參」です!
老倉育との会話からヒントを得た撫子は、おと撫子を確保すべく阿良々木家へ向かっていた。しかし玄関のノブの辺りには、人間の手首が通るくらいの大穴が空いていて――。一方、別方向へ式神撫子を捜しに行った余接は、北白蛇神社へ向かっていた。
それでは今回はこの辺で!
また会いましょう